安倍総理の口癖「いわば」が気になる、と指摘した。
もともとこの人の日本語破壊力は相当なもので、「いわば」の意味はいずれ変わってしまうだろう、と書いた。
で、正直、「いわば」だけではない。
次に気になるのは、「まさに」である。
「まさに」という言葉は、辞書的には、
一、「疑いもなく」「確実に」
二、「ちょうど」「ぴったり」
三、「もう少しのところで物事が起こるさま」「ちょうど今」
四、「ある事柄が成立することが強く望まれているさま」「当然」
の、主に四通りであるようだ。
安倍総理が使うときには、以下のようになる。
一、「ほんとは疑いがあるのでそれをないことにするために言うが」「確実でないので確実を装って言うが」
二、「ちょうどじゃないので誤魔化して言うが」「ぴったりじゃないけどそういうことにしたいので言うが」
三、「もう少しのところで物事が起こる、決定事項であるかのように強引に言うさま」「ちょうど今、と決めつけて強引に実現したい気持ち」
四、「ある事柄が成立することが強く望まれているということにして強引に決めたいさま」「当然のことということにして強引に決めたいので言う」
で、ここがさらに問題なのだが、安倍総理は以上のどれかの意味で喋っているという自覚がないように見えるのだ。とりあえず、適当に、誤魔化すために、もっともらしくするために、ただ勢いで、「まさに」と言っていることが多いように思うのだ。
安倍総理の口癖「まさに」もまた、論旨をねじ曲げている、印象を操作しようとしているときに、使う言葉だとう。
正しい日本語を推進したい方々は、安倍総理が「まさに」を使うことについて、明確に進言すべきだと、真剣に思う。
でないと、「まさに」という言葉は、十年後には意味も使われ方も変わってしまっているはずだと思うのだ。