サ カ タ の ブ ロ グ 

やぁ、みんな。サカタだよ。

ニューなかった

2021年01月06日 | サカタだよ

体を使う技はニュータイプといえども練習をしなければと思ったけど、よく考えるとニュータイプじゃなかったし練習もしなかった。

 

平和に暮らすみんなのことを想像してみたけど、そんなみんなはいなかった。

 

なくて七草って、せり、なずな……あと何だっけと数えたけど、そんな「ことわざ」なかった。なくて七癖だった。

 

参加することに意義なかった。開催することに中抜きの意義があるだけだった。そんなことじゃないかと前から思ってたけど結局のところ身も蓋もなかった。

 

あんなものでクルクルまわって何が面白かったんだろう? いまやっても全然つまらないだろうと思いながら、やってみたら意外と楽しかった。成長なんて一切なかった。

 

この「タンドリーチキンとメキシカンピラフ」をファミレスで注文するたびに脳内さだまさしが「パンプキンパイとシナモンティー」を歌い出す……バラのかたちの角砂糖ひとつ♪ やめろ、メキシカンピラフってジャンバラヤと何が違うんだ? さだまさしと俺の内面の争いを人に知られぬよう、何食わぬ顔でタンドリーチキン食う雨の週末の危機。しかし、当然のことながら脳内さだまさしなんて存在しなかった。

 

せめてたまごのうちにやってくれたら、なんともなかったんですよ

……そういった、たしかにピヨピヨそういった! まわりの人にも、そうですよねピヨピヨいいましたよね? と、確かめても首を横に振るか、哀れみと苦笑いの入り混じった顔をするか、そのどちらかだから、やっぱりピヨピヨいってなかった。

 

人々がカフェでパソコンやタブレットを出してリモートワーク(テレワーク?)に精を出す姿をこうして眺めながら、自分は何も使わず席にただ座ってサボってる風を装いつつも、明日までに出す企画を頭の中で練っている設定なんだけど、そんな企画なかった。

 

昨日、仙台で取り逃がしたホシ(対象を業界でこう呼ぶ)を明日、いわきで確保する目星がついて喜ばしいけど、週末に東北の遺跡を探訪する予定をキャンセルせざるをえない……私立探偵の仕事はこんなものさと粋がってみても、もちろん私立探偵じゃなかった。善良な会社員だった……そんなに善良でもなかった。

 

さぞかし在宅勤務ばかりで運動不足だろうと期待しながら1週間ぐらい腕時計で歩数を計測してみたら毎日1万歩を超えていて、あるはずの運動不足がどこにもなかった。どうやら最近あまり在宅しておらず、ろくに会社にも行かないで何をほっつき歩いていたか、記録はあっても記憶がなかった。

 

子供の頃はもう少し早く生まれていたら恐竜に襲われてエサになったに違いないと真剣に恐怖して、時代がぜんぜん違うことを知ってもタイムマシンがある限りいつ何時こっちの時代かあっちの時代で遭遇するかもしれないと警戒を怠ることはなかったが、そんなタイムマシンなかった。いちばん怖いのは人間だった。

 

明治四十一年九月のレセピーに基づく海軍カレーをひと匙、私が口に運ぶと海軍でしごかれた前世の記憶がめまぐるしく回りはじめ、食欲がなくても金曜に出されるカレーはなぜか平らげることができたあの頃のこと、仲間と一緒に海の藻屑と消えるまでの思い出が走馬灯のように現れては消え、もっとはっきり思い出したくて匙を口に運んでも印象が戻ることはなかった。そんな前世なかった。

 

回天という、この人間魚雷で特攻して鬼畜米英の軍艦を沈没破裂させようと試みた結果どうなったか知ることもなく死に果てたけど、大日本帝国が当然勝利した結果の繁栄であろうとバンザイしながら彷徨った東京がまさか焼け野原にされて非戦闘員を大量殺戮された跡だったとは……バンザイなしよ! という知るはずもないテレビタレントのギャグがこの霊体から繰り出された? あれれ、そんな霊体なかった。生身の人間だった。

 

ビル建て替えで周囲の店が次々と消えるなか営業を続ける店で有線の懐メロに耳を傾けながら酒を傾けてると既に傾いて潰れた店の幻を見てるんじゃないか、世界線の向こう側のもう一つの現実に迷い込んだんじゃないかと、不思議な感覚に囚われるけど多分これが酔いというもので世界線の向こう側も幻もなかった。

 

回転寿司といふものは室町のころより右から流れくるネタを見ながら左へ受け流すこそよろしけれ新型コロナウイルス感染拡大を防止せんとや衝立にて左右を仕切るはただ目前のエサを食らふ養鶏場の禽類の心地かくばかりとなん思ひはべりコケコツコーとぞ雄叫びするも我は未だブロイラーならざりき、いやしくも人なり

 

マスクをとって朝食を……たちまち「ブーツをぬいで朝食を」のイントロが脳内に流れ出したけど、秀樹じゃないので歌わなかった。

 

木の葉隠れの術ができないと思ったら忍者じゃなかった。

 

Tarzan800号の発売日、先輩ライターと後輩編集者と池袋で密談。13時からなので昼ごはん一緒に食べるかもと腹を空かせて行ったら先輩と後輩は午前中の現場のあとゴキブリが出る店でトンカツ食べてきてたから駅前のカフェ(服部珈琲舎)でぼくだけカレー食べた。大正弐年創業、ということは百年以上やってる店のカレーは案の定の感じ。お会計の際ぼくだけカレー食べたから払おうと思ったら後輩(でも上司)に伝票サッと取られてイエイエイエイエ……と払われてしまった。まいっか。家に帰って、リモートワークで801号の入稿を19時ごろ終えた。こうして永劫に仕事は回帰するのかな? 永遠に万物は流転するのかな? と思ったけど、そんな永劫も永遠もなかった。いずれは定年か失業が待つ41歳の冬だった……と、ドサクサまぎれにサバを読んだ。大幅に読んでしまったのだ。

 

関連記事:   ないない2020

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