サ カ タ の ブ ロ グ 

やぁ、みんな。サカタだよ。

超絶技巧

2016年03月25日 | サカタだよ
この鯉は高瀬好山という人が作った銀の置物で、魚っぽさがすごいな~とか思ったら、なんと
ウロコの1枚1枚、ヒレまで自在に動いて、手に取ると魚が泳ぐように動かせるんですよ。



このタケノコやウメやマツボックリは写真で見るより実物を見ると、まるで本物みたいだな~と
思いますが、安藤緑山という人が象牙を彫って彩色したもの。弟子もとらず記録も残さずで、
いまは再現不可能なんだそうです。



明治の超絶技巧といわれる工芸品、並河靖之の七宝もパッと見てなにをどうやって作ったか
わからず圧倒されちゃいます。陶器にも、漆器にも見える。



正阿弥勝義という人が作った香炉は、ハトの部分を外してお香を入れるようになっています。
古い瓦に見えるところも、ハトもどちらも金工です。よく見ると、ハトに睨まれてちいさなクモが
身をよじらせてます。



幕末に開国して、不平等条約のもと輸出用の工芸品がさかんに作られた明治大正のころ。
金欄手の薩摩焼も大変な人気で飛ぶように売れたそうですが、材料に使われる金の流出が
問題となり、まったく違う技巧で勝負した高浮彫がまたすごい。



これ全体が、やきものです。「没後100年 宮川香山」展が、六本木のサントリー美術館で
いま開催されていて、ちょっくら取材にいってきました。香山の作品も海外に輸出されて、
長らく国内で見るチャンスがなかったようです。



さっきのカニは器として使えますが、このお皿に至っては何も盛ることができないですね。
スープを注いだら、どうにか飲めるかな?



香山の高浮彫は海外で評判になり、価を問わず買い求められたとか。どうやって作ったか
なぞが多い。生涯、実験を繰り返した超絶技巧の偉人です。



かわいいのもあれば、ちょっと不気味なのも。

 

ほんとうに、どうやって作ったんでしょうね? こういう立体的なやきものを10年ちょっと
集中的に作ったあと、ぜんぜん違う技巧を用いたやきものを作るようになります。



振り幅がすごいですね。釉下彩といって、うわぐすりをかける前に絵付けして、窯で焼く
ワンチャンスですべての色を思い通りに出すのが非常に難しいそうです。



じつはさっきのカニのやきもの、カニの部分に釉下彩の技巧が使われているんだそうで、
なんというややこしいことを!!



本日発売のクロワッサンの「ART」のページでは、また違う視点の記事になっております。
そっちのほうも、よかったら見てみてください。
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