京恋し

頑張った時のご褒美は京都。ずっと憧れ。

モーリス・ユトリロ展

2010-06-06 23:44:12 | ギャラリー
母親も画家、精神病院に入院していたことがある…そんな生い立ちしか知りませんでした。


病院に入っていたのは18歳でアルコール依存症となり、その治療のためだった。
8歳からお酒を飲み始めていたという。
母はスュザンヌ・ヴァラドン、ルノワールやロートレックの絵のモデルをし、後に見よう見まねで
絵を描くようになった。
私が好きだったユトリロの絵は「白の時代」と言われるユトリロ最高の時に描かれた
絵がほとんどであることも分かった。


チケットに印刷されている「カルボネルの家」も好きな絵でしたが1920年頃に
描かれた絵で、「白の時代」から「色彩の時代」と変わっていった頃の絵です。

        
        「エリゼ・デ・ボザール小路、モンマルトル」
        好きな絵の一枚。モンマルトルの丘の路地の階段にだけ人が
        上り下りしているのが不思議。ひっそりと眠っているように見える
        画面の中で、そこだけ人の息遣いを感じる。

         
         「サン・リュスティック通り、モンマルトル」
         何気ない路地の突き当たりにサクレクール寺院が見えるこの
         雰囲気がいい。

         やはり道の突き当たりにサクレクール寺院がもっと堂々と姿を
         見せている「サクレクール寺院とシュバリエ・ラ・パール通り」
         という絵が好きだったけれど、今回の展示の中には見つからなかった。

              
              「雪の通り、モンマルトル」
              人気の高かった雪のシーンを描くことを母と二人目の継父に
              強要されていた。彼は金のなる木となったが、一杯の安酒
              が欲しいだけだった。

              ユトリロは常に檻の中、絵だけを描いている孤独な生涯だった
              という。

              ユトリロの人生を知ってみると、あまりにも静か過ぎる
              色あいと路地の風景の訳が分かるような気がした。