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京恋し

頑張った時のご褒美は京都。ずっと憧れ。

萩は萩でも

2008-09-18 22:35:43 | 季節のことば
神代植物公園で出あった秋草、まだまだあります。

        
        花は小さな萩の花、同じマメ科でもありますが、
        この花の名はちょっと怖い「ヌスビトハギ」


ヌスビトハギの実。この実の形が盗人がつま先立って忍び足で
歩いた足跡に似ているというのが名前の由来。盗人の足跡
なんて見たことないし…

        
        「ナンバンギセル」:ハマウツボ科日本原産
        ススキやサトウキビの根に寄生しています。


万葉集では思い草と言われています。うつむいて何かを思案して
いるように見えるのでしょうね。
道の辺の尾花が下の思ひ草今さらになぞ物か思はむ  万葉集作者不詳
(道ばたのススキの根元に咲いている思い草のようにうつむいて思い煩うことが
ありましょうか、今更もう迷いません)
この歌の読み方も解釈もいろいろあるようです。私は前向きな心と捉えたいと
思うのですが。

        
        「カリガネソウ」:クマツヅラ科日本~中国原産
        初めて見る花、きれいな青紫の花ですが、いい匂いとは
        言えない独特の匂いがあります。


雄しべと雌しべが揃ってフックのように飛び出して、ユニークな
花の姿です。この形が雁の飛ぶ姿に似ているというのですが…

        
        この花も万葉の時代から歌に歌われている「オミナエシ」
        オミナエシの一群れは光を集めたようにひときわ輝いていました。
        手に取れば袖さえ匂ふ女郎花この白露に散らまく惜しも 
                                 万葉集作者不詳
        (手で触ると袖さえも染まりそうな女郎花の花よ、冷たい露に
         あたって散ってしまうのは惜しいなあ)

        秋草を眺めているとしみじみとしてきます。