京恋し

頑張った時のご褒美は京都。ずっと憧れ。

幸せの花

2007-03-06 22:19:30 | 季節のことば
ミツマタは万葉集ではサキクサ
サキ→幸(さき)く、という言葉を引き出すために使われます。
ミツマタは春を呼ぶ花幸せを呼ぶ花

        
        一つの花のようなこの塊には、30~40の花が
        集まっているとか。


花には花弁はなく、細長い筒状のガクの先が、
花びらのように四つに裂けているのです。

        
        外側より内側のほうが黄色が濃い。
        白いモヘヤのセーターを着ているみたい。


ミツマタ:ジンチョウゲ科中国原産

万葉集に、山上憶良が息子・古日(ふるひ)を詠んだ歌がある。
  古日が幼い頃、お父さん、お母さん、一緒に寝ようよ、サキクサのように、
  僕が真ん中ね、という会話を交わしながら、大事に育てていたのに、
  突然の病で、幼い古日は亡くなった。
  憶良の慟哭を読むたびに、1000年も昔の親心に共感して泣けてしまう。
  息子の誕生の時、無事生まれてくれれば、と祈った心の原点を忘れがち
  だった子育て中、ミツマタの花は初心を取り戻させてくれる花だった。

  ミツマタの花はあったかい灯りのような花、懐かしい花、幸せを呼ぶ花

三椏(みつまた)や皆首垂れて花盛り  前田普羅