ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 





堀商店。港区新橋2-5。
上:1986(昭和61)年2月2日
左:1984(昭和59)年5月5日

外堀通りの赤レンガ通りの交差点(新橋二丁目交差店)の角に立つので、景観的にも重要な建物だ。1998(平成10)年4月に国の登録有形文化財になっている。『総覧』では「堀ビル、建築年=昭和7年、構造=RC4、設計=公保敏夫、施工=安藤組」。『都市の記憶>堀商店』によると、実際の設計者は小林正紹らしい。小林は「国会議事堂設計チームの中心であり神宮外苑の絵画館なども手がけた」人で、公保の実兄にあたる。小林は大蔵省の官吏(技師)という立場から、民間の建物を設計する際には公保の名義にしたり、共同ということにしたという。
外観は角を大きくアールをとって水平線の中に縦長の窓を並べたモダンな感じである。スクラッチタイル貼りの壁面なので山田守設計の千住郵便局に似たところもある。建物右の階段室から塔屋の縦のラインを強調したあたりは中世ヨーロッパ風だろうか。軒から出ているトゲトゲの飾りは他には見たことがない。
国の登録文化財に指定される前の平成元年に「東京都選定歴史的建造物」に選定されている。平成8年に外壁や窓枠などの補修工事が都の助成で行われている。



近影。2009(平成19)年6月8日

周りのビルのほとんどが改築されて高層化された。1枚目写真の昭和の時代の街並みは、堀商店から右の外堀通り沿いに、城南信金新橋支店(横丁)新橋亭別館、青柳ビル、森薬舗、大黒屋ビル。
城南信金は堀商店の左にもある。城南信金のビルが堀商店を囲むようにL字型の平面で、建て替わったEXER新橋も同じだ。

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