大橋むつおのブログ

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高校ライトノベル・タキさんの押しつけ映画評『ホビット2スマウグの荒らし場』

2014-03-03 06:52:27 | 映画評
タキさんの押しつけ映画評
『ホビット2スマウグの荒らし場』



 これは、悪友の映画評論家・滝川浩一が個人的に身内に流している映画評ですが、もったいないので転載したものです。



う~ん 納得 満腹です。

 前作「思いがけない冒険」から引き続き P・ジャクソン以下“トールキンオタク”による凄まじいファンタジー作品です。
 
 おさらいさせてもらうと、原作者トールキンはイギリスに神話が無い事を悲しんでいました。ブリテン島の歴史は日本と比べて遜色ありませんが、数度の侵略によって寸断されています。ヨーロッパの国々はいずこも似たような経験を持っていますが、自国の神話は征服者の神話と混淆され長く残っています。グリム・アンデルセンの説話のアンダーグラウンドに共通点が有るのはこの事によります。似たような経緯に有りながら何故かイギリスだけが独自の神話を持っていません。

 イングランドの原形は6世紀末の七王国時代からとされますが、その後 デーン人(バイキング)の侵入を受け、その血を引き継ぎながらイングランドとして安定するのは1100年代から、これ以前の神話は消えています。
 アーサー王伝承(アルフレッド大王/871年~ と北欧神話の混淆)以前のものは判然としません。
 大陸ヨーロッパ(主に東欧諸国とドイツ・オーストリア)の国々は“黒き森”の伝承を有しており、それと征服者の神話が融合しました。
 比べて ブリテン島には“黒き森”のイメージが無く、被征服以前の神話が弱かったんじゃないか……と考えています。第一次大戦後 言語学者であったトールキンは小説形態の神話構築を試みます。それが「指輪物語」なのですが、当初 余りの長部に出版してくれる会社が無く、プレ指輪物語として子供向け童話の形で「ホビットの冒険」を製作しました。
「指輪物語」の中でヴィルボ・バギンスが書いている「行きて還りし物語」がこれです。これが子供だけに止まらず大ヒットし「指輪物語」発刊の後おしになりました。「ホビットの冒険」は童話であると共に「指輪物語」のパイロット版でもあり、その内容は駆け足の「指輪物語」です。大人なら半日もあれば読み終える量しかありません。
 これを指輪シリーズと同じく一編3時間弱の三部作にする為に、映画独自のキャラクター(指輪に登場するエルフのレゴラス/オーランド・ブルーム/は原作には登場しません)を出したり、原作には描かれず謎に成っているシーンが挿入されています。これらはデタラメに作ってあるのではなく、「指輪物語追補篇」「シルマリルの物語」等 本編以外の膨大な周辺部資料をくまなく渉猟した上で製作されています。
 トールキンの残した本編未収録原稿は まさに膨大必ずしも本編に添っているとはいえませんが、これを「ホビットの冒険」に添わせ かつ「指輪物語」に繋がる 矛盾しないストーリーに組み上げてあります。
 ただ一言「見事!」……原作ファンが「こうであろう」と考え「これが見たかった」とつぶやく映像です。
 そこまでの拘って作りこんだ作品ですから、正直 「指輪物語」の世界をご存知無い方には前提となる部分が大きすぎて十全に楽しめないかもしれませんが、一切をそのまま受け入れれば、見事なノンストップアクションファンタジーです。まずは気楽にご覧ください。お気に召しましたら 前作および「指輪三部作」をご覧下さい。原作も読んでいただくと この作品が いかにエゲツナイまでの凄い映画であるか お分かり頂けると思いますです。


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