ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

タンノイ・カンタベリーの客

2008年07月27日 | 巡礼者の記帳
刑事コジャックはテレビの画面で言っている。
「それは方法だろう。理由はなんだい?」テリー・サバラスは飴棒を手に切り込んでいく。
モノトーンの光景がとても良かった。
さて、届いた小包を開けると、箱の上に一枚のメモと小さなガラス管があった。
『音の良いフューズですが、どうぞ』
オート・グラフを自作アンプで鳴らしているトランス・ドライブの権威は、二行の言葉と髪の毛のようなフューズ線に、ご自宅のタンノイを語らせているのか。
正午も廻ろうというとき、品の良いご婦人が姿勢のまっすぐな紳士を伴って登場された。
「あー、ここだわ、タンノイ」
墓参りの帰りです、と申されながらニコニコと、「あなた、ここに座って」と御子息らしい人に勧めて、ロイヤルの音をまっている。
それとなく子細をうかがうことができたが、ご自宅にいまあたりを払って鎮座している装置は、ご主人の蒐集された集大成である『受注生産タンノイ・カンタベリー』と『マランツ#7』と『#8B』とうかがって、またも市内に浮上してきた潜水艦を見る。
「ピアノの音が良く鳴らなくては...」と、ご自宅に搬入されたタンノイの神韻渺々の音楽を楽しまれたそうであるが、その二年間はいささか短かったのか、わからない。
龍之介の一章を敷延して、
お釈迦様は、やがてかたわらの御仁に微笑まれると、ハスの池から顔を上げてゆっくり去ってゆかれました。あたりには、温かな光に満ちて停まった時間が、ときどき風に揺れて微睡んでいます。





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