ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

八月の写真

2008年08月01日 | タンノイのお話
八月に、管球アンプの赤熱するヒーターが暑い。
そこになお、熱いコーヒーでタンノイを聴く。
「わたしは、冷ましてから喫するのがすきなんですが」どうして熱い珈琲がいいんでしょうかねと言う、クールなジャズフアンにも。
「コーヒーは熱いうちに」と、楽しめる八月なのだが。
八月の或る日、車の窓を開けて風を呼びながら、花泉の奥の知らない道に踏み込んだことが有る。
どうなっているのか、どこまでも車を進めていくと、道は二手に分かれて山間の森の奥に消えていた。
この先を行けば、もう同じところに戻ってこれないような気さえする迷路を走ると、やがて風景の開けた先に中世のヨーロッパの塔のような建造物が突然現れて、近寄ってわかったことだが、よほど西洋の好きな人間が一生懸命木造で組んだと思われる、人の気配のしない古びた微妙な建物であった。
机の抽斗からまた一枚、写真が出てきた。
タンノイを聴こうと席に着いて、眼の前のスピーカーが鳴っていると思っていたが、鳴っているのは部屋であると、試してわかった写真である。
スピーカーの位置を変えると、まず低音の質量が変わり、全体の周波数特性と響きが別のスピーカーのように音楽の鳴るのが聴こえる。
まったく同じタンノイ・ロイヤルであるのに、誰もがはっきり「違う」と言う。
聴いた人は音の違いにびっくりして、「以前に戻しなさい」と言ったり「こちらのほうが良い」と楽しめるのがオーディオ装置である。
大仕事につき、移動はおいそれとはできないが、そのうちまたやってみようと、写真を眺める。
花泉に、まだ知らない道がある。



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