ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

ブルッフの作品26

2013年04月26日 | 巡礼者の記帳
駅からまっすぐ歩いて坂道を上の橋の袂まで来ると、堤防の横断歩道の脇道を、慌てて右にそして左に小走りに移動している人がいる。
その見ている方向は、はるか山の方で、山火事の煙でも昇っているのか?
するとこんどは、右と左の指を四角いファインダーに組んで覗き始め、どうやら須川岳が夕日に浮かぶ絶景を、この人物はいままさに捕捉したかのようであった。
いったい何者か?
それからほどなく、当方が故郷に持ってきたスライドをプリントに出向いたカウンターに居たご主人が、あの時の人であると気が付いた。
犬を散歩させつつ、市内の絶好地を頭脳は網羅しており、あとは時期や天候を待つばかりという、ただ散歩の人ではないのかもしれない。
名人ともなると、いちいちカメラを持たなくとも心のネガに撮ることはたやすい。
ぜひ、これまでの傑作を見せていただきたいものであると思った。
オイストラフがコンテ・デ・フォンターナで聴かせる、ブルッフ氏ト短調26の切実な開始をタンノイは一直線に鳴らし始めるが、途中まで聴いて、これはたしかに傑作であるが、マイルスとコルトレーンが『All of You』のときのようにパートを分けていつもの演奏したらどうか、と想像がわいてもうしわけない。
「恐れ入りますが各パートのみなさん、気分をこめてご唱和お願いいたします」
テレビで見る有名な指揮者がそう言って指揮棒を振るシーンまで浮かぶ。

オイストラフ愛用のストラディヴァリ氏の生まれは松尾芭蕉と同じ年と記録にあるそうだが、漱石も一応の気分は詠んでいる。
木枯らしや うみに夕日を 吹き落とす

名古屋に実家のある、堅い商売の客人がお見えになった。





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