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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

私が日頃書かないこと 孫と猫について

2013-03-15 03:34:26 | 想い出を掘り起こす
 いろいろなことを無節操に書き散らす私ですが、あまりというかほどんど触れない話題があります。それが孫と猫の話題です。

 前者については、孫が可愛いということを今さらいいたてたりするのは私には似つかわしくないというある種のダンディズムによります。
 しかし、これはそれを素直に述べる人たちを批判したり排除したりするものではありません。あくまでも私のようなへそ曲がりは、そのようには語れないというまでです。

 後者についても、猫ニャンニャンというのは私の美学に反するのであえて語らないのですが、もちろん猫が可愛くないわけではありません。
 ただし、猫については積年の思いがあります。

        

 今から40年ほど前、いまの一戸建てに住み始めた頃、それ以前のアパート住まいでは飼えなかった猫を飼い始めました。ほとんど同時に、家族団らんの居間にと、いわゆる応接セットを購入しました。
 当時の安っぽいレザーのものではなくて、革のものがいいだろうというので、共稼ぎでもとても現金では買えない本革のものをローンを組んでゲットしました。
 一戸建てで居間には応接セットがあって、猫までいて、まさに典型的な中流志向のアイテムが揃った感がありました。

 それらの道具立てが揃ったある日、家族揃って外出をしました。まだ若い猫はお留守番です。どこでどのくらいの時間を過ごしたのか今となっては思い出せないのですが、帰宅した私たちは見るも無残な光景を目撃したのです。

 まだ頭金しか払っていない応接セットのソファ類はすべて、無残な傷跡で埋め尽くされていました。それはあたかも、私どもに恨みを抱く者が故意に傷つけたとしか思えない惨状でした。
 しかし、善良この上ない私どもがかくも人様の恨みをかう理由は何一つ思い浮かびません。

            

 犯人は猫でした。ひとり置いてきぼりを食った腹いせに、ではないですね、淋しさに、おそらく狂乱状態になったのでしょう。それが、爪を研ぐという猫の習性とあいまって、かくも悲惨な状態を生み出したのです。
 さすがに頭に血が登りました。尻尾を持って地面に叩きつけてやろうかとも思いました。しかし、そうはしませんでした。罪を憎んで猫を憎まずです。それに、罪あるものこそ赦されるべきだとキリストも親鸞もいっているではありませんか。

 傷ついたセットには急遽カバーをしましたが、やはりその居間でこの猫と仲良くやってゆくのには抵抗がありました。かといって一度飼うと決めたものを捨てることなどはできません。さいわい、義妹が引き取ってもいいといってくれました。

 その後、義妹のところへ行った折など、当然その猫に逢ったりしたのですが、いくぶん複雑な思いはどうしても禁じえませんでした。猫の方はそんなことはニャンとも思わないようで、旧知の人間が現れたとばかりに私の足元に身をすり寄せて来るのですから一層思いは錯綜します。

        

 そんなこともあって、私は猫と孫(え?いっしょにするなって?どっちがいってるの?)の話題は避けているのです。
 しかし、さほど頑なではないですよ。私の親しい人のなかには、明らかに猫を指すハンドルネームを使っている人が複数いるからです。

 ここに載せた猫たちの写真は、先般、日間賀島で撮ってきたものです。漁港の近くには猫が沢山います。みんなまるまる太っていてしかも物怖じしません。すぐ近くへよっての撮影が可能なのです。
 
 私がなぜ猫の話をしないかをお分かりいただくために、猫の話をした次第です。




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2 コメント

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Unknown (さんこ)
2013-03-16 10:52:52
六文銭さん

猫も孫も、私の飼い主は、とても身近に感じていて、

その動向が、どうしても脳裏からきえないようです。

またわたしも、貴方の家のように上等ではありませんが
 、ソファーも椅子もバリバリにひっかき、ソファは、布で隠し、椅子はそのまま、中のはらわたが出たままですが、我飼い主は仕方ないなという顔をしてそのまま使っています。

昔は、犬派だったようですが、今は自分が我儘なので
俄然、猫派になったようです。

自分が病気でも、名前を呼ぶと無理をして、しっぽを振る犬の誠実さや、健気さが、きっとたまらないようになったのでしょうね。どちらも好きなようですが。
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Unknown (六文錢)
2013-03-16 14:04:53
>さんこさん
 映画になった虎と少年の話ではないのですが、あなたたちのように言葉が通じない相手とのコミュニケーションは難しいですね。
 それでも、おばママはよく努力をしているようです。

 ところで、この真中の写真、絵画のようでいいでしょう。ちょっと雰囲気は都会的ですが、漁港の近くの倉庫のなかで撮ったものです。
 多分、親子だと思うのですが、さんこさんがそのおうちに来た頃、ときどき窓の外からのぞきにやってきたというお母さんのことを思い出しませんか。
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