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川のカクテル? 徳山ダムと長良川

2009-06-07 23:07:40 | 社会評論
 「このままで、このままで流れよ 長良川」という催しに行って参りました。
 トーク&コンサートです。
 主題は長良川ですが、まずは水系の異なる揖斐川上流のの徳山ダムの話をしなければなりません。

 
           この催しのパンフやチラシなど

 こんな話から始めましょうか。
 あんころ餅の美味しいのがあるから是非食べろと言われ、あんまり食欲はなかったのですが断り切れずに了承しました。ところがそのうちに、あんこが柔らかすぎちゃったのでお汁粉に変えさせてくれといってきます。なんだかなぁと思いながら渋々了承すると今度は、砂糖が足りなくで味噌汁のようになったからこれを食べてくれといいます。しかもいろいろ作り替えているうちに経費がかかったので最初の約束より余分に金を払ってくれというのです。

  
       徳山ダムの航空写真 右下の白い部分がダム本体


 この詐欺のような話が徳山ダムなのです。
 最初は電源開発でした。しかし、電気は余り気味と言うことで今度は治水対策だと言い出しました。しかしこれも根拠が乏しいということで、最後には水資源の確保と言うことになりました。そして強引に、3,000億の税を投入して作り上げました。徳山村の村民全員を排除してです。
 水資源ということになると、揖斐川の上流に貯めたこの水を木曽川水系や長良川水系へと運ばねばなりません。水は空中を飛びませんからこれまた導水管の工事をしなければなりません。
 もともと、なんの目的もない巨大ダムを作り、出来上がってから見つけた(それ自身間違っている)目的をごり押しにするため、さらに900億の税を注ぎ込もうという話が進んでいるのです。

  
      ダム建設以前の徳山地区の地図 上の航空写真部分に相当

 最初のあんころ餅はすっかり姿を変え、ぐちゃぐちゃになった味噌汁もどきと「木曽川水系連絡導水路」と名付られた附録のような工事とをセットにし、さらに追い金を払ってこれを食えと言うわけです。
 しかし、なぜ揖斐川の水を木曽川や長良川へ導水するのかの根拠は全くなく、またメリットもありません。デメリットはいっぱいあります。導水管の工事そのものが環境に及ぼす影響もあります。また、違う河川の水を混合することにより、それぞれの川にあった生態系が完全に混乱させられるのです。その上、そのために税金が全く無駄に使われると言うことです。


  
           催しのパネル・ディスカッション

 長良川は、四万十川に次いで清流の度合いが高い河川として知られています。この川の唯一の汚点は、これもまたその必要性についての合理的な裏付けがないままに十数年前に強行されたいわゆる長良川河口堰です。
 これが出来るまで、長良川は最上流部から伊勢湾にいたるまで、ダムがひとつもない自然な河川として希有な存在だったのです。
 河口堰の両サイドでは、この辺の特産であったヤマトシジミがほぼ全滅しました。降海型のアマゴ、サツキマスの遡上も激減しています。天然鮎の遡上も減っています。

  
         「笠木透と雑花塾」のライブコンサート

 こうして傷つけられた川に、さらにその川の生態系とは馴染まないほかの河川の水を注入しようというのです。長良川をもうこれ以上いじめないで欲しい、ただただゼネコンの懐を潤すだけのために税金を使って環境を破壊することはやめてほしいという地元の声を集約したのが冒頭に掲げた催しだったのです。

 河村名古屋市長は、この「木曽川水系連絡導水路」のための名古屋市の分担金支払いを凍結し、その工事そのものへの疑義をも語っています。
 これは全くもって正しい判断だと思います。
 ここは河村氏を孤立させるのではなく、愛知、岐阜、三重県民の力で、無用な税負担を強要しさらに環境を破壊する全く無駄なこの工事をやめさせたいものだと思います。

  
    笠木透・詩の絵本絵巻「長良川」を広げての「長良川賛歌」の合唱

 この催しに出席して、いろいろな人と出会うことが出来ました。
 まず、名古屋での毎月のお喋り会の常連であり、かつ徳山村ご出身のOさん、この前まで一緒に雑誌を作っていたNさんとKさん、そしてKさんのご母堂、さらには岐阜ご在住、かつて私がやっていた店の常連さんだったAさん、それと忘れてはならないのはこの催しに私を誘ってくれたやはり岐阜在住のTさんなどなどです。
 あ、それとその雑誌時代に私がインタビューした人とも出会ったばかりか、彼の属しているNPOの方(女性)がパネリストのひとりでした。

 それらの方々の有志と、久々に熱い語り合いの場をもつことができました。
 あんころ餅をぐちゃぐちゃにした味噌汁もどきを高い税金で食わされないよう、そして子供の頃から馴れ親しんだ長良川をこれ以上いじめさせないようにしたいと思います。


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