連休中の21日、名古屋鉄道(名鉄)の無料乗車券が手に入ったので、岐阜を拠点にできるだけ遠くへ行った方がと思い、中部国際空港(セントレア)へでかけた。
一昨年、昨年とここから海外へ往復したのだが、今年はそれを果たせなかったのでせめて空港までというせこい考えもあった。それと、海外旅行が制限されているなか、空港がどうなっているのかも見ておきたかった。
折からの好天に恵まれ、空港そのものが海の中の人工島とあって吹く風も爽やかで、航空機の発着が見渡せるスカイデッキも、日差しが強い割に快適だった。湿気が少なかったことも幸いしたのだろう。
さて、そのスカイデッキからの眺望であるが、以前来たときと違い、発着便が実に少ないのだ。前は、これでは過密ではないかと思うくらい多かったのに、おそらく三分の一以下に減少しているようだ。
スカイデッキの先端には、いつも発着を撮影しようとするカメラマンがひしめいているのに、それらしいひとはいたことはいたが、大砲のようなレンズを持て余して退屈そうだった。
若い人たちが、スマホをかざしているほうが遥かに多かった。
しかし、それらも含め、スカイデッキそのものへの人影は少なかった。
空港内の人影も、空の旅のための人たちはチラホラで、近郷から遊びに来たという人たちが圧倒的に多かった。もともとこの空港は、ロケーションが良く、新しい施設とあって、空港利用者に比べ、ここへ遊びに来る人たちの比率が高いことで知られた空港ではある。
しかし、それにしては乗降客の割合は少なかったように思う。
それも含め、人の数そのものが少なかった。
その影響が顕著に出ているのが、物品販売や飲食関係である。
シャッターを下ろした店は異常に多く、貼り紙を見ると、「当分の間・・・・」というものから、中には、「大変長らくお世話になりましたが・・・・」というのもあり、苦渋の決断を偲ばせ、哀れを催す。
あるフードコートなどは、八店中、稼働は二店のみという惨状であった。元飲食店経営者としては、胸にズシンと重い衝撃が走る。
空港ピアノがあったので、しばらく見ていた。子どもたちが童謡や練習曲風のものを弾いていたが、最後に、女性がショパンを弾いた。惜しむらくは途中でちょっとつっかえた箇所があったことだが、それもご愛嬌だ。こういう開かれた場で聴く演奏は、コンサート会場とはまた違って、楽しいものがある。
それでも、あちこち見て歩いたら結構楽しかった。
帰りは名鉄ご自慢のミュースカイ2200系で岐阜まで。
岐阜へ着いたら湿度も高く暑かった。
改めてあの空港のロケーションの良さを思った。