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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

A級or永久グルメ 簡単レシピつき

2008-08-25 01:08:46 | 想い出を掘り起こす
 
          左側のくしゃくしゃはむいた皮

 これは何でしょう?
 そうです、蕗ですね、といいたいところですが違います。
 サツマイモの茎、正確には葉柄にあたる部分です。

 農協の野菜売り場にありました。
 ひと束100円で、二束あったので、そのうちのひとつを買おうと思ったら、もうこれでお仕舞いだからと残りのひと束もサ-ビスしてくれました。
 この前も、ぬき菜を同じ様にサービスしてもらいました。
 だから対面販売って好きなんだなぁ。

 で、このサツマイモの茎、実は戦中戦後の食糧難の中で、よく食べられたものでした。サツマイモそのものが貴重品でしたが、その茎も食べたのです。

 
       この皮、意外と簡単にむけます。コツは末尾に

 とにかく食べるものがありませんでしたから、口に入るものは何でも食べました。
 動物には、食用になるものとそうでないものが本能的に分かるようですが、人間はそうではありません。試行錯誤の連続でした。

 スギナ(ツクシの本体、細い葉の植物です)をヒジキの代用にといって食べたこともありましたが、パサパサして不味かったのを覚えています。
 私は食べませんでしたが、毒性があるといわれる彼岸花の球根を、水にさらせば食べられるといって食べた人たちもいたようです。

 そうした、普段、食用にしないものを食用にするのを代用食といいました。
 このサツマイモの茎も、そうした代用食の一種でした。
 しかし、数ある代用食の中でも、私にとっては不味かった印象はなく、むしろ好感が持てるものでした。
 ですから、今でも、こうして機会に恵まれると求めて調理します。
 今回は二束もあったので、二通りに分けて食しました。

 まず皮をむき、3~4センチに切りそろえたあと、少し塩を入れサッと湯がきアクを取りました。ほとんどアクはありませんが、後述するように、炒める場合には湯がいておいた方がいいと思います。

 
 
 上の左側は、それをキャラブキ風に煮しめたものです。
 そして右側は、薄い塩こしょうでさっと油で炒め、仕上げに鍋肌に醤油と少量のごま油でコクを出したものです。
 
 結論としてはそれぞれおいしくいただけました。
 面白いのは、炒めたものより煮しめたものの方が、サツマイモの味がするのです。初めての人に食べさせたら、炒めた方の素材はまず分からないでしょうが、煮たものの方は味覚と勘の鋭い人には分かるかも知れません。

 この地方では今が芋掘りの最中のようです。かといってスーパーには出ませんから、やはり農協などの販売所にしかないかも知れません。
 もし見かけたら、一度チャレンジしてみてください。
 代用食ではなく、堂々たる一品になりますよ。

 かつて、空襲におびえたり、戦後の混乱や不安の中で食した代用食を、グルメとして味わえるこの時代をも噛みしめながらいただきました。
 かくしてこの味は、少し大げさに言えば、六十数年間にわたって私が胸中に抱き続けてきたものなのです。

皮むきのコツ
 一見面倒そうですが、根元の方からではなく先端の細い方から、爪を少し大胆に食い込ませ、す~っと引いてくると、一度でむいてしまうことができます。
 二、三本やってみると、コツがつかめるはずです。

 

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (さんこ)
2008-08-25 09:16:25
なんとも懐かしい食材ではありませんか。私が食べたのは、6歳の時。僅かに手に入った油を使ってあったのが、とても、夢のように美味しく感じさせてくれたことを、うら哀しさを持って、思い出します。
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Unknown (マツコ)
2008-08-25 15:30:06
先日はありがとうございました。

なんか美味しそうだったので、
寄らせていただきました♪

フキは大好きなのですが、
よく母が作ってくれるたけのことシーチキンの煮物をを独り占めして食べたのを思い出しました。
サトイモの茎ですか・・・。
それはびっくりです。スーパーで見つけたら料理してみたいです♪
返信する
Unknown (マツコ)
2008-08-25 15:32:08
あっ(汗)
サツマイモでした。
返信する
Unknown (さんこ)
2008-08-25 16:15:01
マツコさん、お若いのでしょうね。さつま芋の茎がごちそうだったときおくがあるのは、戦争の飢えの記憶と重なるのです。どんぐりのこなのすいとん、乾麺を、ぽきぽきおって、ご飯の量を増やした記憶。かぼちゃの代用食。こんな記憶は、無いほうがいいのです。
返信する
Unknown (マツコ)
2008-08-25 16:54:12
>さんこさま

確かに戦争に行った祖父は一言もその当時のことを口にしませんでした。
申し訳ございません。最後までしっかり読まずに、
何も考えず書き込んでしまって・・。
軽率でした。

>六文錢さま

不適切であれば削除をお願いします。



返信する
Unknown (六文錢)
2008-08-25 23:03:46
>マツコさん
 いいのですよ。
 ここは、世代のギャップがあればそれを敢えてあからさまにし、お互いに違う世代を理解し合うことができればという場所ですから・・。

 ですから私も、かすかな戦争の記憶などを出来るだけ書き留めることにしています。
 それをどう読んでいただけるか、というより、若い人たちに読んでもらえること自体に意味があると考えるからです。

 ですから、ご自分の感性で受け止めていただき、分からないことがあったら突っ込んでいただけばと思います。

 私自身、若い方のコメントでなるほどそういう受け止め方もあるのかと教えられることも多々あるのです。

 ひるまずにコメントを下さい。



 
返信する
Unknown (maotouying)
2008-08-26 00:45:52
私が聞き取りをした老人の中に、当時、日本軍のトーチカの造営に駆り出された人がいて、日本軍は食糧を自分たちで持ってきていて、米と砂糖と牛肉の缶詰を食べていた。自分も一度食べたことがあるが、それは「ほんと~~にうまかった」と、会うたびに、ほんと~によだれをたらさんばかりに懐かしむのです。60数年前の味の記憶が、哀しいほどに染み付いていて、私はなんとかもう一度その“牛肉の缶詰”を食べさせてあげたいと思っています。で、その日本軍の携行食って、コーンビーフのことなんでしょうか?それとも大和煮みたいなもの?ここはどうやら、“ご老人”が多いところなので、どなたかご存知でしたら教えてください。
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Unknown (六文錢)
2008-08-26 01:42:25
>maotouyinngさん 

 コーンビーフは戦後占領軍が持ち込んだものですから、牛肉の大和煮の方だと思います。
 私も、食糧難がやっと解消され始めた小学生の高学年の頃食べたのですが、やはり、こんなうまいものが世の中にあったのかと思いました。

 近況をネットで調べたら、最近は介護食などに利用されているようで、その価格もエッと思うほど安いのです。

 あの価格ですと充分お土産になりますよ。
 何せ、一缶、300円以内ですから。
 私も買って来て酒のつまみにでもしようかな。

 Googleで、「牛肉の大和煮」を検索してみてください。いっぱい出てきますよ。

 それから、「ここはご老人が多い」というのは余分です。
 私のような紅顔の美少年も頑張っているのですから・・。

 あなたの村へ行けなくて残念です。
 あの老人たちが健在なうちにあっておきたいですね。
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