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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

【今日の朝刊から】時事性のある短歌たち

2013-04-22 14:13:51 | ポエムのようなもの
                              桑の新葉、小さな果実たちもスタンバイというかこれが花なのだ
 
   かつて、時事川柳をせっせと投稿していた時期があった。
   短歌にも時事性の強いものがある。
   以下は、4月22日の『朝日歌壇』、佐佐木幸綱・選によるものである。



     

     同僚は白いベールの向こう側退職決めて景色は歪む
                     (大洲市 村上 明美)
 
     ふくしまの何に寄り添う寄り添わぬもとの生業返してほしい
                    (二本松市 安田 政幸)

     グランドに重機の重き音響く津波被災の色無き校舎
                    (南相馬市 深町 一夫)

     値段かと1.998の案を見る希望を語る年度初めに
                     (弘前市 今井  孚)

     例外で武器輸出する永田町違憲の人が違憲の行為
                     (小浜市 津田 甫子)

     嘘という種には嘘の花が咲く原発事故はぺてんの如し
                     (三郷市 岡崎 正宏)

     原発の事故はなかったことにするそんな動きがじわりと見えて
                     (坂戸市 山崎 波浪)

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2 コメント

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Unknown (只今)
2013-04-22 20:49:19
 俳句は短歌と違って時事詠に弱い、ということを
心にしっかりと納めている俳人いないではない。

 2001年の俳人協会特選句は、
 「木の実落つまた戦争の始まるか 伊藤郁男」。
 この年は、「9、11」「米英、アフガニスタン報復攻撃」国内では、「参院選に大勝した小泉首相が靖国神社に参拝し、アジアから反発」された年でした。
 
 また1995年の全国高校詩歌コンクールの第一位は
 「沖縄忌大きな椅子にすわりたい 平良桂太」
 この年は、沖縄の少女が米兵に暴行され、ウチナンチュウが燃え上がった年でした。
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Unknown (六文錢)
2013-04-23 18:06:41
 そういえば戦前の「京大俳句」など、新興俳句の弾圧事件がありましたね。
 なかにはどう読んでも反体制とは思えない句も多くて、ただ表現が既成性を脱しているのみなのにそれを弾圧しているものもあったようですね。
 その形や表現が、伝統的なものを壊してゆくこと自身が許せなかったのでしょうか。

 時事句と季語の関係はどうなんでしょう。
 お挙げになっている例では、前者は「木の実落つ」でしょうが、後者では、「沖縄忌」という出来事の痕跡そのものが季語となっているようですね。
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