六文錢の部屋へようこそ!

心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

雨の桜と祭と蒸発する酒

2009-04-05 01:40:25 | 花便り&花をめぐって
 私の地方の今年の桜は、少し可哀想です。
 早々と開花宣言があったものの、寒さのぶり返しで2週間もお預けを食らい、やっと満開に至ったかと思ったらしとど降りしきる雨のお出迎え、その雨に叩かれて早くも散る花びらもあるという有様です。

 
              雨の中、懸命に咲き誇る

 これらの写真はすべて、私の家からものの5分もかからないところにある小河川を挟んだ桜の並木です。何百メートルと続く並木なのですが、わざわざ見に来る人はいません。買い物に行き来する人や犬を散歩させる人が通るぐらいです。私は密かにここを「マイ・ビーチ」ならぬ「マイ・桜ロード」と名付けて、毎年、花を楽しませてもらっています。

 
        三日ほど前、好天時に同所で。まだつぼみが多い
 
 昨日、雨の中を出かけました。ほとんど人の姿はありませんでした。
 耳を澄ますとそぼ降る雨の音が聞こえそうな静寂のなか、ヒヨドリたちがここを天下とかしましく鳴きながら花をついばんでいました。トリが動くと雨の中、川面へと花びらが舞い散ります。

 
            雨に濡れた幹が黒々と自己主張を

 雨の桜の良いところは、濡れた花にもむろんそれなりの風情があるのですが、その幹が水を含んで黒々と自己主張をし、それが薄紅の花との間に絶妙なコントラストをもたらすことです。
 こればかりは天気の良い日には味わえない美しさです。
 なかなかポジティヴな発想でしょう。あと何回桜を見ることが出来るか分からない身ですから、それぞれの桜をそれなりに楽しむ魂胆なのです。

 
              これはかなりの老木

 雨は桜にのみ祟ったのではありません。実は、昨4日はこの地区のお祭りで朝から子供たちの華やいだ声が聞こえ、子供神輿が町内を練り歩いていたのですが、昼少し前に降り始めた雨のせいで、午後の行事はすべて取りやめとなってしまいました。
 みこしがこ来たら渡すべく祝儀を用意したのですがやって来ません。
 しばらくしたら玄関のベルが鳴ります。出てみたら町内の役員さんたちがはっぴ姿で立っていて、子供会のためにお願いしますということでそのご祝儀を渡しました。

 
            ホラ、もう散り始めたものも・・
 
 いつもならここで役員さんが、「六さんのところからご祝儀~」とその袋をかざすと、子供たちがワ~ッと歓声を上げ神輿を上下し、鉦や太鼓をここぞとばかり打ち鳴らすのですが、今年は役員さんの「ありがとうございました」のご挨拶のみ、なんだか寂しい祭りでした。
 それでも、紙コップにお酒を一杯と、あたりめをもらいました。
 車に乗って出かけるため飲むことが出来ず置いたままにして出かけたのですが、帰ってきたら空になっていました。
 
 雨降りなのに早く蒸発するお酒です。


===============================
 
 以上は昨日書いたものです。
 今日は晴天です。昨日のままではと思い、もう一度行ってきました。
 以下の3枚は今日、5日の撮影分です。

 
 
 これは昨日載せたこのページの最初のものとほぼ同じアングルです。ただし、晴天だけあって川面の光り方が違います。

 
 昨日の雨に叩かれてたまらず散った花が、花筏となっていました。
 やがて、さして流れの速くないこの川をいちめんに埋め尽くすでしょう。

 

 つがいの鴨が花の下に遊んでいました。川面の花びらを食べているようにも見えました。
 
 今年の花はもうこれで終わりでしょうか。
 いえいえ、山間部はこれから。
 花を求めて渓流巡り・・なんて出来るかなぁ。







コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【告白】ペットに対する中途... | トップ | 【弔文】伊藤益臣氏の大往生... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (N響大好き。)
2009-04-05 20:09:02
テポドン発射を見てから、
花見に行った。
返信する
Unknown (六文錢)
2009-04-05 23:49:29
> N響大好き。さん
 テポドンは見えましたか。
 テポドンを巡る右往左往ぶりはよく見えました。
 私の住んでいるところは田舎で、有線放送があるのですが、それが実況放送のように、テポドンの打ち上げをがなり立てました。
 気分はもう戦争です。
 戦時中、隣組の役員などがメガホンを手に巡回し、灯りが漏れていたりると注意して歩いたのを思い出しました。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。