三日続けて人様からものをいただくなんて、よほど私に人徳があるやに誤解される方もいらっしゃるかもしれない。しかし、それは誤解だ。私は嘘つきの見栄っ張りで、その上に歳にもよらぬ我利我利亡者である。
この最後の我利我利亡者たることが人様の同情を呼んで、哀れみの施しをいただけるのかもしれない。
【その1】
あるSNSで親しくしていただいている方(女性)から、まさにこの時期の品々をご恵贈いただいた。このTさん、質「量」ともに食通で、季節感にも敏感で、まさに彼女らしい選択だ。
写真でご覧のように、日野菜、むべ、柚子、銀杏で、いずれも秋・秋・秋・秋だ。柚子と銀杏はもちろん皆さんご存知だろう。
ちょっと見、形状は大根のようだが、蕪の仲間。レシピはやはり、切り漬け、糠漬けなど漬物が主体でそれが美味しい。ステーキ風に焼くなどもあるようだが、近年取って付けたようなもので、あまり興味はない。
むべはあけびの一種で、食べ方はあけびと同様、種子のまわりの甘味を味わう。山の香がする。
銀杏はいろいろ用途が広い。そのまま焼いても、実を取り出してなにかの具や銀杏ご飯にしたりだ。
さて、日野菜であるがけっこう大きいのを6本もいただいたので、切りづけと糠漬けの両方を楽しみたいと思っている。
Tさん、ほんとうにありがとう。
【その2】
この前、秋の味覚を貰ったばかりなのに、今度は信州、越後、出雲のいずれも蕎麦の名産地の揃い踏みのようなセットを頂いた。
いただいたのは、私が大学入学時からの友人(女性)で、指折り数えれば67年のお付き合い、この歳になってみれば幼馴染のようなものだ。
ちょっとしたことをして差し上げたことへの返礼であろうが、それが過分なことにかえって恐縮している。
いわゆる通ではないし、さほどこだわりはないが、蕎麦は好きだ。かつて足まめな頃、うまいラーメン屋ができたと聞いてもあえていったりはしなかったが、うまい蕎麦屋がと聞くと車ででかけたりしたこともある。
いまでも外出の折など、蕎麦屋でちょっとしたツマミで酒を汲み、その後、蕎麦を手繰ったりしている。
いただいた蕎麦のそれぞれの産地の違い、私の粗雑な舌で識別できるかどうかはおぼつかないが、結果はともあれ、蕎麦を手繰っている間は幸せなんだからそれでよかろう。
いずれにしてもYさん、ほんとうにありがとう。お互い、いつまでも元気で、親交の記録が伸ばせればと思っている。
いただいたのは、私が大学入学時からの友人(女性)で、指折り数えれば67年のお付き合い、この歳になってみれば幼馴染のようなものだ。
ちょっとしたことをして差し上げたことへの返礼であろうが、それが過分なことにかえって恐縮している。
いまでも外出の折など、蕎麦屋でちょっとしたツマミで酒を汲み、その後、蕎麦を手繰ったりしている。
いただいた蕎麦のそれぞれの産地の違い、私の粗雑な舌で識別できるかどうかはおぼつかないが、結果はともあれ、蕎麦を手繰っている間は幸せなんだからそれでよかろう。
いずれにしてもYさん、ほんとうにありがとう。お互い、いつまでも元気で、親交の記録が伸ばせればと思っている。
【その3】
いただいたのはその日とれとれの日本海の鮮魚。親しくしていただいている釣り名人が、その釣行の帰途にわざわざ立ち寄って分けてくれたのだから間違いない。
最初いただいたのは、ウマヅラハギ2尾とアジ3尾。独り身ではこれで十分というのを、せっかくだからこれもと50センチ余のヒラマサも1尾。「こんなに食べられません」というと、冷凍保存の解凍分も美味しいからとのこと。こんなとれとれを冷凍するのはもったいない気がするが、そのお言葉に甘えてこれもいただく。
これらの魚をどう処理したのかを、後日談も添えて書いておこう。
アジ3尾は三枚におろし、皮を剥いで香味野菜、生姜の千切りをあわせてたたきにした。ちょうど、小型のかぼすがあったので、この搾り汁と醤油、味醂を追わせてポン酢とした。
ウマヅラハギ1尾は三枚におろし、片身は刺身に、片身はソティ風にして弁当のおかずに入れた。
なおカワハギの刺しには、ヒラマサをさばいた折の切身の一部と合わせ盛り合わせた。そして肝を潰し醤油と少々の味醂と合わせて肝造り風にした。
いただいたのはその日とれとれの日本海の鮮魚。親しくしていただいている釣り名人が、その釣行の帰途にわざわざ立ち寄って分けてくれたのだから間違いない。
最初いただいたのは、ウマヅラハギ2尾とアジ3尾。独り身ではこれで十分というのを、せっかくだからこれもと50センチ余のヒラマサも1尾。「こんなに食べられません」というと、冷凍保存の解凍分も美味しいからとのこと。こんなとれとれを冷凍するのはもったいない気がするが、そのお言葉に甘えてこれもいただく。
これらの魚をどう処理したのかを、後日談も添えて書いておこう。
アジ3尾は三枚におろし、皮を剥いで香味野菜、生姜の千切りをあわせてたたきにした。ちょうど、小型のかぼすがあったので、この搾り汁と醤油、味醂を追わせてポン酢とした。
ウマヅラハギ1尾は三枚におろし、片身は刺身に、片身はソティ風にして弁当のおかずに入れた。
なおカワハギの刺しには、ヒラマサをさばいた折の切身の一部と合わせ盛り合わせた。そして肝を潰し醤油と少々の味醂と合わせて肝造り風にした。
さてヒラマサの方だが、頭と尻尾は除き、カマを外し、本体を3枚におろすのだが、狭い調理場と小さなまな板で苦労した。その上、これだけの大きさだと出刃を押したり引いたりするのに体力を要する。
しかし、思ったよりきれいにおろすことができた。それらのごく一部を上に述べたように刺しに回したが、そのほとんどを切り身にして冷凍保存した。
さて残ったウマヅラハギの1尾だが、皮を剥いで(皮を剥ぐには角風の背びれを除き、口先を切って剥くとむかし板場に教わった)ちゃんと肝が残るように肚を取り除き、煮付けにした。
新鮮な魚たちを刺しにすれば美味しいことはもちろんだが、この煮付けの美味しさは想像以上だった。スーパーの魚売り場で、時折本ハギを買ってきて煮付けにすることがあるが、そして一般的にはウマヅラハギより本ハギのほうが美味いといわれるが、このウマズラはそんな一般論をこえて美味かった。やはり鮮度だろう。
カワハギの類は骨からの身離れがよくて食べやすい。きれいに食べることができた。ここまで食べれば、この魚も成仏できるだろう。
海無し県の岐阜にいて、これだけ新鮮で美味い魚にありついているのはそんなに居まいと、誰にともなく叫んでみたい気もする。