六文錢の部屋へようこそ!

心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

「もっている」or「もっていない」 中部国際空港への旅

2022-07-05 23:14:55 | 写真とおしゃべり

 もう随分前から使われているにもかかわらず、私は使ったことがない言葉に、「もっている」というのがある。どうやら、「ついている」「運がいい」などの意味があるようだ。「幸運をもっている」などから派生したのだろうか。あの人は「もっている」とかいう使われ方をしているようだ。


 その意味でいったら、私は「もっている」のか「もっていない」のかどちらだろう。なぜこんなことを書き出したかというと、最近それを問うような事実に遭遇したからだ。私のブログや日記をお読みの方はご記憶にあるかもしれないが、6月13日、不意に思い立って三河湾の篠島へ行ってきた。島へは船便だが、その出港地、河和港までは岐阜ー河和間の名鉄電車を利用した。金額はいわないが、名鉄電車最北の駅から知多半島の先端近くまでだからまあまあかかる。
          
           
                 名鉄岐阜駅を出発

 で、その小旅行から帰ってきた翌日の14日夕刻、同人誌に書いている私の文章やブログなどをお読みいただいている親しい方から一通の封書を頂いた。開封してみると、なんとそこには名鉄電車乗り放題の切符3枚が同封されているではないか。

 う、と一瞬思った。昨日、名鉄の長距離を乗ったばかりなのに、私はなんという「もっていない」男なのだろう、と。別に13日に行かねばならないことはなかったのだ。この切符を頂いてからでかけても良かったのに・・・・云々云々の自虐的愚痴がこみ上げる。

 しかしだ、前向きに考えれば、こんな私に、このようなご厚志からいただきものがあるなんて、私は「もっている」のではないか。見れば切符の期限は6月末までだ。それまでに名古屋へ行く機会はあるが、せっかくの切符のいただきもの、やはり、できるだけ長距離のあまり行けない所へ出かけた方が有難味が強く、お送りいただいた方への感謝の念も増すというものだ。

 この気持ちと方針の転換により、私は「もっていない」側から「もっている」方へスルリと抜け出ることができた。
 この前行ったたのは知多半島の東側、三河湾に位置する篠島だった。では今度は反対の西側、伊勢湾に面する所へと照準を定めた。行く先はズバリ、常滑沖に設えられた人工島、中部国際空港だ。

        https://www.youtube.com/watch?v=h0RcIEaphYg
          常滑から中部国際空港のある人工島へ渡る

 もちろんはじめてではない。最後に行ったのは2019年、夏にはサンクトペテルブルクとヘルシンキへでかけているし、秋には、三重県の親しいご夫婦とともに、沖縄へでかけ、やはり沖縄の親しい友人に三日間の案内をしていただいた。

 それらの折と違って、今回は空港の雰囲気と、飛行機そのもの、その離着陸を見にゆくのだ。
 出発は6月28日(火)、といっても、もちろん日帰りの旅だ。ただし、この日は、午前中から猛暑日になるかのような真夏を思わせる日。

 空港に着いたのは昼頃、広い空港の中をさまよい歩くにはまずはエネルギー源を補給しなければとは思うものの、この暑さであまり重いものは食べたくない。蕎麦屋を見つけたのでそこで十割蕎麦のザルを食べる。たしかに腰もありうまいのだろうが、八割との隔たりは私の粗雑な舌では分節化できない。もっと、蕎麦の香りがあっても・・・・という気もする。

           

 ちょっと欲求不満なのは、つゆが少なめであるということだ。確かに江戸っ子は、手繰った蕎麦の先にちょっとだけつゆを付けてすすり上げるのが粋なのだということは知ってはいる。しかし、こちとらぁ、生まれも育ちも濃尾平野のれっきとした田舎者、うまいつゆなら少し薄めてもいいからもう少しつけてくれてもいいんじゃないかい。

      

 滑走路や離着陸のスペースが見渡せるスカイデッキへ出る。強い日差しとそれを跳ね返すような照り返しのなか、ほとんど人影がない。熱中症の真っ只中へ突入するかのような恐怖感がかすめるが、ここまで来て怯むわけには行かない。

 床が木製のデッキは、コンクリートやアスファルトのように照り返しが強くないのがありがたい。海からの風も幸いだ。停留中の飛行機を撮したりしながら、滑走路の眺望が効くデッキの先端部分に歩を進める。先端部分まで来ると、さすがにカメラをもった何人かの人たちがいる。みんなが狙っているのは離着陸だ。私もそうなのだが。

      

      

      

 着陸はさほど困難ではない。次第に近づき、スピードを緩め、最後には簡単にフレームに捉えることができるからだ。そこへゆくと、離陸は難しい。次第にスピードを上げ、機体が浮上したかと思うとあっという間にフレームを通り過ぎる。だから、慌ててシャッターを切っても、あるいは連写ムードにしても、頭だけだったり、尻尾だけだったりする。

      

      

 ここをホームグランドのようにしている友人のMさんは、離陸の折の勇壮な機体をさまざまなアングルから自在に撮っている。きっと、ここのロケーションと、動体を撮影する際のテクを知り尽くしているからこその技だろう。

 着陸機の中で、珍しくプロペラ機を観ることができた。それも、ANAだから、ちゃんと旅客機として機能しているのだろう。
 いろいろな色の航空機がいろんなマークやロゴを付けているが、それらにも疎いのでただきれいだなと思って見ているだけだ。もちろん、JALとANAぐらいは解る。

      

      

 この間、貨物輸送機は減っているのだろうか。というのは、先般、同人誌をドイツの友人に送ろうとして郵便局へもっていったら、「いま、航空便の扱いはしていなくて、船便になります」とのことで、もう少ししてから送ろうともって帰ったことがあるからだ。戦争による原油の高騰などのせいだろうか。

      

      

      

 離陸を捉えたいと粘っていたがうまく行かない。暑さはジリジリと増す。やはりこのままでは危険かもしれないと、通りかかった警備員の人と立ち話をし、ついでに、「室内で生ビールなど飲みながら飛行機が見えるところはありませんか」と尋ねる。「そうですねぇ」と空港施設の建物を振り返り、「あの辺のレストランなら可能でしょう」と指差して教えてくれる。丁重に礼をいってそちらへ。

      

      

           
        これはこの日の私の出で立ち ガラス窓に映ったもの

 洋風レストランで、食べ物のメニューがズラリ。入るのにちょっと臆したが、入口付近の店長風の風采の人に、「わがまま言ってすみませんが、生ビールだけでもいいですか」と声をかける。「ああ、いいですよ」と気軽に応えてくれる。店内の窓際に席を占める。やってきたウエイトレスさんにも、「入り口でお願いしたのですが、申し訳ない、生ビールを一杯だけ・・・・」と注文する。幸い、昼をもうだいぶ過ぎているせいか店は空いている。少し離れたところで英語で話し合っている三人組と、奥の方の数人の日本人の中年男性たち、こちらの方はだいぶ飲んでるようで、生ビールやウィスキーの水割りなどをおかわりしている。そして、あとから合流する人がいたりして、私がいる間に、「遅れました」などと2,3人が増えた。

      

      

 警備員さんがいってたように、地上の飛行機は見えなかったが、スカイデッキを行き来する人たちがよく見える。熱いなか、私が到着したときより人は増えたようだ。一汗かいたあとで、涼しいところで飲む生ビールは各別だ。

 というとことで、いつものようにダラダラと長過ぎることに気づいた。この続きは次回ということで。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする