クーチミラン

根を、張るときと花の咲くとき

続 手術当日

2024年07月02日 | ブログ

うっすらと目が覚めかけていたのだと思います。天井の様子が次々に変わり続けていました。私は、手術室内の他の場所に移動しているのだ、と想像しました。暫くして、関係者の方の「ご家族をお呼びしましょうか」との言葉が聞こえ、その後、直ぐに妻の顔が見えました。その時点で初めて、私が自分用の病室に戻ってきたことを認識しました。事前の説明では手術の所要時間は30分、と聞かされていて、その対応は骨折で出来た腰椎の隙間にセメントを注入するものでした。それを実施するには当然、うつ伏せにならないといけませんが、私が知っているのは事前も事後も仰向けの状態です。うつ伏せにさせられたのは全く、知りませんので完全に眠りに落ちた後、関係者の方がその作業をされたのです。そして、口の中には酸素を肺に送るための管、尿道には膀胱までの管を挿入されたのです。自分の病床に戻ってきた後も私には全く、メスを入れられたであろう部分の肌の傷みもその他のいかなる痛みも在りませんでした。この嬉しい状態は退院まで否、現在もその侭です。

まるで、マジック                                               私より、入院日も手術日も1日早い方が同室でした。遙かに私より若い男性でした。その方の手術当日の事前の歩行状態は、歩行器上部に上半身を完全に委ねられている様子に見え、歩行自体は表現に困るほどの凄く悪いもので、私は「この方はどうなられるのだろう」と心配せざるを得ませんでした。更には、手術後もキズ口に相当の痛みを訴えられて薬でそれを抑える事がなされていました。私とは異なる病気、手術の方法であったことは確かです。ところがです。その翌日、その方は歩行器を使用してはおられましたが、手術も痛みも何もなかったかのように通常の元気な歩行を繰り返しておられました。私は自分の目を疑いました。その後はその状態の侭推移して退院に至られ私と同じ退院日となっておられました。私にはその方の事はマジックとしか考えられません。