私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

奇跡の遭遇と沈痛の喪失: アヂアヂ台湾お魚旅㊴

2019-01-13 00:07:50 | 夏の台湾の魚たち
2018年1月12日(土)

台湾6日目(8月4日)の夜の話

この日の夜はドミトリー。
周辺の宿が満杯で、仕方なく友が予約してた。
私たちは、基本前夜に行き当たりばったりに宿を決めるのだ。

貴重品を私専用の金庫に入れ、鍵をポケットに入れ・・・さあ、夕食だ!

「どこへ行きたい? 何が食べたい? 昨日のカキオコ? それとも他の?」 若に尋ねる。
「う~ん・・・・・・そうですねえ・・・」 悩む若。
「何でもええよ。好きなもん言ってえな」
「・・・じゃあ、今日もカキオコで」

この若の決断がアレヨアレヨと運命に導かれていく。

約2時間後、あろうことに私たちは「国家的国民的保護対象種である台湾白魚の保護活動家」と向かい合っていた。

・もし、この日目的にしてたギギやアカザに会えてたら、台湾白魚保護区の見学に行くこともなかっただろうし
・もし、若が連日のカキオコを希望しなかったら、店のおかみさんに会うこともなかっただろうし
・もし、忙しく働いてるおかみさんが話しかけてこなかったら・・・この日のことを軽い話題にもしなかっただろうし
・まさか「私、白魚の保護活動してる人知ってますよ。よかったら連絡してみましょうか?」なんてなこともあり得ないし

基本、日本では、親切は困ってる人を対象として行われるものみたいだが
台湾では、親切というのは相手を喜ばせるための自然のふるまいなのかもしれない。
おかみさんは、見ず知らずの日本人3人組にドンドン道を拓いていくのである。

かくして、明日の朝「民間人の手による保護活動」を見せていただくことになったのである。

こんなことってあるか?
自分の意志と無関係に物事が好転してくことに・・・何か初めて運命みたいなものを感じた。
興奮したなあ、台湾白魚が泳いでる様子、見せてくれるっていうんだもの。
どんな工夫をして繁殖させてるか、どんな苦労をして保護してるか案内してくれるっていうんだもの。
用事もある中、朝の時間を削ってまで・・・

奇跡の遭遇なのである。

その約1時間後、私は金庫の鍵を失くしていることに気付いてしまった。
一気に落胆である。
鍵を失くし、金庫を弁償することはお金で済むのだが・・・仲間や宿に迷惑をかける時間や労力が悔しい。
友や若は探しまくり、宿のオーナーへも手配をしてくれ
オーナーも「Don't worry !」 を繰り返してくれるのだが・・・結局見つからず・・・

翌朝、マスターキーで開け、修理代も400円しか受け取らず・・・。

歓喜と悲痛がまぜこぜの出発となったのだが・・・

今から思えば、
「人は、何かを得れば、何かを失う・・・」なんてな言葉もよく耳にするし・・・

さだまさしさんの「檸檬」の歌に
「・・・捨て去る時には こうして出来るだけ 遠くへ投げ上げるものよ・・・」とか
「・・・消え去る時には こうしてあっけなく 静かに堕ちていくものよ・・・」とか、あるもんな。

きっと、あの鍵は遠くへ投げるか静かに落とす運命だったんだなあ。

コメント (2)
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