イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

バッハじゃなかろか ~いろいろ・オッチョコ・チョイ略してIOC~

2019-10-25 20:53:42 | 夜ドラマ

 この前久々に『いだてん ~東京オリムピック噺~』に触れたのが災い(?)したのか、TOKYO 2020も、ドラマもなにやら不穏な空気になってますよ。

 開幕まで残り300日を切っていきなり札幌って。男女マラソンと競歩。バッハIOC会長「暑さを避けるため」って、東京の8月が暑い事なんか招致の時点から明々白々だったんですけど。

 まさか招致プレゼンでの「この時期のトウキョウは気候温暖でスポーツに最適で・・」という、安倍総理に高校生並みの英語力があったら原稿読んでてよく噴き出さなかったなと思う大ウソスピーチを、IOCの皆さん真に受けてたわけでもあるまいね。お医者さんも学校の先生もお母さんも「外出て運動なんかしちゃダメ!」とクチをそろえる猛暑炎熱地獄で42.195キロって、死人が出なかったらラッキーぐらいなもんだったんですけど、何が悲しくて、この期に及んで言いだすかなぁ。

 「すいません、どうしても招致したかったんで、すごく快適な気候だみたいに盛って言いましたけど、本当はマラソンとかできるようななまやさしい暑さじゃないんす東京って」と、東京側から白旗降参して出るのを待ってたんだけど、待てど暮らせどなかなか来ない、ええいバッハいきます!ってなっちゃったのかしら。

 札幌は札幌で、2030冬季大会招致立候補予定(市民的には盛り上がってない。おカネかかるしね)ですけど、こんな按配に東京が暑すぎることの尻拭いみたいに棚ぼたで花形種目だけ転がり込んでくるのは、むしろ痛し痒しじゃないでしょうかね。どこ発でどこにゴールするんだろう42.195キロ。北海道マラソンの開催で慣れてるったって、こちらはオープン市民マラソンです。オープンエアーの大通公園からスタートして、豊平川渡って、北海道大学の構内をとおって、道庁旧庁舎赤レンガ前をとおって、また大通公園でゴール。何のこっちゃない、2サスの浅見光彦さんシリーズとか、西村京太郎さんの鉄道旅ミステリーの札幌ロケコース巡りみたいなもんですよ。緊張感、おごそかさ皆無。限りなく北海道的。のどかでナチュラルでのんびり。警備なんかザルですザル。

 おまけに、この大会は毎年、8月の最終週の日曜日です。お盆休みを過ぎると北国の夏は一気に撤収して初秋っぽい空気になり、“(毎大会夏開催になる)オリンピックのマラソンを目指す選手の、手頃なトライアル機会”と“健康被害を出さずに完走できる”とをギリ両立させられるってことでこの時期に続いているので、同じ8月でも第一週に持って来られると、かなりバッハさんのご期待を裏切ると思います。温暖化の波はすでに北海道にも襲って来ていて、いまや札幌だって夏のピークはじゅうぶん高温多湿なわけです。

 大騒ぎして東京から会場を移して、「なんだ、これなら東京でそのまんまやったって大して変わらなかったよ」となる公算も大です。

 バッハさんが今更のエクスキューズに言う“アスリートファースト”に照らせば、「とりあえず東京よりゃ暑さがマシなのは確実なところに移す」と切り出されりゃ、いや東京がいい!絶対いい!と異を唱える人、唱える勇気のある人は少ないでしょうけど、そんなに選手の健康や競技しやすさを最優先に考えてくれてんのならナンデ8月よ?8月の猛暑のど真ん中にじっとりムンムン、台風ムクムクの温帯モンスーンの東京でやると、なして了解したのよ?ってことですわ。

 本来ならいちばん運動フレンドリーな気候の秋を避け年明け春先初夏も避け、プロスポーツシーズンの端境期にコンテンツが欲しいUSAテレビ局ネットワークにとっくに魂売っ払ったくせに何をいまさら、どのクチが言うアスリートファーストかと。はなっからUSA様のテレビ局様ファーストじゃないかと。

 毒食わば皿まで。ここまでカネまみれ欲得ずくで固めたイベントに、好きこのんで自分から噛んで、挙手して「やりたい!やらせろ!」と乗っかっていった東京です。小池百合子知事も「一番最後に聞かされた」と憤懣やるかたないようですが、すでに乗りかかって漕ぎ出した舟です。IOCにどれだけ、どっち方向に鼻づらつかんでヒョイヒョイ引き回されようが、最後までしがみついて追っ放されないよう踏ん張っていくしかありません。土壇場で鼻先から札幌に持ってくか。上等じゃないか。「変更の経費は出せよIOC!」ぐらい啖呵きってほしいものです。

 それにしても哀しきは『いだてん』、せっかくの東京2020協賛大河だったのに、フィナーレを飾る男子マラソンで金栗四三の遥か後輩たちが走り、メインポールに日の丸を揚げ君が代の響きを夢みる大舞台が大東京じゃなくなったら、企画1年半の汗と努力が水の泡・・とまでは行かないまでも、盛り上げ甲斐がなくなったにもほどがありますね。

 ドラマのストーリー自体が、とかく国際情勢や集金問題、派遣人選など“スポーツ以外”の難題山積で、オリンピックを愛しリスペクトする選手たちも役員・裏方さんたちも振り回されててんやわんや右往左往の連続・・というお話ではありましたが、まさに目の前の、令和のオリンピックへ向けてのリアルてんやわんやのほうが、ドラマのテンションスケールを期せずして上回ってしまったようです。


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