イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

イッツ・ザ・タイム

2007-03-09 16:48:00 | ニュース

日頃、格別に皇室に対する崇敬の念とかシンパシーはない非国民モドキですが、美智子皇后陛下のご不調は気になりますね。

宮内庁発表では、“自覚症状のお訴えはない”“潰瘍性ではない”“治療を急ぐ性質のものではない”と、民草の下世話な忖度を悪い方へ向けまいとしつこいくらい打ち消していますが「腸壁からの出血」という字句が、速攻ストレートで“排泄物”をイメージさせるだけに、やんごとないご一族、しかも女性に関して、ここまで具体的に発表するってことは相当深刻なのか?と思ってしまいます。

月河も家族のひとりが、この症状を認めて入院、精密検査の結果ものの見事に結腸癌が判明して手術に至ったことがあるだけに、僭越ながら他人事とも思えません。

美智子様も昭和9年10月生まれ、気がつけば今年73歳になられるわけです。73歳と言えば、高齢者とひと括りにしてもいけないが、老け方の個体差がいよいよはっきりしてくるお年頃。「定年リタイアした送別会の頃と、全然変わらないね」と会う人ごとに言われ、自分もその気で得意満面な人もいれば、フォローのしようがないくらい老い込んでいる人もいる。

たまに外の、着飾った場所で会うだけの人からはわからなくても、緊張感のない自宅での日常では、ちょっとした段差に蹴つまずく、食事中会話すると食物が気道に入って咳き込む、幼少期の回想はウザいくらい覚えているのに今朝何を食べたか思い出せない、同じ話を何度も繰り返す、逆に同じことを家族が何度言い聞かせても覚えない、洟が垂れていても気づかない、衣服のファスナーや釦を留め忘れる、爆笑すると軽失禁し、しかも時間が経過しないとそれに気づかない…などの事象も顕著になってくる時期でもあります。

そんな時期に、しかも公式発表すべきほどの他覚症状がくっきりはっきり認められているのに、皇后陛下73歳、ぶっちゃけ外で働き過ぎじゃないでしょうか。生け花なんちゃら流の春の展覧会ご観賞して、TVに撮らせて流してる場合なのか。どうしてもご出席しなければならない場所なら、前日に腸壁出血という切実な発表をする必要があったのか。どちらかを取りやめるか、延期するかする選択はなかったのか。

「明らかな不調があるのだけれど、静養もできないからこうして頑張っているのよ」というアピールでもしたかったのか。と言うより、そういうアピールをしたい人が、側近にいたのか。

発表や報道を聞かされ、見せられるほうとしてはひたすら「イタい」「痛々しい」だけなのですが。

皇后陛下のこの頑張りの裏には、03年の夫君天皇陛下の前立腺全剔出手術以降、「なるべく陛下の公務負担を軽減させていただきたい」と、みずから主張されておられることがある。奥様として当然なお気持ちだと思います。もちろん、長男である皇太子殿下が雅子妃殿下の心身の不調で、両陛下の公務を大幅に肩代わりしてくれるわけにいかない状況であることも関係しているかもしれません。

こうなると、天皇位の“終身”という定めも、どんなもんなのかな、という気がしてくるわけです。

一生現役の仕事でも、たとえば小説家や画家、音楽家等なら、本人より作品が多くを語ってくれるということもあります。老いても、肉体はヨレヨレに病んでいても、感性や創作能力が健在であれば、世間は評価し、次作を待望してもくれるでしょう。

しかし、両陛下はじめ皇室の方々は、何を作って世に問うわけでもない、国家級・国際級のイベントに、TPOに応じた正装でお顔を見せ、所定のメッセージを読み上げ、国賓と挨拶を交わして愛想を振りまく、つまり“元気に綺麗にして、そこに存在する”のがメイン、と言うよりほとんど、それだけが仕事です。

先般、脳梗塞から復帰した落語の三遊亭円楽師匠は、万雷の喝采で迎えられながらも「呂律(ろれつ)が思うにまかせず、噺(はなし)の微妙なニュアンスを表現出来なくなった。潮時です」とみずから引退を表明されました。

当地の新聞で30数年にわたって連載漫画を描き続けておられる佃公彦さんも、先日パーキンソン病をカムアウト、休筆宣言されています。

民間の創作家と同列に見てはいけないかもしれませんが、天皇及び天皇ご一家は“日本国の象徴ならびに日本国民の統合の象徴”です。国民一般が「お元気そうだなぁ」「いつもお綺麗ねぇ」と思うことができず、「痛々しい」「お可哀想に」「自分の親だったら、休めって絶対言うよね」という視線でしか見られなくなってきたら、非礼を承知で言えば、その時が“潮時”ではないでしょうか。

国の象徴である方々が、衆人環視の中、老い、病んで、憂いを深めて行く過程は、国民として見守り共有しなければならない義務なのでしょうか。

とは言え、今上天皇皇后両陛下がリタイアされたら、後を引き継ぐべき皇太子殿下・妃殿下ご夫妻はああいう状況だし、次男の秋篠宮ご夫妻は四十路過ぎての乳飲み子出現でいまてんやわんやでしょうし。

美智子皇后陛下の背負う哀愁は、腸壁出血でも表層性胃炎でもなく“後継世代が磐石に育っていない”ことから来るのかなという気がしないでもありません。

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