イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

ナガシマ一家ハワイへ行く

2007-10-04 19:42:55 | CM

昼ドラのOPにはざっくり分けて2種類あります。

ヒロイン女優さんが単独、あるいは相手役や恋敵役らとともに顔を出すOPと、俳優さん抜きイメージ映像やCGだけで構成されるOP

最近の作品で言えば、中島丈博さん脚本04年の話題作『牡丹と薔薇』や、その姉妹作とも言うべき06年の『偽りの花園』は内容の濃厚ドギツさを中和するような甘美かつ格調高いイメージ映像でした。

05年の『冬の輪舞』は舞台となる伊豆付近の海浜風景、先日終了した『金色の翼』も舞台に擬せられた離島(実際のロケ地ではない)の遠景と、飛立つ熱帯の鳥・ラテンのステップを踏む男女の脚元・シャンパンクーラーと日傘などのモチーフで構成されていました。

一方、女優さんらが登場するタイプのOPの場合、ドラマ内での大体の彼女・彼らのキャラづけ、どんな事件が起こるのかという展開、ヘタしたら(ヘタってことはないが)おおよその結末まで、OP見ていれば見当がついたりします。

小沢真珠さんが砂時計でガラスを割ったり(06年『新・風のロンド』)、高岡早紀さんが並木道を歩きながら3変化したり(03年『真実一路』)、かと思うと荻野目慶子さんが扉一枚で早変わりしたり(01年『女優・杏子』)、樹の下で4変化したり(04年『愛のソレア』)、高橋かおりさんが茨の茂みで縛られていたり(05年『危険な関係』)、いずれも、最終話が終わってみると、アレにはこういう意味があったのだな…と思える演出になっている。

主役カップル同時出演となると、もっと“ドラマをかいつまんだ小芝居”の様相を呈してきます。

04年『永遠の君へ』の大路恵美さんと浜田学さんのOPは、ああこの2人は最後くっついて終わりそうもないなと思ったら、案の定そうなった。

珍しく男性主人公の作品だった05年『緋の十字架』では西村和彦さんが、目をつむったままで眠っているのかそれとも?なつぐみさんをお姫さま抱っこで歩く歩く。結末もほぼこのOPのイメージそっくりなぞったものでした。

旧作と180°異なる結末で賛否の話題をまいた02年の『新・愛の嵐』では、砂浜で要潤さんの姿が一瞬消えて藤谷美紀さんが狼狽して探し回る場面があり、最終話終了後、アレがこう来たか…と脱力のうちに納得させられたりもしました。

1日からスタートした最新作『愛の迷宮』は、俳優さん顔出しタイプのOPの中でも、近来にない贅沢(?)な構成になっています。

草叢を手をつなぎ走る男女(出演男女優さんではない)の後ろ姿、苛酷な運命の寓意を思わせるモノクロの歯車、透明の立方体に閉じ込められて沈んで行く女性などのイメージ映像に続いて、親世代の三角(宮本真希さん保阪尚希さん高橋かおりさん)と子供世代の三角(河合龍之介さん阿部進之介さん黒川芽以さん)、6人が全員ワンカットずつ出演。

アタマカズだけなら今年6月に終了した『麗わしき鬼』で、有名写真家によるモデルさんを使った女子高生イメージスチールがかなりな分量・時間比で投入された例がありますが、ドラマに役を持って出演される俳優さんがこれだけの人数顔出ししたOPは、この枠、ちょっと記憶がありません。

しかも全員、(雨に濡れたガラス越しのようなボカシ入ってるとは言え)バストアップ裸。ハ・ダ・カ(しつこい)。ボカシさえなければ、乳首は無理でも、鎖骨の窪みなんかは鮮明に見えそうな脱ぎっぷりです。

…まあ、そんなことはどうでもいいのですが、この作品のOPの気合い入りっぷりは別のところにも、さらに端的にあらわれています。

2話以降、毎話数カットずつ“今日のみどころ”映像と、台詞も数本(必ずしも映像のカットと一致しない)OP終盤の右肩にかぶせてある。

言うなれば“前日の次回予告の、さらなる復習”みたいなもの。

台詞のセレクトも直球勝負で、たとえば今日第4話では「花言葉は“かわらぬ愛”」「わたし、あなたが好きです!」「高嶺の花は、手に入らないから美しい」「あんな男と結婚するんじゃなかったわ」…

次回予告自体が“次回まで客を逃さないための工夫”ですから、本編のアタマにまでこれやっちゃうと、入口の敷居で「わー面白そう、見逃せないわぁ」と入ってくるか、「もう今日は大体わかった」と逆に体温降下してしまうか客引き”としては諸刃の剣のような気もしますが、とにかく、前作『金翼』の、ストイックなまでのベタ抑制に比べると“気合いの入ったベタ”として、別ベクトルでの潔さを評価してあげてもいいでしょう。

顔出し6人衆の中では、明らかに他5人と違った表情・動作をしている河合龍之介さんが出色の存在感。月河にとってはもちろん『美味(デリシャス)學院』のイタリアン土方です。

今作での設定は高橋かおりさんの息子役ですが、“最終的に亡くなる要員”はこのキャラかしら。

それから、このドラマには直接関係なく、枠に入る前の時間に頻繁に流れるというだけのつながりですが、例の、郷ひろみさんの白髪染めPRODUCECM

かつての恋人松田聖子さんの代表曲『青い珊瑚礁』の替え歌を郷さんが歌うということで話題になりましたが、♪あーーーーアナッターの髪はぁーーー ………の後、結局、何もないのか。なんか、オヤジの風呂場ソングと同レベルじゃないのか。アタマ1コーラスだけ、もしくはサビだけであと知らなくて鼻歌でごまかして終了、みたいな。いいのか郷さんも、聖子さんもそれで。

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2 コメント

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月河たびと様、「槐」「槙」評ありがとうございま... (狂子)
2007-10-05 19:30:41
月河たびと様、「槐」「槙」評ありがとうございました。投票は9割近くが「槐」です、やはりドラマの中のヒーローとしては端麗さと星座伝説を語るロマンチックな孤独な男が悪の企みをゲームと呼び「愛だの恋だの・・」と否定し金との天秤で相手役との駆け引きの展開には、ものすごいインパクトがあり相手役ヒロインに自分を投影しながらともに「美罠」の世界に浸れた特異な経験は多くの支持を得られたのかもしれないですね。  「槙」は人間味丸出しとヒロインへの一途な愛をつらぬいた点ではノーマルな男性像でした。  どちらもフィクションの中の男性像でありながら演じていたのは「高杉瑞穂さん」だった・・という100円だまの裏と表をみた思いです100円には変りはない(笑) 役者の役柄から受ける印象はそのまま自分の好みのフルイにかけられるのでしょうね。 私も月河さんと同じ距離感の「槐」「槙」ですが「槐」のキャラには初恋に似た風化することのない永遠性を持ちました。きっと「槐」と作品との相性が良すぎたのかな~(笑)  ありがとうございました☆
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>>狂子様 (月河たびと)
2007-10-06 22:46:08
>>狂子様
 お役に立てて何よりです。
>100円には変りはない(笑) 
 まさしく(笑)。またお寄りください。
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