イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

ロングナショー ~サル者は追わず~

2019-07-23 18:59:02 | ニュース

 21日の参議院選挙の投票率が低かったのは『ワイドナショー』(AM10:00~)のせいだったのではないでしょうかね。

 ・・なことはない?朝起きて「今日は投票日か・・待て待て、今週は(例の問題を受けて)異例のナマ放送らしいから松っちゃんが何て言うか、ちょっと見てからにしようか」となり、「わぁ東野まで泣いてるよ」とか言ってるうちに「このあとアッコも(『アッコにおまかせ』AM11:45~)絶対何か言うぜ」となってチャンネルを回し、そのまんま『噂の!東京マガジン』をつけっぱにしておいたら遅い昼メシになり、ひと休みしていたらうつらうつらして「あ、そういや今日名古屋場所千秋楽じゃん、鶴竜かなやっぱり白鵬かな」→「笑点始まるよー」「円楽師匠が脳腫瘍だってね」→「終わったら『いだてん』(BSプレミアムPM6:00~)入れてね」「今日やってなくない?」「なんで?」「NHKの地上波が8時から選挙特番で休止だから」・・あ、そうか今日選挙だったわー!!という人が、ざっと・・・・0.8%ぐらいは投票率を押し下げたような気がします(気のせいか)。

 月河はここ3年ほどは公示から間を開けずなるべく暑すぎず足元も悪くない天候のラクな日に期日前投票していますが、今回も公示の四日後に行ってきました。並ぶほどではないけど結構、切れ目なく投票者が訪れていましたよ。

 いつも思うのですが会場に何人も選挙人名簿確認係・投票用紙渡し係・立会人・警備員・・とぐるっと輪のできる人数のスタッフがいて、“選挙”って本当に人手が要るし、人が動かなきゃならないってことは、おカネもかかるんだろうなと実感します。その挙句選挙のたびにジリ貧で投票率が下がっていくんじゃやってられないですね。投票率だけじゃなく、選挙のたびに毎度毎度、「こんなヤツに誰が投票したんだ、何を考えてたんだ」「いや当選したから地金が出て来たんじゃない」と思うような失言議員やパワハラ・セクハラ議員が何人か必ずまんまとバッジを手にしてしまい、有権者の選挙に行く気を大幅に削いでいく。

 先々週放送『いだてん』で田畑まーちゃん(阿部サダヲさん)が朝日新聞で大活躍スクープ・・・・ではなく、字が悪筆過ぎて何も関係なかった大正14年の“普通選挙法”から90余年。先人の血と汗と言論で勝ち取ったわりには、勤続疲労なのかメンテ不良なのか、最近、めっきり有難みがうすく輝きがないと思います“国政選挙”

 ・・とにかく、世間では「選挙?知らねえよ」と思わず思ってしまうくらい、どぎつい事件や話題が次々に勃発したり噴出したりしている。

 20日の雨上がり宮迫博之さん&ロンドンブーツ田村亮さんの謝罪会見など、インターネットTVでしか中継されていなかったにもかかわらず、当日夜の『新・情報7days』を皮切りに、翌日も朝から晩まで次々と情報番組でリプレイされたので、昨日の昼間のどこの番組のVだったかな?宮迫「・・・・・岡本社長が“社員、弁護士全員(部屋から)出ろ”と言って、社長と僕ら(宮迫田村ほか当事者芸人)5人だけになりました。そこで社長が最初に言ったのは」で、まさかのCMまたぎになった途端、月河家の高齢・非高齢組、声をそろえて「“オマエらテープ回してないやろな”!」と、百人一首かイントロクイズみたいに答えてましたからね。

 ここでCMまたぐ編集も狙い過ぎであざといけど、記憶力の怪しいことには定評のある(?)高齢家族でも、二日間で上の句・下の句よろしく覚えちゃったんだから、すごいTV放送時間占有率、アピール刻印力ですよ。

 まぁ、高齢者ほどTVにクギヅケ率が高いし、同じ話題、同じ顔同じセリフの繰り返しにも抵抗がないということもあります。

 昨日(22日)の、その岡本社長の超ロング会見はさすがに完走した人は少ないでしょう。午後2時過ぎに始まったらしいのですが、月河がPC起動した7時過ぎにもまだやってた。昼間の録画リプレイ?と思ったらまだナマだったという。 なんだか、2008年にこのブログでも書いた、北京オリンピック開会式を思い出しました。“岡本社長”ってスペアが3体ぐらいいて途中でタッチ交代してたのかしら。いやホントに。高齢組が視聴していたら、たぶん合間で二回くらい仮眠してたと思います。

 以前のエントリでも書いた“闇営業”=所属事務所をとおさないナイショの営業、に端を発したこの話題、「営業先が反社会勢力だった」「それを知ってた知らなかった」「ギャラもらってたもらってなかった」「もらったのにもらったと認識してなかった」「もらったのに事務所のヒアリングでもらったと言わなかった」・・等々とフローチャートのように問題の問題たる所以が枝分かれしていき、結局誰の何がいちばん悪だったのかが見えにくくなっていますが、要するに“事務所が大きくなりすぎて、(人員的にもノウハウ的にも)タレントたちをグリップできなくなっているのに気がついてない”んだろうと思います。

 事務所を通さずに、売れてもいない後輩の得体のしれない人脈つながりで来た営業におめおめ顔を出すというのも、そもそも事務所が芸人にナメられていて、頼りにされていないからでしょう。岡本社長「(ギャラは受け取っていないと言っていたのがウソで)本当は受け取っていたと聞いてパニックになっていた」というような意味の、天理大アメフト部出身コワモテ体育会系トップとは思えないような軟弱なことを言っていましたが、ウソの件だけではなく「ここまで芸人にチョロまかされてたのか」と改めて痛感、どうここから操縦桿取り戻していいのかわからなくなって本気で内心アワアワしていたのではないでしょうか。「全員クビやぞ」とかの一連のパワハラ発言も、言った言わないの真偽はともかく、虚勢でごまかすためともとれる。

 『ワイドナ』で松本人志さんが「オレら(ダウンタウン)が東京進出した頃(=1980年代後半)=なんか、東京吉本いうたらマンションのワンルーム一室だけやった」と言っていました。ダウンタウンが東京キーの全国区で成功した頃は、まだ大阪土着の伝統的なやり方が通用して、スタッフも松っちゃん浜ちゃんら芸人たちもアナログに汗かいて、頭下げて頑張って結果を出してオッケーだったでしょうが、彼らに憧れてドーンと多数入って来た世代がボキャブラやオンバトや M-1で成功しそれぞれにレギュラーを持ちメインMCを張るようになったあたりから地合いが変わってきたはずです。

 もう事務所が何もしなくても、お笑い志願の若いシロウトの子たちが売れっ子芸人を夢みてどんどん集まってくる流れができてしまった。勝手に流れて来るものを“学校”のかたちで受け入れれば、アタマカズの掛け算で授業料がガンガン入って来る。合わない子やついてこれない子は脱落しますが、そこそこ才能のある子、才能は足りないが根性だけはある子は完走するので、それを“芸人予備軍”として囲い込んでおけば、ローリスクで次世代の“ゼニの稼げるタマ”を選抜できる。

 一定の“商品の物量”が確保された頃から、ひとりひとり、一組一組の芸人と四つに組んで、金銭感覚や趣味嗜好、家族・異性関係などの私生活や交友関係などまで把握したうえで、それぞれの特異な才能を世に出す、輝ける場所を見つけて送り出すという、アナログで汗臭い仕事ではなくなって来たと思う。以前もここで書いたけどなんたって6000人です。“芸人の芸”レベルに達してないほうが圧倒的に多いのは想像がつく。ひとりひとりに惚れ込んで、人柄ごと把握して二人三脚というわけにはいかない。できるわけがない。

 今回の件も「原点に返れば結局闇をやらかしてずるずる百万円もギャラもらっておきながら自覚もなく、“もらってない”でごまかそうとした、あのメンバー中では吉本最古参で後輩に押しの強い宮迫が、やっぱり震源地的に悪い」という意見が多数を占めていて、月河もまったく異論ありませんが、ごまかし切れるとタカをくくられていた吉本は、やっぱり宮迫氏世代のブレイク(99~2000年頃か)辺りから、根本的に芸人になめられてきたツケがここへきて露呈していると思わずにいられません。

 二人の会見当日(20日)夜の『7days』で、こちらは東京・浅草団塊世代芸人の生き残り代表ビートたけしさんが「オレがしゃべると放送禁止(用語)ばっかりになっちゃうけど」と、いつになくマジで「芸能事務所ってのは人買い事務所、“女衒(ぜげん)”と一緒。サル回しなら俺ら芸人はサルだから。サルが悪いことしてさ、お客さん噛んじゃったら、サルに謝らせるわけにいかない、飼い主が謝るだろ」「お笑いのやつが、泣きながら謝ってる姿見せちゃったら、もう彼ら見て誰が笑うんだって。だからこういう姿は見せちゃいけないんだ。それをやらなきゃいけなくした事務所はおかしいって」と、喩えは極端ながら“芸能事務所の役割”について熱弁をふるっていました。

 「家族がいて食えない、闇(営業)やらなきゃ食えないようにしたのはいったい誰なんだって。だったら雇うなよってこと。そんな事務所は何だって。最低保証ぐらいしろよ」と、“ギャラもらう、いち芸人”と、軍団をかかえて“給料与えて食わせる”立場と両方経験のあるたけしさんでないと言えない発言も。

 「あとさ、芸人に社会性とか品行方正求めちゃダメだって」とも。「そういうのがイヤでダメだからおいらなんかこう(芸人に)なったんだから」。でも「んじゃ品行方正なタレントがいいのかっつったら、今度は“最近(芸人として)つまんない”“危険度(=毒気)がなくなった”とか平気で言われる。どっちなんだって。綱渡りみたいにやってんだよ」。

 たけしさんの浅草時代とは様変わりしましたが、やはり芸人もしくは芸人を目指す人には世間的には変わりモノで、アクが強く、良く言えば型にはまらない、破天荒な人が多い。そういう荒ぶる個性をどうにかグリップしてコントロールして、TV等の媒体にのせられる形にまとめ、広く好感もたれ興がってもらえる“芸能人”“タレント”に仕立て上げて表舞台に送り出し、独特の持ち味が“おカネの取れる、生業になる芸”として末長く実入りを生み出せるようにするのが“芸能事務所”の腕の見せ所のはずです。

 昨日のまさかのマラソン会見を視聴して、もしくは視聴しながら、現・所属芸人たちがてんでにSNSで、大半は「違うだろ」「がっかりだ」「ますます信用できなくなった」という趣旨の感想を不特定多数に発信して、翌日のTV情報番組でいちいち拾われて、スタジオコメンテーターたちに概ね共感されています。こういうことがまかり通ってしまうのも、どれだけサルたちにリスペクト払われてないサル回し、飼い主なんだと思わざるを得ない。

 会見では宮迫・田村両氏に「処分は撤回する」「もう一度同じテーブルで話し合いを」と呼び掛けていましたが、この際“会社・経営陣ごと謹慎”して、吉本まるごと“閉店してシャッター閉めてシートで覆って内部大改造”したらどうでしょう。

 正直、当分、「この人も吉本だったっけ」と思う芸人さんのネタ見せもMCも、ひな壇で振りを待っている姿さえも見たいと思わなくなりました。

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