イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

どうして胸が痛いんだ

2017-12-11 21:52:04 | 海外ドラマ

 月河が『ルビーの指輪』(BSトゥエルビ月~金16:00~)が面白い、と言ったら、韓国ドラマ歴の長い知人が「“復讐系”好きだったんだー、だったら『カッコウの巣』ってDlifeでいまやってる(月~金13:30~)の見てみたら。長い(=話数多い)けど、復讐が単線でなく何本縒りもになってる複線だから退屈しないよ」と情報をくれました。

 イヤWヒロインが二人とも知ってる女優さんだったんで『ルビー~』見始めたのであって、復讐モノが特に好きってわけじゃないんだけど・・と言い訳しましたが、その昔高齢家族が楽しみにしていた『宮廷女官 チャングムの誓い』から入って行って、同じ監督の『ホジュン ~宮廷医官への道~』、NHKで放送中だった『イ・サン』『トンイ』『王女の男』など、どっちかというと歴史劇のほうを多く見てきた気はします。

 でも『赤と黒』とか『ジャイアント』『オールイン』なんかは這い上がり巻き返し劇なので広い意味でのリベンジモノだったし、まぁ韓国ドラマと名がついたら“報復感情”をどっかに入れないと話が成立しないくらいです。これが生理的に受け付けない、人を羨みも妬みも蔑みも生まれてこのかたしたことのない善良で高潔一辺倒の心情の人は、たぶんはなから韓ドラに興味持たないと思われます。

 で、見てみましたよ『カッコウの巣』。ただし、いま『ルビー~』のほかに韓国版朝ドラ『私の心は花の雨』(BS朝日 月~金8:30~)も継続視聴中なので、『カッコウ』を見始めるとまさに朝も昼も夕方もTVに拘束されることになりますから、帯で録画して、落ち着いたときに編集してブルーレイに入れ込んで一気に見ることにしました。Dlifeは自社放送番組のスポットがコマコマと入るのでものすごく編集に手間がかかるんですけど。

 そんなわけでまだ通して見てないのですが、編集しているだけでワクワクしますな、これ。まず、復讐される(ほぼ逆恨み)側のヒロイン=ヨニ役のチャン・ソヒさんの顔がいい。輪郭も目鼻のパーツもぜんぶ小づくりで、薄幸顔。怯えたり戸惑ったり涙をこらえたりする表情が途方もなく似合う。アメリカ映画でも、アワアワキャーッが似合う“ホラー映画御用達女優”っていますよね。ドラマ放送当時は42歳だったはずですが、公称身長163センチ以上に華奢で初々しく見え、ちょっと首から上のメイクが白浮きっぽいのが気にならないこともないですが、劇中でよく着る白珊瑚ピンク基調の衣装もお似合い。

 一方、貧しいフリーター娘がお金欲しさに財閥家の代理母を請け負う、復讐のダークヒロイン=ファヨン役のイ・チェヨンさんもいいですよ。いい具合にソヒさんと対照的。黒のアイラインが似合うアジアントロピカルな顔立ち、浅黒肌にダイナマイトボディ。編集してる中でホテルのプールで黒ワンピ水着のシーンが一か所出てきたんですが、見せつけられてる財閥御曹司ならずとも「おぉ~~」と息をのんじゃう爆乳。調べたら『千秋太后』の女真族のくノ一・サイルラ役でもう拝見済みでした。あの頃は堀ちえみさんを目パチにお直ししたような妖精風のお顔・・と思いましたが当時23歳、『カッコウ』放送時点で28歳。いつの間にこんなに全体的に熟れ倒したんだ。そういえば『千秋』でサイルラが護衛していた新羅族のキム・チヤン行首(へんす)が『ルビー~』の夫役ギョンミンさんだったな・・・・と、“この人あのドラマであの人の〇〇に当たる役やってた”って連想にはまると身動き取れなくなるので、とにかくこちらは編集終わってから一気に行こうと思っています。

 女優さん二人の復讐バトルもいいのですが、それを超えるくらい精彩を放っているのが、法学部卒のくせに司法試験に二度落ちてプータローしているファヨンの叔父役のチョン・ノミンさんです。この人にこんな引き出しがあったのかと、編集の手が思わず止まってしまう、目いっぱいのコメディリリーフっぷり。

 時代劇、近・現代もの問わず幅広く出演されていますが、初見は『善徳女王』のソルォン将軍役でした。「百戦錬磨の軍人つうよりマダムキラーの宝石商みたいだよねえ」と高齢家族と評していましたが、物語終盤になるとちゃんと生粋の武人っぽく見えてきたし、『馬医』の主人公の実父で、両班(やんばん)という貴族階級に属しながら人命を救いたいという志を抱いて、当時は身分の低かった医師を敢えて目指す役も良かった。

 王様とか君主役、大将役より、側近や参謀や官僚などナンバー2クラスの役がお得意と見受けましたが、『カッコウ』では「実は法官の次に料理人になりたかった」と突然レストランシェフに転身、本店長(=財閥家御曹司の叔母)とマネージャー(=『ルビー~』でギョンミン家の家政婦役の人)、二人のハイミスに惚れられて右往左往する、言わば罪悪感のない色悪で、カネにはセコい小市民でもあります。

 就職しても姉(=ファヨンの毒母。花札とカラオケと酒三昧で借家から追い出されかけたが財閥ビルの清掃員に就職)の家に寄食、末の姪(=ファヨンと年の離れた末妹ということになっているが?)を自分の子の様に可愛がり、ファヨンと財閥家(=代理母依頼主)との接触を心配しつつ、姉とは夫婦漫才の様にド突き合いを繰り広げる、“この人のターンの間は安心して笑ってよし”な安定感。編集するたびに、ノミンさんのシーンになるとつい休んで見入ってしまいます。

 本店長にベタ惚れの勘違い常連客(柄シャツに柄ジャケ、ファッションセンスのおかしい心理学教授)というライバル?も参戦、こちらはきいたふうな欧米流心理分析を披歴したり、ノミンさん扮するシェフも負けじと意味なく法律用語連射で反撃したり(「こう見えても司法試験の一次は二度も突破したんだ」が口癖)、リリーフし過ぎなくらいの惜しげのないコメディリリーフを展開してくれています。ひょっとしたら、メインの黒白ヒロイン二人のドロドロしい復讐バトルより、ドラマ監督はこちらのほうがノッて撮っているんじゃないかと思うくらい。

 韓国俳優さんの個人的演技力に引き込まれるのは『ホジュン ~宮廷医官への道~』主演、『朱蒙(チュモン)』助演でのチョン・グァンリョルさん以来か。グァンリョルさん1960年生まれ、ノミンさん66年生まれ、ともに30代後半からの遅咲きブレイクというところが共通しています。・・あぁ、韓国ドラマ個々タイトルには、視聴中は嵌まっても、俳優さん単体には面倒くさいので距離置いてきたんですが、だいぶ危険水域に入ってきたかな。

コメント
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