今日(29日)は普通に面白かった『梅ちゃん先生』。
前日放送分で静子さん(木村文乃さん)が「会いたくない男が来ている」と深刻に相談。故・坂田医師(世良公則さん)の診療所で看護婦をつとめている頃から“わけあり光線”のカッタマリの様な静子さんですからすわストーカーか?つまびらかにされてこなかった悲しい(に違いない)過去がついに語られるか?しかも“背が高くて目つきが鋭くいかつい”“かなり乱暴な男”と、借り出された信郎(松坂桃李さん)がビビるほどハードルを上げまくって、血の雨の予感まで匂わせたにもかかわらず、当の矢口っちゃんの旦那…ではなくて中村昌也さん扮する正岡はいきなり梅子(堀北真希さん)の診療所に現われるわ、信郎と、あろうことか竹夫兄さん(小出恵介さん)までが「連れてきたよ」とばかりついて来るわ、おまけにフタを開けてみれば“ストーカーではなく田舎の小学校の同級生”“片思いの初恋で、一方的に好きだ好きだと追いかけていた”“追っぱらうために、別のクラスの男の子が好きだと静子のほうが嘘ついたことがある”、とどめは“田舎の父親が心配して持たせたお見合い写真を届けに来た”。「まじめな男らしいぞ、見ろ」「早く結婚しろ」…竹夫さんが「約束はしてないがいずれ結婚するつもり」と宣言するとあっさり「そうか、わかりました、幸せにしてやってください」静子さんもあっさり「わざわざありがとう」……
…………(開口塞無)…………
……ちょっぴり深刻方向に振っておいて、どんどん穏健なほう、何てことないほうにカミングアウトしていくという、確信犯的竜頭蛇尾。良くも悪しくも何てことない、いまの日本でいちばん何てことないワールドである『梅ちゃん』において、こういう“ことさらな、食えない何てことなさ”は結構嫌いじゃないです。
それにしても、『梅ちゃん』の登場人物で名字に“岡”の字が付く人はこれで何人めなんでしょう。松子姉さんの婚約者が吉岡、お隣さん(のちに嫁ぎ先)が安岡家、いろんな意味で運命の人・松岡、扇子持ちの第一内科重岡助教授、心中未遂の患者・片岡弓子さん、そして今回の、コワモテなだけの、田舎のお父さんのパシリ正岡。
ひょっとして誰かへのオマージュなのかな。脚本家さんかPが、1年前の朝ドラ『おひさま』の脚本・岡田惠和さんとなあなあの仲だったりするのか。まだ最終話まで1ヶ月ありますから、“岡シリーズ”「つづく」でしょうね。
早く言いたいけど大勢の前では言いにくい妊娠報告、“町工場の機械音にかき消されて、精一杯声を張り上げたら直前に機械が停止していて赤面”もまぁ、お約束のコースでしょうな。「布団の上で土下座したら赤ちゃんができる」と夏休みの小さいお友達が勘違いしないといいがな(しない普通)。