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イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

そんなに蛸なのか

2011-06-01 22:48:57 | 健康・病気

先週の『おひさま』は、“戦時中ならではの泣ける話、ちょっといいエピソード”の典型例を隙間なくつなげて、安心して泣き、笑える“自動操縦モード”でしたね……という記事を書こうと思っていたら、茂樹兄ちゃん(永山絢斗さん)の、胸痛みつつも身の引き締まる帰隊を目前にした週末、ズコンと奇襲をくらってしまいました。

ひさびさの、魔女の一撃。ぎっくり腰とも言う。

タイミングが悪すぎますよ。夜更けお風呂から上がって、カビ対策にせっせと浴槽周りの水滴を拭いて、よっ!と無防備に立ち上がろうとすると、あ……来た?……違うよね?…でも……やっぱり来たーーーー!!……という感じ。最悪です。もっとズギュンと速攻なら、一瞬は気絶するほど痛くても、逆に遠のくのも速いのですけど。あ?…あ?式にじわっと来るのがいちばんタチが悪い。治りにくいのですよ。

しかも、お風呂後のお風呂掃除後、て言うか掃除中ですから、バスタオル一枚の全裸。全裸で魔女の一撃まともに食らうとは、今年始まって以来最大のアンラッキー。こんなこと言ったら震災原発被災者の皆さんに失礼か。しかし何度も言いますけど全裸ですぜ。お食事中の皆さんにおかれましてはひらにご容赦を。そういう問題ではない。とにかく全裸で深夜、忍者のようなそろそろ動きしかできない状況になってしまったのだ。

これ以上アンラッキーな状況というと、「この態勢のまま、M7級の直下型」しか思いつかないくらいのアンラッキーです。

そろそろしか動けないなら素直にそろそろで抗戦。浴室も室内も暖かい季節でせめてもの、ちょっぴりのラッキー。

浴室から、とにかく何かしら着る物のある場所まで辿り着くのが大仕事。こういうとき限定で、家がどえらく広大な豪邸に感じます。

豪邸でなかったこともさることながら、鎮痛剤ロキソニンが今年1月からOTCの仲間入りをしていたのもいささかのラッキーでした。歯痛や頭痛など首から上ゾーンの、急に来た、かつ一過性と自分でわかる痛みなら、イブA、それも、軽ければ1錠っきりでまずまずおさまるのですが、じわっと系、それも身体の枝葉じゃない“幹”の部分に来た痛さはやっぱりロキソニンがいちばん頼りになるのです。

イブAを服んで、“力不足”のときは、メインの敵たる痛みのほうはいっかな後退しないまま、手先や首筋に妙な冷感が出てきて、“服み損”になる。

ただロキさん、イブAなどイブプロフェン系の鎮痛剤以上に、胃に厳しいので、頓服で服むときはとにかく何でもいいから胃に入れて、胃薬とともにいっとかないと、今度はプチ胃炎を起こして何日も尾をひく厄介になる。いい薬は、効くんだけど、手続きも抜かりなく必要です。

深夜、寝る前に食べると脂肪になるんだよねーとか何とか言いながら、翌日のお弁当に作っておいた竜田揚げやポテサラなんかまで食べてしまった。こんなに痛いのに、どうして食欲はダメージを受けないのか。食べてるうちに、これはロキさんを空きっ腹にお迎えしないための緊急避難なのだということを忘れて、本格的なメガ夜食と化し、危うく「うー、ここらで冷えたSAPPORO生搾り1本怖い」まで行きそうになりました。おお危ねえ危ねえ。1滴でもアルコール入れたら、その瞬間からあらゆる鎮痛剤、解熱剤、かぜ薬も12時間乃至24時間、お差し止めの身体になってしまう。

都合3回ほどロキ殿のお世話になりましたが、なんやかや3日ほどでどうにかまっすぐ背筋を伸ばしてまっすぐ歩けるところまでは漕ぎつけました。とりあえず『おひさま』で、オクトパス飯田小太郎先生(近藤芳正さん)がお元気に蕎麦を食しておられるようでひと安心。英語が敵性語になって、失業中じゃないといいですが。

あと、ロキ殿とともに雌伏中、わけあって縁付いた韓国歴史ドラマ『善徳女王』に、ものの見事にはまってしまいました。全62話、DVD31巻。本当に、つくづく韓国の視聴者は体力があるなあ。

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紫煙ー!カムバーーック!

2010-10-18 14:38:25 | 健康・病気

この話題をこのブログで振るのは、このブログが始まった200610月以来初めてじゃないかと思うんですが、タバコ、値上がりしましたよね。

101日から、かれこれ、半月経過したわけですが、どうですか愛煙家の皆さん。値上がり前と、日常、変化はありますでしょうか。

…と、ちょっぴり上から目線のヤらしい物言いになるのは、月河周辺、本人も含めて家族一同、最短でも7年は喫煙から遠ざかっているんですよね。

月河本人限定で言えば、もう四半世紀以上アレをくわえたことはありません(←チョットいやらしいでしょ)。新しい職場が禁煙だし、やめたほうがいいよなあ、やめなきゃイカンよなあ…と思っていた矢先、卒業論文を仕上げた安堵感もあったんでしょうか、どすーーーんと喉に来る風邪をひいて、喫みたくても咳で咳でどうにもならんわという日が何週か続いて、自然と“見るのもイヤ”なカラダに自己改造、偶然ですがなってしまったんです。

いやホント。咳がおさまっても、人が点火したタバコが発する紫煙の臭いだけで鼻について鼻についてしかたがなくなり、自分が点火しないどころか、紫煙の気配がする空間そのものに嫌悪感を持ち、足が遠のくようになってしまったんです。

月河家族も、自身の入院や、親しい人の大病をきっかけに、“一時期吸えなくなったら、その時期を過ぎても、吸いたい欲求がなくなった”というケースがほとんど。

月河含め、家族全員意見が一致するのは、「“吸えない”を通過して、“体調・環境ともに吸いたければ吸ってもよくなったけど、吸う気がしない”段階まできて身にしみて気がつくのは、ご飯がおいしい、お茶やお水、空気がおいしい」ということです。

これもホント。タバコで年じゅうクチの中、舌や粘膜、ノドを煙でヒリヒリ刺激され冒されてないと、山海の珍味じゃない、贅沢料理にコシヒカリとかじゃなくても、水道の水一杯飲んでも、本当に、心からおいしいのです。

月河、このブログでも、新発ビール系新ジャンルの情報が出るたび万難を排して店頭を買い回っては試飲して、いけるとかいけないとか書いていますが、こういうことができるのも、やってみようという気になるのも、タバコと縁が切れたから。

今般の値上がり前から、「20本ひと箱いくらになったらタバコやめる?」というアンケートがよく媒体でとりあげられ、「500円超」と答えた人のパーセンテージが相当高かったと記憶していますが、マイルドセブン、キャビンが400円超だって、これじゅうぶん事件ですぜ。ヘタしたら昼のファストフードより、食後の一服が高いみたいな。

海のかなたアメリカ合衆国では、同じ銘柄でも州ごとに税率=小売値が違うので、州境を越えるためにでかい吊り橋をはるばる渡って大量に買い込んではワゴン車もしくはピックアップトラックに積んで帰って行く輩も多いそうですが、ガソリン代と輸送にかかる時間労力はどう計算されているのだろうか。

月河および月河家族の身をもっての経験から言わせていただくと、タバコ、やめて得られる恩恵と快感は何ものにも換え難い。最近は健康保険でかかれる禁煙外来ってのも公共病院でよく見かけます。多少メンドくさくても、水道の水一杯、おいしく飲んでみませんか。

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食べる眠る出す

2010-06-08 21:15:16 | 健康・病気

恐怖の健康診断に、行って来ましたよ。

ぬぉう。命まで取られるとは思ってないんですけどね。毎度毎度、ヘンな緊張を強いられる。

今回は、自治体からの補助もありまして、生まれて初めてマンモグラフィーなる乳房検診も受けてみました。なんでも、統計上、乳がん発症のリスクが急激に高まる年齢なんだそうです。

しかしマンモグラフィー、すでに複数回、受診済みの同性から「こんなんだよ」という話は聞いていたもののいまいちピンと来ませんでした。ほら、バストがもっちりむっくり豊満な人なら挟みやすいだろうけど、月河の様な、捜索願出してようやく見つかるか見つからないかっちゅうレベルの、ささやかーな盛り上がりを、どう画像化するのか?と思っていたら、やっぱりプロは違いますねー。背中からワキからくーーーと集めて集めて、「ちょっと痛いですよー、はいっ反対の手で真ん中から押さえてて」か何か言ってまんまと撮ってしまいました。

撮ってから現像して視触診まで小一時間待ち時間があり、その間、前開きのガウン一丁で、空調のラウンジに座ってなきゃいけないので、こんなところで風邪ひいたらバカらしいと思い、雑誌読みながら首の後ろの“風門(ふうもん)”ツボをぐりぐり押してました。ラウンジで同じく順番待ちの人たちは、ヨガ?と思ってたかも。

首をかくんと前に倒してみたときに後ろにごつんと突き出るいちばん大きな椎骨の、ひとつ下の椎骨をまず探り当てまして、そこから、指幅12本分、両サイドに離れたところに左右対称にあるのが風門です。

通常、デスクワークで首がこったなと思うときに、反射的にサスサスさすってみる場所より若干下なので、“手押し”するのに戸惑うかもしれませんが、“風が邪ま(よこしま)”と書いて“風邪”、風邪の邪気はここから体内に入るという重要なツボ。つまりカラダのディフェンス最終ラインですな。ここを押して、押して、さすって、さすって、温めて活性化させておけば、たいていのウイルスは撃退できるはずです。

 それから、この風門を捜し当てる手がかり第一号の、首カクンでつき出るおっきな椎骨の、すぐ下の凹んだところも、スルーしちゃいかん“大椎(だいつい)”というツボです。風邪ひいちゃったかな?というときにここにお灸を据えるとたいそう効くらしいのですが、月河は勇気が無いので、清潔な古タオルに貼るカイロを貼って、ここに当たるように巻きつけたりしますね。いずれにせよ、風邪ひくときは首の後ろからひくというのは正論だと思います。

あと、風邪に限らず外敵からカラダを守る免疫力のツボといえば、ウエスト回り線上、脊椎の両サイド指幅23本分外側にある“志室(ししつ)”。これはね、それらしいところにゲンコツの節(ふし)を当てて、そのまま椅子の背もたれに、社長さんっぽくグッと反りかえればいいのです。背中の筋肉って、月河の様なチョー鍛えてない生活を送っていても結構、太く硬く上下に走っていますから、この太っとい筋肉と背骨の間の“谷間”に必ずこのツボがある。ゲンコツを上下に動かして感触で確かめましょう。「く?」と来る箇所を見つけたら、そこにゲンコツの節をピンポイントしてグッ、グッと背もたれに。

 …但し、座位が低めで、脚と背もたれの安定した椅子に限ります。グッてチカラまかせに行って、コントの様に椅子ごと後ろ転倒したらえらいことになります。

 ……こんな調子で押したりサスサス、グッグッしたりしてる間に、なんやかんやで診察の順番が来てしまった。乳房触診担当は30歳ぐらいの、アウトドア大好きそうな小麦色お肌の女性のお医者さんで、これまたうまいことやるもんですねー。仰向けになった状態でタテ・横・斜めに満遍なくクイクイ、スリスリ、サッサと浚ってくれました。若い先生だけど慣れてるのなんの。やはりこういう検査のために、患者さんが「ヒッ」て体をこわばらせないように、両手温めてからやってくれてるらしいので、セルフツボ押しよりずっと気持ちよかった。趣旨が違うか。画像診断も合わせて、めでたく異常なし。「これからも年に1度は受診してください」とのことでした。

 ちょっと待ち時間が長かったけど、検査そのものは、想像していたよりずっと簡単でした。エコー検のようにゼリーみたいな冷たキモいものを塗られたり拭かれたりもしないし、造影剤を飲んだり注射されたりもなくてすみます。

乳がん経験者、月河の家族や近親にはいないようなのですが、たとえば禁煙・禁酒・減塩や減量、運動など、何かの生活習慣を変えればリスクを減らせるといったタイプの病気ではないだけに、検診の重要性は高いと思います。

ラウンジの雑誌のカラーグラビアに『ウェルかめ』の倉科カナさんがいましたっけ。これくらいのバストがあれば、もっと痛くなかったかな。そういう問題ではない。

『ゲゲゲの女房』はすっかり赤ちゃんマニアになった布美枝さん(松下奈緒さん)とお父ちゃんしげる(向井理さん)。アメリカ式マニュアル育児で「すぐ抱っこすると、抱き癖がつくそうですけん」の布美枝のそばでしきりに“抱け、抱いちゃれ”モーションを送るしげるが、赤ちゃん藍子ちゃんと同レベルに可愛いのなんの。

どっちかと言えば、月河はこっちを抱きたい。デカいな。顔以外。

お医者さんの指導や育児書に書いてあることをまじめに覚えて遵守しようとする優等生な布美枝ちゃんに対し、「赤ん坊は小さくて何も出来んが、大声で泣いてああせい、こうせいと大人に指令を出しとる」「だけん、赤ん坊の顔を見て声を聞いとったらまあ、間違いないわ」と感覚派のしげる。相互補完的な、この上ないお父ちゃんお母ちゃんではありませんか。貧乏ボロ家なことだけ除けば、100点満点に利息のつく聖家族。

リアル水木しげる先生の浮き世離れ加減や南方戦線仕込みの死生観を、インタヴューや日経新聞『私の履歴書』などから聞き知っていましたから、ドラマのしげるさんがこんなに“子供かわいいかわいい全開”描写になるとは思っていなかったので、今週はなんとなくトクした気分です。しかし、赤ちゃん誕生のご祝儀?で先送りになってるだけで、まだまだ、前年からのボロ家月賦問題ひとつとっても片づいていないのだろうな。

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三里の道も一歩から

2010-06-06 18:58:51 | 健康・病気

昨日の記事で布美枝さん(松下奈緒さん)がロザンヌレディ靖代さん(東てる美さん)に、浮腫み解消の指圧ポイントと教わっていた(@『ゲゲゲの女房』“足三里(あしさんり)”、自分で早速指圧するはめになりました。いくらビールの美味しくならない低温続きの当地でも、6月ともなれば夏物と冬物の入れ替えぐらいしておかねばならない。

中腰になっては持ち上げ、なっては持ち上げの半日作業で、足三里触っただけで「くぅ~~」状態になってしまいました。

この足三里、立ち仕事や、トレッキング歩き過ぎで、脚単体がパンパンなときだけではなく、作業疲れが腰に来てるときにも非常に有効なツボなのです。

(但し。何かやってて、急に姿勢変えたときにビビッと来て動けなくなる、所謂“ギックリ腰”のような超急性の症状にはどうかなと思います。ここを指圧したり温熱したりできる体勢にもっていくために、若干動かさなきゃならないですからね)

あと、不思議なことに、ストレス性の胃の不調、たとえば残業して、夜食かっこんで、また残業、みたいな日が、飛び飛びにでも何日かあったような月末明け。仕事は早めに終わったのに、気の進まない付き合いアルコール。こういう内臓疲れにもこの足三里、効くんです。

腰を据えて「足三里、どこだどこだ」と探し回らなくても、腰だるい、あるいは胃が疲れて食欲がないとき、両手を軽くゲンコツに握って、膝下の向こう脛のちょっと外側をやわらかーく、足首近くから膝方向にトントン叩き上げてみるだけで、「くぅ~~」来るところが必ず見つかるはずです。

ついでに、布美枝さんのためにもひとつおまけ。妊娠中毒症のような、原因がはっきりしている場合でなくても、疲労から来る体液循環の不調で、とにかく下肢が浮腫んでしょうがないときの特効ツボと言えば、脛の内側、内くるぶしの指幅3本上“三陰交(さんいんこう)”。俗に“女の三里”と呼ばれるくらい、婦人科疾患、女性ホルモン、更年期障害など、女性特有の不調全般にとりわけ効くツボです。

月河は更年期のずーーーーーっと前からとにかく冷え症ガール(??)で、平熱が35度台の前半という超低体温症でもあったので、このツボとはもう家族以上の付き合いです。

ここは足三里に比べると末端に近くて肉も薄いエリアなので、親指で押すとちょっと力が強すぎると思う。薬指と中指を揃えて、内くるぶしのすぐ上からクックックックと膝方向へ順に押し上げて行くと、必ずどこかで「う?」と来る場所があるはずです。そこがツボです。

前にも書きましたがツボ=漢方で言うところの“経穴(けいけつ)”は、硬い骨や腱の上にはありません。骨と骨、骨と腱との間、圧すとへこむ谷間の箇所に隠れています。

同じ人でも、日によって、上下内外に指幅1本分ぐらいツボが移動することもあるそうで。圧す都度、感触で確かめましょう。

こうしてみると、靖代さんの言う様に「ダンナに揉んでもらうと、効くんだけどねえ」って簡単にいかないな。そこらのダンナと違って、しげるさん(向井理さん)、手、1コですからね。しかも漫画を描いて稼ぐ大事な大事な商売道具。

布美枝さんに「揉んでごしない♪」と言われたら「ふぉい♪」って飛んで来そうな気もするけど。キャラ変わっちゃうな。

ところで先週の放送で印象深かった、憎たらしい税務署員コンビ。色黒で顔のおっきいほうは、スピードワゴン小沢さん?と思ったら、『外事警察』でのメカニック担当も記憶に新しい山本浩司(ひろし)さんでした。台詞少ない役でも饒舌な役でも、出れば出た分はしっかり持って行くなあ。最初に顔と名前が一致したのは『魁!!クロマティ高校THE★ MOVIEだったかな。とにかく、いい意味で、何とでもなる人です。

去り際、危うく質札背中にしょっていくところだった色白で小づくりなほうは水橋研二さん。一昨年になりますが『相棒 season 7“希望の終盤”の将棋指しは印象深かった。『仮面ライダーキバ』の、人間の女性を愛した非運のファンガイアもよかったし、もう少し前にはTSUTAYAレンタルのCMで、奥田恵梨華さん(=昼帯『愛の迷宮』の強気姉)と韓流ドラマ風の悲しいお別れシーン(だっけ?)もやっていました。“希望~”の重いものを背負った棋士役など、必要とあらば目ヂカラ発揮もするけれど、全体的に薄幸そうなのが持ち味。今回の税務署マンも、西日のラストカットでは哀愁が漂ってましたな。

1話だけの登場で終わりそうな役にも、おぉ!と思う俳優さんを、結構贅沢に投入するもんです。NHK朝ドラ侮るなかれ。いや、侮ってたわけではないんですが。

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想うツボ

2010-05-01 19:50:47 | 健康・病気

430日(金)の『ゲゲゲの女房』で、急に路上でリューマチが痛み出したこみち書房姑・キヨおばあちゃん(佐々木すみ江さん)をおんぶして店まで送り届けたバイオニック・ジェミーばり布美枝さん(松下奈緒さん)はカッコよかったけど、歩けない=どう見ても膝から下に痛みが来ているのにナンデ腕にお灸?と思った視聴者は少なくなかったと思われます。

 あれは痛み系の万能経穴(けいけつ)=ツボのひとつである“手三里(てさんり)ですね。

 まずは片腕の肘を、バストの前くらいの高さで、掌を上に向けて90°曲げてみたまえ。ウッと力こめたりせずにすんなり普通にね。肘関節の内側に、肘を横切るようにシワができるでしょう。そのシワの、いちばん親指側の端っこを、もう片方の手の親指で軽く押してみましょう。

…“もう片方の手”が無いしげるさん(向井理さん)は、布美枝さんに押してもらいましょう。

……何を考えておるのだ。

肘内側の太っとい腱の外側で、骨も腱もない、凹んでやわらかいポイントが親指に触れたと思います。ここをくーーっと優しく押すとなんとなくじゅわーと来るでしょう。これが“曲池(きょくち)というツボで、これはこれで自律神経失調やアトピーなどの皮膚炎、口内炎などの粘膜の疾患に有効なツボですが今日はちょっとスルー。

この曲池から、手指の幅3本分、手首側、細かく言えば人差し指側に下がったところが“手三里”です。

ツボやツボ指圧についてのテキストに、よくこの「指幅○本分」外とか内とか下とかいう表現が出てきますが、ひとクチに指幅と言っても、グローブみたいにでっかい手の、ぶっとい指の人もいれば、シラウオの様な楚々たる手の繊細な指の人もいるので、「結局何センチ何ミリなんだ!」とタンパラこく“こんなときだけデジタル人間”も多いかと思われます。

そんなときは、自分で押す際は自分の手指の幅、人を押してあげるときは押される人の手指の幅を基準にしてみましょう。おっきく太い手指を持つ人は腕も長く、全体に体格も大きく、細く華奢な手の人は全体に骨細で小柄なはずです。

しげるさんのツボを押している布美枝さんは、しげるさんの、いつもペンを握っているおっきな右手の指幅をちょっこしチェックしてみましょう。人差し指+中指+薬指。「これくらいかな…」と思うところを押してみて「気持ちええですか?」と訊いてみて、「ん゛ーーー…」と眼鏡越しにウットリしてるようなら、そこです。

……本当に何を考えておるのだ。

反応がいまいちだったら、今度は自分の指幅1本分ぐらい、肘側に行ったり手首側に行ったりしてみましょう。同じ人でも、日によって指幅1本分ぐらいはツボが上下左右にかわるらしいです。とにかく、いつもツボは骨と骨、骨と腱との間の、凹んだやわらかい“谷間”に並んでいますから、それに沿って押して行けば、どこかで「ん゛ーーー」に行き着くはずです。

この手三里は、一般的なテキストでは歯痛、歯ぐきの腫れに効く魔法のツボとして紹介されていることが多いのですが、肩こり首のこり、寝違え、背中の痛みや腰痛、とりわけ上半身の痛み・不快・違和感全般に効くオールラウンドなツボでもあるのです。

…ここまで読んで、アレ?キヨさん、どう見ても膝押さえて「痛~」言ってなかった?と思う向きもあるかもしれません。布美枝さんは、実家母ミヤコさん(古手川祐子さん)が、お台所仕事や縫い物で痛めていた、手首や指など下腕部のリューマチのイメージを持ってお灸したはず。ところが、この手三里、全身の関節や血流の密になるところ全般の、“流通を促す”ツボでもあるんですよね。リューマチは関節の滑膜が冒される病気ですから、手三里を灸で温めることで膝関節をラクにする効果が出たのでしょう。

膝、腰の急激な痛みには、痛いところを直接刺戟せず、そこを通る神経の“気”の通り道を温めてあげるというのが、ツボ指圧法やお灸の鉄則でもあるのです。

キヨさんとしてはそれプラス、一度店に立ち寄ってくれただけの、ヨソから越して来たばかりらしい初々しい若奥さんが親切にしてくれて、昔ながらの灸ツボまで心得ていてくれたというヨロコビも、痛みをやわらげる助けになったのでしょう。親子以上に年の離れた若い人が、自分と同じ(灸穴の)知識を共有してくれていたとわかるだけで、年寄りは嬉しいもの。喜び、嬉しさのエモーションも“気”の通りを良くするのです。

布美枝さんが膝関節のリューマチについていま少し知識を持っていたら、痛んでいる方の膝のお皿の下、外側のくぼんでいるところにある“陽陵泉(ようりょうせん)、ここからさらに下の、ごつんと突き出ている骨の突起の下、向こう脛と太い腱との間のやはり“谷間”にある“足三里(あしさんり)を温めてあげると一段と効き目ありありかもしれませんが、自宅に送り届けてもらったとは言え、まだ親しくもない他人の前で裾をまくって脛を出すのはキヨさんならずとも抵抗があるでしょうしね。劇中、陽だまりのナズナがやっと開花したばかりで、夜は鍋料理の恋しい2月、石油の買い置きもなく隙間風フリーダムそうなしげるさん家ほどではありませんが、こみち書房の奥向きもあまり暖かそうではなく、豊満な美智子さん(松坂慶子さん)も毛糸編みのカーディガンとニットキャップで武装でしたし。

まだ若い布美枝さんが経穴について知っているのは、きっといまは亡きおばば(野際陽子さん)由来の知恵でしょうね。お母さんのリューマチを介抱するうち、実地の臨床経験もできたと。

“人の役に立っている”“人を幸せにしてあげている”という実感が、何よりの自分の幸せと感じる布美枝さん、帰宅するとしげるさんから思わぬプレゼント=自転車もあったし、今日(1日)は「ときどきこの部屋、掃除してください、資料や本の場所はなるべく動かさんように」と頼まれて、いままでの心許なさやギスギスが吹っ飛び、『ちびまる子ちゃん』でよくあるように、「パァァ…」と一面に花が咲き乱れた気分だったに違いありません。

普通なら、男に「部屋掃除しろ」なんて言われたら「うっせー自分が散らかしてんだから自分でやれこのバカ」と蹴っ飛ばしたくなるもんだけど(普通じゃないか。月河だけか)、このドラマを見ていると「よかったね布美ちゃん」と思えるから不思議。掃除ウンヌン、片付けウンヌンが単体で問題なのではなく、しげるが布美枝の妻としての心やりに感謝し、「本当にオレの大切なものは、この人ならわかって、捨てたりせずちゃんと扱ってくれるだろう」と信頼してくれたことが大事。

襖一枚開いただけで安堵感や、胸に広がる温かみが伝わってくるのも、着いた当初は破れ放題だった障子がコマ貼りされ、台所の洗いかごに対の茶碗や小皿が重ねられ、煎餅座布団にも安来から持ってきた新品のカバーがかけられ…という、ボロ家ながらも少しでも住み心地よくしようとする布美枝の努力が、話数を追ってきちんと映像でとらえられてきたからだと思います。仕切りが取り払われた室内を、まずは布美枝の立つ台所から、ロングに引いてしげるの向かう仕事机まで1ショットに入れる映し方も素晴らしかった。何もかんもぜんぶ台詞やナレーションで説明せずとも、じんわり沁み入るワンシーンは醸出できるものなのですね。

そう言えば先週の『天装戦隊ゴセイジャー』では、闘病中の女の子(←奇遇にも、7歳布美枝役・菊池和澄さんでした)のために、いつもにも増して張り切ったイエローのモネ(にわみきほさん)が、「お兄ちゃん、貸して!」とブラックの腰からゴセイブラスター奪っちゃって、デカレッドのジュウクンドーばりに二丁拳銃で戦っていましたが、今日の布美枝さんも「不審な男が来た」の急報に、すわっと鍋の玉杓子と網杓子つかんで二丁拳銃っぽくなっていたのが可愛かった。布美枝さんとしては「旦那さまは片手、ワタシは両手あるけん!」の気概を見せたつもりだったのかもしれません。

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