イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

音を病んで知ると書いて

2013-08-03 01:07:58 | コスメ・ファッション

 ここのところの放置プレイでガラクタ箱の様になっているアクセサリーボックスから、着け飽きたイヤークリップに、極小すぎて物足りなくなって着けなくなったペンダントトップを通して耳に装着してみるというイタズラを考案。おぉナイス着眼。

 「エスニック調で結構オシャレ」と自画自賛したものの、月河がいつの間にかため込んでいたペンダントトップは、ほとんどパワーストーン各種から成っているため、極小と言えどもかなり耳が重い(疲)。

 パワーストーンで比重が軽いものと言えば、鉱物でなく植物由来の琥珀が代表選手ですが、高齢家族がどこかに持っていたような気がするので、今度物色して拝借するとするか。琥珀は軽いだけでなく硬度も低いので、金属のパーツに通すと瑕がつくかもしれないのが難点ですが。

 琥珀と言えば北三陸(モデルは岩手県久慈市)。というわけで今日も『あまちゃん』の話題は尽きません。

 太巻(古田新太さん)という人は、Pとしてどうしても“人工”を入れないと仕事をした気になれない性分なのかもしれませんね。素材の持ち味を直球で、素でぶつけるなんてのはクリエイターとしてはバカのやることだと思っている様子。

 自分もマネージャーとして新人だった時代に初めて手掛けた鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子さん)のデビュー時のもろもろがよほどトラウマになっているのか。歌唱の影武者として一枚噛まされ利用されてしまった春ちゃん(有村架純さん→小泉今日子さん)とは違った色合い、ベクトルで、やはり太巻も『潮騒のメモリー』の呪縛に25年間苦しんできたに違いない。この呪いというかオマジナイというか、解けるとしたら関係者一同、一堂に会して一気に解き放つしかないかも。魔法の杖を振るのはやはり我らがヒロイン、天野アキちゃん(能年玲奈さん)でしょうね。

 しかし、放送用語の規制・自主規制が妙に厳しい昨今、ふと思うのですが、太巻が事もなげにクチにした“音痴”というワードは、大丈夫なのでしょうかね、コード的に。病(やまい)ダレが付くのがどうも気になるんですが。ヤマイ系には特に厳しいじゃないですか、TV界。

 “○○ラ”を“視力障がい者”、“○○ボ”を“聴覚障がい者”と言うように、太巻も春ちゃんに鈴鹿さんの事を「彼女、音感不自由者なんだ」と言わなきゃならなかったなんてことはないのかな。

 “音痴”と言えば音楽がらみだけじゃなくて「運動オンチ」とか「味オンチ」「方向オンチ」等と、“△△が生まれつき苦手”“訓練しても向上しない”という意味の複合語形成に散々使われているから、いまさらコード抵触でもないか。汎用されてしまえば怖くないんですな。

 ちなみに俳優の水谷豊さんは、自宅でも道に迷う、夫人の伊藤蘭さんも失笑とともに認める極度の方向音痴だそうです(@『あさイチ』)。この話、以前『徹子の部屋』かどこかでも聞いた気がしますが、要するにどえらい広い家にお住みになっているというだけの話じゃないのか。まーお恥ずかしったらありゃしない。

 そう言えば、歌うアイドルスターの大先輩・内藤洋子さんを、昭和40年代初頭にスターダムに押し上げた映画監督に音痴・・ではなくて恩地日出夫さんという方がおられましたな。脚色脚本もみずから手がける才人で、萩尾望都さんの未来SF漫画『地球(テラ)へ・・』の、1980年のアニメ映画化の際も脚本・監督をつとめられ、声の出演には当時15歳の薬師丸ひろ子さんも参加されていたような。

 オンチつながりでとんでもない引き合いに出してしまいましたが、世の中狭いものでどこかしら何かしら誰かしらつながるものなのね。ということで。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

つながれた右手が

2010-09-21 22:09:03 | コスメ・ファッション

ここのところやっと出かける前にファンデのタイプに迷うことなく、いつものクリームタイプをノビノビ塗って、パウダーをふぁこふぁこ叩けるようになりました。先週の後半ぐらいから、どうやら当地も、本州の猛暑、狂暑につられることなく、健全でまじめな“普通の北国の初秋”へと“更生”しつつあります。

いつも思うんですけど、顔に塗るファンデって“顔専用の、見えない肌着”みたいなものだから、暑いからといって、いつものヤツじゃないのを塗ると、肌着と肌とのフィット感がいまいちで、塗ってる間じゅう顔がガサゴソする感じなんですよね。やっぱりいつものが心地よい。

来年もこんな感じに調子こいた夏になるなら、“いつもの”の球種をうんとこさ拡げておかないと、うっかり外に出られないし、人にも会えません。アウトドア派に愛用者が多い、下地パウダー不要のスーパーウォータープルーフタイプのやつを今度いってみとくかな。

『ゲゲゲの女房』最終週は、先週末時点での予告からして、お世話になった人オールスターズ帰還再会、グランド大団円ウィークの予感ばりばりでしたが、週アタマはまず安来の源兵衛お父さん=大杉漣さんの脳梗塞演技の、ほどの良さに浴びせ倒しくらって幕開け。

もう、ほどの良いのなんの。「ほどが良すぎるぞこの野郎」と怒り泣きしたくなるほど(怒泣)。

脳梗塞の、と言うより脳梗塞後の身内や知人を介護したり、見舞ったりした経験が多少でもある人なら、「そうそう、こんなんなるんだよなー」とリアルに思い出す要素を演技のベースに敷き詰めつつ、「でもこんな程度じゃ、本当は済まないんだけど、TVでそこまで見たくないし」と、映ったら目を覆いたくなる級の部分はさわやかに割愛。

20日(月)放送の、急遽帰省した布美枝さん(松下奈緒さん)に、母・ミヤコさん(古手川祐子さん)兄嫁・邦子さん(桂亜沙美さん)から語られる形での、発作時の回想再現シーン「(食後の湯呑みを取り落として)…おかしいな」→「(バッタリ倒れて)…大丈夫だ」から段階を踏んでの、腹にチカラの入らない発声がまずは鳥肌級にすごい。

古き良きカミナリ親父の源兵衛さん、地声が大きい人だっただけに、声帯や肺活量は発作前通り保たれているのだけど、脳の損傷のため、腹筋の制御による発声が困難になっている感じが痛切にわかる。脳の言語野(や)が直接傷まず、いわゆる言語障害に陥らずにすんだ脳梗塞の人でも、いち単語、ワンフレーズの中での抑揚コントロールが効かなくなるため、声量だけふりしぼって妙に“言いっぱ”“叫びっぱ”な語尾になってしまう。健康な頃の知性や人間性がどんなに豊かでも、どうしようもなく「いかにも脳をわずらっている人…」という印象の、もの悲しい会話になる。

ご本人も、“言いたいことが、言いたいように言い表せない、伝わっていない”という不満や苛立ちがつねにあるから、源兵衛さんのように頑固だった人がさらに頑固に、ちょっとしたことで激昂するようになったり、逆に“もういつもの自分のようには戻れない”無力感から、信じられないほど気弱に、依存的になったりもする。

意気軒昂な姿がつい先週の放送だっただけに、一層痛々しい「だぁらぁず」や「…はい」、布美枝が帰京した後の仏間で「守ってやってごしぇ」と麻痺した右手が伸びない合掌など、お見事のひと言。

しかし、最高のファインプレーは、「お父さんが(寝室に)おらん」「まだひとりでは歩けんですよ」とあわてるミヤコさん邦子さんをよそに、本当に歩けない身体を半身引きずりながら仏前に這って行く姿を絵にしなかったことです。

老い衰えても、衰えたからこそますます切々たる親心を、観る者に愛おしい、尊いと思わせ感涙させるためには「そこまで見せなくても」に踏み込む境界線を、厳しく潔癖に守る必要がある。

このドラマは、“見せるべきこと”と、“見せなくてもいいこと”、“見せ過ぎたら台なしになること”の仕分けが、演出・演者ともに、本当に鮮やかでためらいがない。

TV番組、TVドラマについて書くことが最近特にめっきり多い月河のこのブログですが、人間が人間に見せるための作品、商品として作っているものである以上、“ドラマとしておもしろい”“演技者の演技がうまい”こと単体では褒め記事を書かないように心がけてはいるのです。プロのP、脚本家、監督が、おカネを取れるモノを目指して作っている以上「おもしろい」のは当たり前だし、俳優さんたちもプロがこの作品のために選ばれて演技しているのだから、シロウトが見て「うまい」のも、これまた当たり前。

「おもしろい」「うまい」の彼方に、あるいは、その底流にある、「これこれこんな工夫、仕掛け、心がけが見て取れ、感じられるからおもしろいのだ」「おもしろいから、うまいから、これこれこんなことまで読み取れたり、想像させられたり、考えさせられたりしてしまうのだ」ということをなるべく書きたいと思って、毎度ここを開いている月河です。

その意味で、『ゲゲゲ』は隅々まで噛み応えあり、書きたいことが毎話、湯水のように湧き出てくるドラマでした。

「(もう一度源兵衛さんと碁が打てる)“この次”はないかもしれない」との覚悟を布美枝さんもしげるさん(向井理さん)も秘めて噛みしめた秋から、冬が過ぎ、今日(21日)の放送では再び桜の季節になりましたが、秋口「今度は桜の季節に深大寺へもう一度」のお祖父ちゃんとの約束、藍子(青谷優衣さん)&喜子(荒井萌さん)姉妹も覚えているはず。布美枝さんは車の免許こそ持っているけれど必要以外はあまり外出をしない人ですが、小学校教師藍子さんは2年めを迎えた勤め先の学校のそばに桜があります。今日の放送で、布美枝さんが玄関先で満開に気づく前、蕾がほころんできた頃“お祖父ちゃんに桜…”と胸をよぎらないはずはない。

でも、親の心を気にかけるタイプの長女藍子さん、すでに一年間の教師経験で、不祝儀のために忌引をとる生徒や、家庭訪問すれば仏間のある家もあっただろうし、“言い出して無理だったら、そうでなくても心を痛めているお母ちゃんが気の毒”と先回りして自重したのでしょう。

かえって天真爛漫な喜子ちゃんは「もうすぐ深大寺の桜が咲くね~、安来のお祖父ちゃん、具合いいんなら見に来たらいいのに」と空気を読まずに元気発言、藍子「脳梗塞のリハビリって大変なんだよ、乗り物に乗ったり降りたり」布美枝「お祖母ちゃんもリウマチがあるしね、付き添いに邦子さんか絵里子ちゃんもとなると、(酒屋の)店も大変だし」しげる「……(新聞読むふりでじっと聞いていて)…見ごろになったら、あれだ、寺の近くで皆で写真を撮って、安来に送ってあげたらええ、今年の桜、来年の桜、同じ桜でも一期一会ということもあるけんな」布美枝「そげですね、日曜日なら藍子も行けるでしょ」喜子「いいね、お祖父ちゃん、見たら元気になるよ」…

……のような会話があったかもしれません。

源兵衛さんと言えば、嫁の邦子さんに麻痺したほうの腕をマッサージしてもらう回想場面で「“娘”にこげに世話してもらって」と、“血縁ない他人同士が家族となり、年月をかけて絆を築く”幸せなご縁の糸を、主人公のしげる布美枝夫妻とは違う角度から映し出してもくれました。

飯田家お向かいの魚屋のご主人留蔵さん(春海四方さん)も、頭髪の白化とともにずいぶん声が老け込んでいました。一方、同時期に実家に寄っていたかつての同級生チヨちゃん(平岩紙さん)は、花柄ブラウススーツでちょっこし若づくりしていましたが、「実家の母親が、ほんの鼻風邪なのに、何かと理由つけて会いに来いとせっつく(=老いて気弱になった)」「ウチの子も結婚して2年だし、そろそろ子供ができて、私もお祖母ちゃんになるかもしれん」と、間接的に時の流れ、じんわり自分の人生の後半、そして人生のいちばん身近な先輩である親の老いと看取りに近づいていく皮膚感覚を表現。

本当に打つ手に無駄がない、何かしら手を打てば必ず何かしらに効いている、「無駄がないぞこの野郎」と怒り笑い泣きしたいようなドラマです(怒笑泣)。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

飾らない生活

2010-08-11 23:34:32 | コスメ・ファッション

アクセサリーの諸アイテムを、“好きで、何はなくともはずせない”→“苦手で極力つけたくない”順にざっくり並べると、①イヤリング②ブレスレットorバングルネックレスorペンダント指輪、となります。前世紀の勤め人時代から、在宅労働メインになった現在も変わりません。

イヤリングは、顔を洗ったり歯を磨いたりするのと同じテンションで、起床するとまずつけます。入浴やシャワー時にははずしますが、夜半でも、就寝まで1時間となくても、起きていれば、就寝する前まで再びつけます。

指輪は、労働の邪魔かつ危険なので、どうしてもつけなければ社会的にまずいとき以外はつけません。

微妙な中間2アイテムのうち、ネックレス系は、暑いシーズンには割愛しがちです。先日『スパモニ』の汗疹(あせも)特集でもやっていましたが、女性の場合、顔にファンデを塗って毛穴をふさぎがちなので、顔から出るべき分も二倍増しで、併せワザで首~鎖骨~胸近辺から汗が出るわけですよ。汗っぽくなった肌に触れるネックチェーンやストラップの感触ってのは実に不快で不健康なものです。

その点ブレスレット系は短袖に合うし夏向きだよねーと思っていたら、夏は夏でもこうシャレになんない、亜熱帯級の高温多湿になると、そうでもなくなってきました。

電車で吊り革を持つときや、高い棚のファイルや商品を取るときに、腕を上げますわね。そのとき、いつもならゆらり、シャラシャラ、スルッと優雅に手首から肘方向に落ちていたブレスレットが、手首にひっついて落ちないの。手首にまで汗って結構、かくもんです。

そう言えば実家の男性軍も、革バンドの腕時計をいたく嫌っていたっけ。実家が当時、北国にしては盆地の大陸性気候で、夏は、多湿ではないまでも、日中の最高気温だけは国内五指に入ることもある地域に住んでいたのです。

ネックレスが決裂、ブレスレットも離反、指輪は有史以来国交なし。

あまつさえ、最後の砦だったイヤリングまでが、猛暑日ラインが緯度を上げて来る警報とともに、少しずつ背信の気配を見せはじめて来たという。

さすがに耳たぶには汗はかきませんが、下がり部分の先端ないし内辺が、体表面でもっとも体温の高い部位のひとつであろうところの、頚動脈の近辺にツンツン、チコチコ当たって、当たるのは夏も冬も関係なく当たるんですけれども、今夏はとにかく朝から晩まで、じんわり汗含みの肌に当たるので、当たって離れる瞬間に微々量“ピトッ”と粘っこい、高濃度の塩水っぽい感触を残して去るわけです。

去ったかと思えば、また来る。当たったかと思えば、また離れる。離れるたびに“……ピトッ”を残して。

水木しげるさんだったら、こういう感触に、どういうオノマトペを当てるかな。

揺れて、擦れて、触れて、ピトッ。「サガサガッ、クチョ」かな。「リュンリュン、ニュパ」かな。

鬼太郎を讃える虫の鳴き声を「ゲゲゲ」と表現したかたですからね。こういう、ミクロなかそけき感触ほど、濁音もしくは半濁音多用でしょうな。

それはともかく、下がりのないやつだけつけるようにすればいいんでしょうけどね。クリップみたいに耳をはさんでそれだけみたいなのは、イヤリングつけてる気がしないんですよ。顔の近くでささやかに、細チェーンの先にジルコニアひとかけら、ビーズひと粒でも、揺れてるものがないと、落ち着かない。

夏も、殺戮的なレベルの酷暑になると、ひとつまたひとつとアクセサリーが装着困難になることがわかった2010年、平成22年でした。

「…でした」ってことはないか。まだ終わってませんね、夏。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

さっきの喫茶(←回文)

2010-05-21 23:55:15 | コスメ・ファッション

先週前半ぐらいから、高緯度の当地でもめでたくいろんな春の花が開花宣言、最高気温20℃オーバーの日もぽつぽつ来るようになりました。

そうなると、たまにしっかり顔をアレして出かけるとき「ファンデどげしよう」と悩む時期でもある。

いつもは紫外線対策の肌色サンスクリーンを塗るだけ、あと眉をちょっこし埋め描きしてマスカラ塗ってバーン出かけてしまうのですが、寄る年波でさすがにそれだけではアップに耐えない顔になることが多い(アップって)。

 数年前は夏も冬もなくパウダータイプ、もうさらに数年前はやはり夏も冬もなく、水あり水なし両用タイプ、それよりもっと前は、春秋冬にはスパチュラですくって取る濃いめのリキッドタイプ、夏だけ水あり専用のケーキタイプファンデを愛用していましたが、ある日、どう塗っても粉っぽい質感にしかならないのに気づき、振って混ぜる二層式の無油分ウォーターベースタイプに切り替えて、ずっと去年まで来ました。

なんたって、塗った上から粉的なものをバフバフするのが最小限で済み、よって粉っぽくならない。結構ツヤツヤお肌でいられる。

…しかし、今年になって、どうも乗りが悪い。と言うか、塗っても塗ってないのと同じようなミテクレにしかならない。

よく能書きを読むと、この二層式ウォータータイプって脂性肌~超脂性肌推奨なのね。「パウダータイプじゃ粉っぽい」と思ってチェンジするには向かなかったか。

…来週から、夏用の、紫外線ブロック指数が高くて仕上げパウダーも要らないサラサラ(というフレコミ)のスーパーリキッドタイプを試してみるかな。以前試供品もらって顔の半分だけ塗ってみたとき(…おまえはファングジョーカーか)、よほど性能が良かったのかガイについてしまい、あれよあれよという間に、お盆のNHK『日本のうた』に出る懐メロ演歌歌手みたいな厚塗り妖怪と化した記憶があるので、気が進みませんが。うすーくうすーく、とにかくうすーく伸ばすことだな。

『ゲゲゲの女房』21日は源兵衛お父さん(大杉漣さん)再上陸。「一生懸命働いて、それでも貧乏なら、堂々と貧乏しちょったらええ!は蓋し名言でしたな。布美枝(松下奈緒さん)から「ちょっこし商店街歩いてみる?」と誘われて“久々愛娘とデート”とばかり「おお、そげだな♪」と隠しようもなく舞い上がってたところもキュート。

急ごしらえの読者のつどいの主賓とも言える太一くん(鈴木裕樹さん)を見つけて布美枝が「あ、ちょっと待って」と走っていっちゃって「なんだぁあれは」と慣れぬ喫茶店でひとり憮然。ストパ風ボブカットの質屋の大将(徳井優さん)の「あの漫画家先生のサインなんか、質草返すとき何度ももらってるっつーの(含笑)」に、初めてセリフのあった喫茶店マスターとか、細かい笑いどころをほどよく散りばめつつ、10歳時の横山さんええ人だよ熱弁を思い出す布美枝の「うちの人は本物の漫画家ですけん」&しげる(向井理さん)の「もうええ、な、ちょっこしええところを見せようとしたのが、いけんだったな」に着地。

“実態が伴わないのに、良さげな振りをする精神”をけしからんと源兵衛さんは咎めましたが、「ちゃんと努力している夫だから、努力が報われない現状でも、ちゃんと見せたい」との母心ならぬ妻心を、しげるが言葉少なながら掬いとって否定せず、“オレも同じ思いで、この計画に乗ったんだからね”と共感と感謝の気持ちもこめてくれて、父親に涙目で抗議した布美枝さんも徒労にならず甲斐があったでしょう。

“ええところを見せよう”は布美枝自身の虚栄心やプライドを満足させるためではなく、夫の面目を保ち、源兵衛さんから“だらず”と誤解されないようにと心を砕いたゆえなのですから。

源兵衛奇襲に先立って、幼友達チヨちゃん(平岩紙さん)の電報訪問→「(喫茶店、土産にケーキ、お宅訪問拒否…)見栄張ってしまった…」の溜め息を挿入しておいたのもある種の対照材料として効果的でした。まぁあれも、布美枝が虚勢で積極的に吹いたんじゃなく、“売れっ子漫画家に嫁いで花の東京暮らししちょる、クラス仲間の出世頭”という、チヨちゃんの一方的な幻想を壊さないよう協力してあげた程度のモンでしたけどね。あれで見栄なら、いまのネットのブログ界なんかどうするよ。

………いや、月河のコレは、ウソイツワリのない(その代わり内容もあまりない)(という噂もある)ブログですけど。

途中ちょっと唐突、かつ脇道粘着し過ぎの感もあった太一くんの公開失恋メランコリーエピソードも、美智子さん(松坂慶子さん)の亡くした息子へ寄せる愛惜を「親ですもの、心配ですよ」の吐露で接点を作って、源兵衛お父さん上京週に入れ込んだ意味はありました。週末の明日(=22日)、皆が少しずつ幸せになって締められるといいですが。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白水晶紫水晶

2009-08-22 01:19:39 | コスメ・ファッション

以前の通勤先に近く、よく利用していたけれど最近ご無沙汰しているコスメショップのポイントカード期限が切れそうになっているのに気がつき、ちょっと足を伸ばして、セール品か消耗品の買い足しでもしようと思ったらついつい香りモノの棚へ。

今日は久しぶりに空気が湿気っぽくなく秋を思わせるカラッとした天気だったからか、はたまた当該ビルの空調が好適なのか、嗅覚がやけに調子がよく、いつもなら3種類ぐらい試したところで“お腹いっぱい”、ほとんど頭痛くなってわけわからなくなるパフュームテスターが、なぜか次から次へと嗅ぎ分けられてしまい、こういう日は何かひとつは買うべきだと思って、逡巡した挙句、結局ブルガリのオムニアクリスタリンに。

オムニアなら、アメジストのほうが圧倒的に好みだと思っていたのですけれど。白のパッケージにブロンズ色のロゴの涼感に負けてしまいました。

クリスタリン、日本デビュー浅い頃、04年の暮れ頃でしょうか、初めてテスターしたときは“いかにも西欧人がイメージしたアジアンビューティ”と嫌味に思えて敬遠していました。今日は全然そう感じなかったのだから人間の感覚なんてフィジー、いやファジーなもんです。オムニアシリーズ、あの知恵の輪みたいなボルト、じゃなくてボトルも使い慣れれば愛くるしいではありませんか。某シャネルのシンボルマークを“ひと捩じり”したみたいで。

オムニア、グリーンジェイド(緑翡翠)という名の、石好きとしては聞き捨てならないニューレーベルもリリースされていますね。今度テスター探しに行かないとね。

最終的にショパールのウィッシュ、バーバリーのウィークエンドも候補に残して、どれを買うか迷いましたが、可愛い系、モテカワお洒落路線よりちょっとオールドファッションドなくらいの香りのほうが月河は結局好きなようです。シャルル・ジョルダンのランソラン、ロベール・ピゲのフラカ、かつて愛用していまも忘れられない香りはみなそんな感じでした。

フェラガモの、シャインでもドリームでもブリスでもヘヴンでもない、元祖・インカントなんかも好きだったんですが、まだ現行健在かな。

『夏の秘密』は第60話まで終了。残すところあと5話。5話の中でさらに一転二転、複数転することは目に見えているのですが、それにしてもヒロイン世代が必死に取り組んできた謎解きが結局“親世代が過去にやらかしちゃったことの結果”に行き着くとしたら、なんとも脱力。

現在及び未来のための、若者たち(と言っても設定アラサーですが)の苦闘と、“人間、親が無くてはこの世に生まれて来ない”“善であれ悪であれ、親の過去の所為は子にのしかかってくる”という一種の“生誕イコール原罪の宿命”との対比だとしたら、それはそれできれいにまとまると言えなくもないのですけれど。05年のこの枠『危険な関係』も“構図の一郭”はそういう話でした。

そう言えば昨日(20日)の『任侠ヘルパー』7話で、下町トリオ“髪フサのほう”平さん役の市原清彦さんのお顔が見られました。

ハートフルバード社長の晶(夏川結衣さん)を法事の席で「母親を見捨てて死なせたくせに、自分の親の面倒も見られない者が偉そうに(介護の)商売して、目障りだ、さっさと帰れ」と罵倒する叔父の役で、ワンシーンですが“他人より冷たく意地の悪い親戚”を強く印象づけました。すでに杖にすがらないと歩けない叔父の両脇は、妻と娘(嫁?)が介添えしています。晶は「叔父さんが寝たきりになったら面倒見ますよ、料金は勉強します」と精一杯の反撃を見舞って、焼香もせず屈辱を噛みしめ立ち去りますが、この捨て台詞に一瞬虚をつかれて茫然と振り向き見送る、叔父の表情と挙措。

自分は面倒見てもらう一方で、面倒見る者の苦しみを知らない、知ろうともしない人間のエゴ、卑怯さを切り取って見せてお見事。写真好きで腰が軽く、気さくな下町の世話役・平さんとは、設定上の年格好は一緒でも対極な人物像。改めて俳優さんの表現力はすごいものです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする