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イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

緑(グリーン)の日前日

2012-05-05 22:16:01 | 特撮・ヒーロー

NHK FMの祝日不定期SP『今日は一日 ○○三昧』シリーズ、以前は午前中に始まって昼のニュースを挟み、夕食どきのニュースも超えて、日付跨ぐまでなんていう、“ザンマイ感”に殺人的なまでに満ち満ちた編成のときもありましたが、53日(木)の『今日は一日 特撮三昧』は、1215に始まって2245終了。連休中の小さなお友達にも、パパママ大きなお友達にもフレンドリーなフォーマット。

おかげで久々にじっくり聴けましたよー。途中、ローカルヒーローなど箸休めにできる薄めなコーナーを適宜はさんでくれたおかげで、熱い曲、アドレナリン促進系の曲の連打また連打にもかかわらず、結構ゆったりのんびり楽しめました。

メインゲストの長澤奈央さんが、第二部の深い時間までがんばってくれてました。本当に特撮が好きなのね。特定のジャンル、特定のキャラの濃いオタクというのじゃなく、“物心ついてからの人生で特撮を見ていなかった時期がない”ぐらいの、偏らない揺るぎない特撮愛。こういう女優さんの主役デビューがスーパー戦隊、それも“女性ブルー”ってのも何やら天の配剤。

『忍風戦隊ハリケンジャー』オーディションの応募書類“特技”の欄に、「戦うヒロイン役だから有利かも」と、レッスンにかよい始めたばかりの“少林寺”と書き、何度めかの面接で「キミ少林寺できるのか、やって見せて」と言われて、ものすごい「へなちょこパンチ」(←本人談)を披露、まぁ結果はめでたく合格だったものの、後から男の子メンバーに「アレはないよなー」とさんざん言われた…なんてエピソードも話してくれました。わはは。オトコノコメンバーのうち約一名、現在放送で名前言えない状態の人がいるわけですが、その後長澤さんは目に見えてアクションが上達され、身体の線も締まって眩しいばかりの脚線美。「いつ特撮の(出演の)お話が来てもいいように」準備怠りないそうです。『仮面ライダーW(ダブル)』でのリリー白銀も忘れられないし、またいつかシュシュッと揃い踏み、見たいですよね。約一名も早いとこ身辺整理して、信じた未来にがんばろう。

その『ハリケン』にもシュリケンジャーとしてゲストインしてくれていた大葉健二さんもお久しぶり。昨年は『海賊戦隊ゴーカイジャー』のクリスマス回で顔出し出演がありましたが、郷里松山でイベントプランナーをされていたとは初めて知りました。大葉さんと言えば芸名の字並びでもわかるようにJAC千葉真一さんの愛弟子なのですが、『バトルフィーバーJ』のバトルケニア=曙四郎役と、宇宙刑事シリーズのイメージがあまり強すぎて、その後どうされているのかなと思った時期がありました。病弱なお兄さんに代わりお母様の看病をするために郷里に帰られていたそうです。まだ当時30代前半、変身前と変身後をひとりで演じられる貴重なアクション俳優として、これからという時期だったでしょうに、師匠の千葉さんからも「おまえひとりが(家族の)犠牲になることはないじゃないか」と引き止められたそうですがよくぞ決心されたもの。現在は松山に本拠を置くイベント会社の代表取締役として、イベント・ショーの舞台監督やアクション指導、ローカルキャラクターのプロデュースもされていて、ある意味顔出し俳優以上に“ヒーロー界”草の根広報マン、育成コーチの役割を果たされています。

月河の様な地方在住で業界の中心から遠く、ナマのステージやライブに出かける時間も情報もなく、TVと、ビデオやDVDなどパッケージソフトしかウォッチ手段のない視聴者は、TVの顔出しでの新作の話題が聞こえなくなるとそれだけで「辞めちゃった?」「消えた?」ヘタしたら「干された?」などと思い込みがちなんですが、こういうかたちでのご活躍もヒーロー俳優として天晴れだし、ファンとして有難いことですね。今回の『特撮三昧』は企画から進行メインMCまでを一手に行なっている(らしき)NHKアナ界の“特撮部長”斎藤政直アナが現在NHK高松に着任中で、自然と高松からの放送になったため、お隣の愛媛県松山から駆けつけゲストインなった模様です。

大葉さん、昨年『ゴーカイ』で久しぶりに現在時制のスーパー戦隊と共演された感想を求められて、「僕らの頃のヒーロー役者はみんな顔が濃かった。ボクもこの通り(の顔)でしょ?(場内微笑)いまの子たちはみんな綺麗で、さわやかで驚きましたね。特に(ゴーカイ)グリーンの人なんか」、長澤奈央さん「あー清水クンですね、女の子みたい(に綺麗な顔)ですもんね」……わはは、聴いていたかなドン・ドッゴイヤー。もとい清水一希さん。向井理さん似。ヒーローのキレサワ化トレンドの代表に挙げられましたぞ。まぁ、『バトルフィーバー』当時の、褐色作りの曙四郎の野性的こってりっぷりに比べれば、最近作のヒーロー諸君は全員、それこそ清らかな水のようにさらさらさわやかではある。

また、挙げ切れないほどたくさんのヒーローソングを歌ってこられた串田アキラさんが、もとはと言えばNHK“ヤング101”のメンバーだったというのも月河は失礼にもまったく初耳でした。R&Bが好きで、特撮ソング初挑戦の『太陽戦隊サンバルカン』オープニングテーマ曲もレコーディングで自然とR&B風の歌唱になってしまい、当時のディレクターから「串田くん、違うんだよ、もっとカッコよく歌って」と再三言われたものの、串田さんの中での“カッコいい”歌い方はやはりR&Bのそれなので、どうしたらディレクターの言わんとする“カッコいい”歌になるかずいぶん悩まれたそうです。

ちなみに、当時は髪型もアフロだったそうですよ。1981年の作品ですから当時32歳。きゃー。アフロクッシー。見たかったような、見ないですんでよかったような。

月河にとっては『G12!チェッカーフラッグ』(@『炎神戦隊ゴーオンジャー』)♪カッ飛ぶ 轟く あぁジートゥエルヴ~とか『FLY OUTULTIMATE DAIBOUKEN』』(@『轟轟戦隊ボウケンジャー』)♪たぁいよぅぉを超えろ dreamin’ wing ! などがいまならいちばん速攻クチをついて出るフレーズですが、ハイでシャープで高揚感あふれ、でもどこか昭和アナログな人肌感のある串田さんのお声は、“カッコよさに凝りかたまっていない”ところが魅力なんだと思う。それがお若い頃傾倒したというR&Bの素養からくるのかはわからないけれど、カッコよさの中に内包される人間っぽさの分量が度を越して“ダサくなる”手前の非常に微妙なところで出し入れして、“人間っぽさもカッコよさのうちだよ”と逆の説得力をもって迫ってくるようなパワーが、串田さんの歌唱にはある。

こういう、ヒーローソングシンガーとして非常にユニークな個性を持った串田さんに対して、「カッコよく、もっとカッコよく」としつこく要求し続けたそのディレクターさんもある意味見上げたものです。串田さん、どうやっても「もっとカッコよく」ばかり言われるので、しまいには「わかんねぇよクッソー」的なノリで、いちかばちか、きーーーっちり譜面通りに歌ったら「それ、それだよ、やればできるじゃない」とOKが出て、「結局何がカッコいいんだろう」とますますわからなくなったとか。

このディレクターさん、あの影山ヒロノブさんにも、「もっとカッコよく」攻撃、しまいには「何でわからないんだ?もう、歌詞、声出して読め」と要求、影山さんにスタジオで歌詞全編音読させたこともあるというツワモノらしいです。いまや押しも押されもせぬアニソン王子の影山さんも元はベイ・シティ・ローラーズパクリなアイドルバンド出身ですが根はハードロック小僧なので、ヒーローソング参入当初はかなり難儀したと思われ。

串田さんしかり影山さんしかり、そのディレクターさんもまた然り。さまざまな音楽歴と志向を持った特異な才能が結集、たいへんなエネルギーを注ぎ込んで摩擦発熱し合って、コンニチまで脈々と伝統を築き上げてきた特撮ソング界なのでした。

そしてこの日は、“三昧シリーズ”では3年ぶりぐらいに、月河のリクエスト曲もオンエアされたではありませんか。1200台とっぱじめのスーパー戦隊コーナーではTVサイズだったので、まぁそれも本放送当時を思い出していいかなと思って送ってみたのですが、1900~のニュース後の“ディープな大人の時間コーナー”で拾われたため、なんとフルコーラス。いやぁ、最終話EDオールキャスト&スタッフクレジットロールでも“中抜き”でフルはなかったんじゃないかな。ちょうど夕食の後片付けの時間だったんですが、ヘッドホン装着して軽く走り回ってしまいました。やっぱりラジオでリクエストがかかるのは嬉しいものだし、かかるか?かかるか?とワクワクするのもいいもんですね。名前読んでもらえなかったのが残念でしたが。ラジオネームにインパクトが足りなかったかな。今度はいつかしら、三昧シリーズ。

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覚悟覚悟覚悟しろよ

2012-05-03 01:11:36 | 特撮・ヒーロー

特撮ウォッチャー、とりわけスーパー戦隊のファンなら皆、多少なりとも気がかりだと思うのですが、ハリケンレッド(@『忍風戦隊ハリケンジャー』)塩谷瞬さん、大変なことになってます。2002年の放送でしたから今年でシュシュッと10周年。昨年は『海賊戦隊ゴーカイジャー』でのレジェンド戦隊として他メンと揃い踏み、ちょっと髪に波がついてはいたものの変わらない熱さとさわやかさを見せてくれたのに。

戦隊が終了するとあっという間に存在感を失ってしまう俳優さんも残念ながら多い中、塩谷さんは映画『パッチギ!』主役をはじめ、ドラマでも『白夜行』『七瀬ふたたび』など、月河でもタイトルだけでメジャー作とわかる作品にたびたびレギュラー出演もあったのに、それらぜんぶを合算したよりここ数日の、今般のその、あの、例の問題での言及度のほうが高いというね。

しかしねぇ、塩谷さんも独身なら、お相手女性ふたりも天下晴れてのシングルですからね。二股=同時期にふたりの異性と親密交際ってのは、民放各局、情報系各番組ことごとくにサカナにされなきゃならんほど罪深いことなのか。今日なんか、出先での待ち時間、連休の谷間で客が少なかったのをいいことに、壁面のTV勝手にリモコンザッピングして見ちゃいましたよ。同じ会見映像使い回してるだけなんだけど、いや~すごいわ、コメンテーターのアタマ数が。キャスターも弁護士もスポーツ紙デスクもエッセイストも、“危機管理評論家”とかまで鵜の目鷹の目。絶対この中の半分は、コメント求められるまで「シオヤシュンて誰だそれ」状態だったと思う。

ところで、女性とちょっといい雰囲気になると「結婚しよう♪」と気安く言いまくる男…って、たまさか聞くけど、これだけ世知辛い時代、結婚したらタイヘンだと考える、臆病で真面目な人が巷に多いからどんどん晩婚化非婚化が進んでいる日本に、本当に実在するんでしょうかねえ。結婚しよう男。月河は一度も会ったことも見かけたこともないのだがなあ。都市伝説じゃないのか。そういう男たちのほうが月河をあらかじめ本能的に避けているから、月河の視界に入らないだけの話か。

でもま、塩谷さんがそういうタイプだとしても、結婚を餌に金品を騙し取ったとかしない限り、犯罪ではなかろうに。そのテの「♪」にたやすく引っかかって深のめりする女も、それなりのタイプなんでしょうし。今回の女性たちはいずれも、出るとこ出るつもりはないようです。スーパーモデルの冨永愛さんに、月河は初めて知ったけど料理研究家でレストラン経営者の園山真希絵さん、どちらも斯界ではすでに地歩のある人らしく、ちまちま賠償だの慰謝料だの言い出したりしなさそう。

財力面で自分より格上の女性を対象に選ぶというところも、歴然とヒモ体質っぽくて、ヒーローウォッチャーとしてはあまり感心はしませんが、それとて法に触れるわけじゃありません。男の甲斐性とか沽券にこだわるのも好みなら、強くて偉い女性に甘えるのが好みな男もいるでしょう。

今回は、同時進行した相手女性同士、顔見知りで親しい仲だったという点が塩谷さん、決定的“敗因”になったのではないでしょうか。「私と結婚前提交際中のはずなのに、あの子と熱愛報道!?」と知った、相手女性その1が、逆上して真っ先に男のほうに「ワタシというものがありながらナンデ別の女と写真撮られてんのよ、ブログでのろけてんのよ」と単身突撃してきてくれればまだ打開の余地はあった。女性その2のほうに先に行って、その1とその2で「どうなってんの」「えーマジー?」「ひどい男ね、私だまされてたわ」「私もよ」「許せないワネ」「そうよそうよ」みたいなノリになっちゃったら、もう男は形無しです。万事休す。ボスたること、勝者たることを本能的に欲する男性と違って、女性は腹の中で「ビッチが」「泥棒猫が」と思い合っていても「そうよねー」「ねー」と意気投合、共闘張れるものなのです。女性のこういうしたたかさの前では、塩谷さん程度の“系”ズル男なんか赤子の手をひねるようなもの。

下種な深読みをすれば、『ハリケン』当時に所属していた大手芸能事務所を離れて、独立したこともマイナスに出ているのかなという気が。塩谷さんとしては大手にいてはできない活動を自由にしてみたいと思って個人事務所を作り、『ゴーカイ』東映公式サイトのハリケン回ページで紹介されているような海外支援などにいそしんで来られたのでしょうが、これだけ何日も、マスメディアで火だるまになり続けた場合、火消しや対応指南にあたってくれる後ろ盾がないのはいかにも痛く、結果的には業界内で“味方が少ない”ことをさらけ出してしまいました。

求められたからコメントしただけとは言え、「オマエがソレを言うな」って人にまでグサグサ言われてますしね。「二股に文化はない」って石田純一さん、「ボクはかわそうとか、すり抜けようとはいっさい思わなかった」って、アンタはかわそうにもかわしきれなかっただけだろうに。いちばん酷かったのは泉谷しげるさんで、「(『Dr.コトー』で)島のロケ中に島の女に手を出して、空港でキスしてやがった」まではオフカメラでの素行を語る目撃エピでいいでしょうが、「演技がヘタでNG10回以上出して、次の回から(ドラマに)出なくなった」ってついでの付けっ足しに言わんでも。プロ俳優としてキモの部分じゃないですか。そんなに、目に余るほどヘタだと思ったんなら、演技先輩として現場で喝入れるなりしごくなりした上で、現場はねたらマスコミに「アイツ大根だよ」なんて陰口言わないのが大人でしょうによ。泉谷さんに大人を求めてもしょうがないか。

逆に考えれば、元パリコレモデルと料理&レストランプロデューサー、ともに日の当たる業界で活躍する、それもヴィジュアル的にも、年齢的にもまだカスカスの男ひでりでもない大人の女性を、「♪」ひとつでふたりいっぺんに本気にさせてしまったのだから、ある意味塩谷さんたいしたものです。誰かも言ってたけどこれから元・正義のヒーローの縛りにとらわれず、黒い役やねじくれた役をどんどん取っていけばいいと思いますが、当分、オファーしづらいでしょうねぇ。

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庭には2羽

2012-03-26 01:03:17 | 特撮・ヒーロー

『特命戦隊ゴーバスターズ』と言えばあなどりがたい新機軸もありまして、スーパー戦隊の慣例“敵怪人・戦闘員との等身大での戦闘→勝利→敵巨大化→合体巨大化しての再戦”という一連の順序を廃し、“等身大戦と巨大化戦の併行”もアリな設定になりました。

等身大戦用の携帯武器やアーマーと、合体換装前提のロボパーツと、両方販促して行きたい玩具メーカー企画の戦隊シリーズにあって、これは結構、画期的な方針転換です。

ところが、いざドラマの中で見せられると、制作側が喧伝するほど有難みがなかったりするから、ことは思惑通りに運ばないものです。局面局面で、現時点では3人しかいないゴーバスターズが、等身大戦=対メタロイド担当と巨大戦=対メガゾード、バグゾード担当に分かれるので、どうも戦隊ならではの“チーム一体”感が湧きにくい。

以前から、巨大ロボのコックピットに55色勢揃いすると、クイズ番組の早押し戦か、『そこまで言って委員会』のパネラー席みたいで、バトルクライマックスのわりには絵がのどかになっちゃうなあと思ったことはありましたが、反面、全員一室に揃うことでリーダー(おおかたレッド)のリーダー性や指揮能力が立つし、作戦参謀型や慎重型、勢い任せ型など他メンそれぞれの個性を表現するのにもうってつけの舞台装置でした。『ゴーバス』は上述のような設定のため“同フレームに全員揃って、言い合いなどありつつ最終的に「いっせーのせー」で攻撃”とはならず、めでたく本日の敵を倒して「やったね」「お疲れ」のクロージング場面でも、地上組とロボ内組に分かれたままです。

戦隊らしくなさと言えば見せ場の変身をはさんで「ナントカカンとかの、レッドバスター!(シュッ)」「うんたらカンたらの、ブルーバスター!(ドワッ)」「チャララほららの、イエローバスター!(キュン)」式の“名乗り”と“決めポーズ”もなく、走りながら「レッツ、モーフィン」とか何とかUSA製のパワーレンジャーみたいなことをクチばしっていつの間にか変身している。新作ごとに、今度の戦隊はどんな名乗りをかましてくれるのかな?が楽しみのひとつでしたから、この点については月河、きっぱり「がっかり」と言えます。

どうも『ゴーバス』は“戦隊らしからぬ”という部分に命をかけて一年間行く姿勢のようです。これは吉と出るか凶と出るか。シリーズ、連作ものというのは、基本的に“縛りが多い”ほうが精彩が出るものです。先週ten=第10シリーズが終了した『相棒』も、実際、土曜ワイド劇場時代のプレシーズンから連続枠に移行して、シーズンを重ねれば重ねるほど、踏まえなければならない設定が増えれば増えるほど面白くなって行ったではありませんか。月河としては、タイトルコール来た、OP来た、個別名乗り来た、決めポーズ来た、勢揃いでのチーム名乗り来た…というお約束手順を“踏襲しながら”、「どれだけ前作までの各戦隊と混じらない“この戦隊らしさ”が出せるか」こそが、企画・スタッフのお手並み拝見どころだと思っているので、お約束手順を、それもかなり肝心な箇所で撤廃した今回の試みは、非常に挑戦的に感じました。

まあ、前作『海賊戦隊ゴーカイジャー』で、“累積貯金のショーケース”をぶちまけてくれたので、翌作のここらで思いっきり“累積”から外れたことをやってみようという着想も、全否定はしません。新しいことをやってみて、ヒットしたらそこから新しい累積を始め、伝統に築き上げていけばいいのですからね。

あと、これは初の試みかどうかわかりませんが、各メンバーの“戦闘能力上の弱点”があらかじめ明らかになっているというのも意表をついていると言えば言える。「ここを突かれれば使いものにならなくなる」というところを各自“自供”済みなわけですから、一丁間違えれば戦闘シーンがさっぱりカッコよく強そうに見えなくなるおそれもあるわけです。弱点がまったくない戦士というのもしらけるけれど、戦ってる間じゅう「弱点出るんじゃないか、そろそろ出そうだ、ほら出た」「あ、今日は出なかった」みたいなテンションで、いきなり序盤から見守らなきゃならないのも結構きついよ。いやホント。

キャラ設定でこんだけリスクを負うということは、「弱点あったってカッコいいキャラにちゃんとして見せる」という自信のあらわれでもあるだろうし、さらには“弱点克服・修正をめぐるストーリー”に相当なタマが用意されているに違いない。むしろそういうふうに、ポジティヴに見るべきでしょう。

レッド=ヒロム(鈴木勝大さん)の“ニワトリでフリーズ”なんか、絶対、もんのすごいウラがありそうなワザトラ設定ではないですか。イヌでもネコでもハムスターでもなく、さりとてイノシシやアライグマでもなく、ニワトリ。新西暦21世紀の大都会。いそうでいなさそう、いなさそうで、いてもおかしくなさそう具合が微妙すぎる。

イエロー=ヨーコちゃん(小宮有紗さん)の“お菓子を食べないとバッテリ切れ”は、USドラマ『クローザー』のブレンダ・リー・ジョンソン本部長補佐みたいでさほど不自然じゃありませんが、お子さんたちのヒロインですからねぇ。虫歯や肥満に神経質なお母さんたちからクレームが来ないかしら。

で、今日(25日)放送の第5話で発現しちゃったブルー=リュウジ(馬場良馬さん)の“オーバーヒート暴走”ですが、暴走中のほうがべらぼうにピンポイントで好みな件(噴)(溶)。

CGで歌舞伎の隈取りみたいな顔になるのかと思ったら、ヴィジュアルはリュウさんのまんま、内面だけドSになって仮面ライダー王蛇みたいになるのね。タイヤロイドに「地獄へ落ちろ」、暴走を止めようとした味方のヨーコちゃんに「うっせえ、邪魔だ」「気安く呼ぶな」「まとわりつかれるのは、好きじゃない」。眉間のシワがなんとも。チダ・ニック曰く「テレビの悪役みたい」。いや普通にテレビだし。

アイシングして戦列復帰した後「またカッコ悪いとこ見せるかもしんないけど」なんてヨーコちゃんにあやまっていましたが、いやいや全然カッコいいですから。なんなら暴走したまんまずっといってほしいくらい。リュウさんの熱暴走を楽しみに視聴し続けるという外道な姿勢でもきっとだいじょうぶグッジョブ、か??

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イヤーオブ閉塞感

2012-03-23 00:50:40 | 特撮・ヒーロー

日曜朝、略してニチアサ(“ヨウ”しか略してないが)のスーパーヒーロータイム、特に年明けに新作のグラフや紙媒体が出て、年度替り近辺に本放送が始まる“スーパー戦隊”は、月河にとってTV番組オブ・ジ・イヤー”と言ってもいい、その年がどんな年だったかの記憶を左右するくらい大きな娯楽の柱なのですが、早くも“イヤー・オブ脱落”になりそうです『特命戦隊ゴーバスターズ』

 個人的に、チーム名に濁音“゛”の付く戦隊はここずっとヒットだったのですが。凡退もあったけど。『ゲキレンジャー』なんかは放送終了後、ゴーオンジャーvsから“入り直し”して強烈に巻き返しました。

だってね、暗いんだもの『ゴーバス』。絵が。空気も。『カーネーション』BS視聴習慣がついたおかげで、日曜も「どうせ録画回してあるし」と安心しつつなんとなく730台にTVをつけてしまうのですが、ポンとスイッチ入れて目に飛び込んでくる絵がたいてい夜か、夕暮れか、司令室か、照明の消えたどこかしらの室内で、朝なのになんだか“実写版深夜アニメ”みたいなんですよ。出会いがしらの映像って結構、バカにできないレベルで番組全体の印象を決定付けます。アタマがかつかつに煮詰まったとき、とにかく何でもいいから音楽を!ビートを!旋律を!とFMをオンにした瞬間、曲じゃなくてDJやゲストのもしゃもしゃ喋りが飛び込んでくると「この局倒産しろ」と思ってしまう。

 測定したわけではないけれど、1放送回のオンエア映像中における“夜率”の高さというか、“照度の低さ”で大幅に損をしているのではないでしょうか。特に司令室、世をしのぶ地下組織じゃないんだからあんなに暗くする必要はないと思う。省電力、ならぬ省エネ(トロン)実践中ということなのか。

 『ゴーオンジャー』の炎神にあたる、各メンバーの相棒ロボ=バディロイドがCGでなく立体なところなど、かなり贅沢感はありますが、コイツが出てしゃべる、動くのが見たくて楽しみでしょうがない!というキャラがいまのところ見つからないのもつらいところです。敵のエンジニア?現場担当?のエンター(陣内将さん)がいちばんそうなりそうなのですが、ヒーロー側を目立たせるためか、序盤はあまり見せ場をもらえませんでした。紅一点のイエローバスター・ヨーコ(小宮有紗さん)もヴィジュアルはとてもかわいいのに、もっぱらツンデレのツン期まっしぐら、というよりイヤ期一直線で、教科書的な“職場にいたらイヤな女性同僚”キャラになっている。メンバー中最年少設定なので、あえて“わかりやすい妹キャラ”にしたくないという思惑もあるのでしょう。どこかで色合いが変化していくのだろうなと読めてしまうのもまたちょっとね。

 “特命”戦隊と銘打たれると、つい『相棒』の特命係を連想し(東映族で親戚みたいなモンだし)、“規定の職制と服務規律に基づきルーティンで職務遂行する”通常スタッフと対比される“遊軍”的存在、つまりは“レールに乗らない、乗れない変人・はみだし者たちの、自由でゆるーい集まり”をイメージして軽くワクワクしていたのですが、13年前のワクチンプログラム移植とかなんとかでむしろ“宿命”戦隊とでも呼んだほうが当たっていそう。うーん、どうも、いちいちこちらの琴線を逆撫で、逆撫でと行くほうに作られてる感じなのだなあ。

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鯖?

2012-02-26 16:12:31 | 特撮・ヒーロー

『海賊戦隊ゴーカイジャー』最終話の興奮もさめやらぬうちに本日(26日)スタートした『特命戦隊ゴーバスターズ』、いやー毎年思うんですけど、スーパー戦隊はこの、「1月は逸す、2月は逃げる、3月は去る」という語呂合わせくらい何だかんだあわただしい時期に、ずわーーっと盛り上がってズバッと終わって、翌週さくっと新シリーズが始まるという若々しい手際のよさ、足取りの乱れなさが気持ち良いんですよねえ。つまらん改編期スペシャルや、録りためた通常回録画か、来たるべき特典映像付きDVDをくまなく見りゃすむような、ヘタクソ編集の総集編など1週も挟まない。ゴーカイジャー諸君諸姉が先週宇宙に派手に行っちゃったら、今週はもうレディゴー!なのです。

これから夜、編集した録画を舐めるように鑑賞する至福の時間帯を待つわけですが、朝の仕事の片手間にさらっと流していると、まずは紅一点=イエローバスターの宇佐見ヨーコちゃん(小宮有紗さん)がほとんど反則的にかわいいじゃありませんか。何だあの、この世のものとは思われない顔の小ささと、嘲笑うかのごとくその好対照をなすピン張り太ももの豊かさは。

2008『炎神戦隊ゴーオンジャー』で楼山早輝=ゴーオンイエローの逢沢りなさんも、初見でいきなり「こんなにベタに全方位かわいい女の子を子供のヒーロー番組にって、贅沢だろ日本国、バチ当たんぞ、天災くんぞそのうち」と憤ったり不安になったりしたものですが(←大袈裟だし)(しかもちょっと的中したし)、今作も本当にヒロインが大当たりの予感です。

設定16歳(演じる小宮さんも今月16歳になりたて)。お子さんたちにとっての、“強くて頼りになって、一緒に遊んでくれそうなお姉ちゃん”であり、ちょっと大きめのお友達にとっての“応援して、守ってあげて、ちょっとカツ入れてもほしい勝ち気な妹”であり、そんな子らのお父さん族にとっては“めっきりオンナノコらしくなってきて目が細まるが、男友達とか連れてきたらどうしよう…な愛娘”であるとともに、最近の“1チャイルドに5ポケット”(=子供ひとりに、共働きの両親と、両親のそのまた両親=祖父母、総計5人の財布がつぎ込まれる)時代を考えると“お菓子とかねだられたら果てしなく買ってあげちゃう理想の孫娘”と思って見ている早起きシニア世代も、全国のお茶の間に多そうです。

最年長の兄貴格=ブルーバスター岩崎リュウジくん(馬場良馬さん。←この名前で、競馬番組のレポーターのひとつもやってないのはもったいない)の、“ハードな営業の合間に遊歩道ベンチでドリンク飲んでそうな、世慣れこなれた社会人”ぽいさりげない世俗性もいいし、もちろん新召集のレッドバスター桜田ヒロムくん(鈴木勝大さん)のやんちゃ弟キャラも、ハズレなくお子さんたちの仲間意識を呼びそうで好感度大。ヒロムくんの美人のお姉さんリカさん(吉木りささん)は、最終話までに病気が治って、ブルーとレッドが義兄弟になったり…は、ないか。

敵役悪役好きの月河としては、敵集団ヴァグラスの地球潜入高等工作員?プログラマー?らしきエンター(陣内将さん)が最大注目ですね。慇懃無礼、上から目線、ヌメッとした感じは、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』のロンを思い出させるところもありますが、金属的に無機質なようでもあり、両性的で、植物っぽくもあり、生身アクションの機動性も今後ますます期待できそう。

演じる陣内さんは『ゲキレンジャー』のゲキレッド鈴木裕樹さんや同じく理央さま荒木宏文さん、『ゴーオンジャー』のゴーオングリーン碓井将大さんらと同じDBOYSで、ヒーローを輩出する下地はあるんですね。それも悪側で、理央さまのような、“原点はヒーロー側と一緒だったが何処からか道を誤って行った”改心協働の余地のある悪じゃなく、かなり“人工的に鍛え上げられ精錬された”、高純度な悪な感じ。末頼もしや。

長いシリーズで悪役を鑑賞する楽しみに、“行く末、プロセス、末路を想像する”楽しみがあります。正義のヒーローものドラマなんだから最終的にヒーローが勝つことは自明ですが、どんな風に倒され、滅ぼされるのか、あるいはどんな風に“悪であることをやめる”のか。向こう一年間、毎日曜朝ボンジュール、シルヴプレ。

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