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サイケな世界 ~スターが語る幻覚体験~ 【感想】

2020-05-16 19:57:03 | 映画


ネトフリらしいコンテンツ。日本の地上波、いや、日本の製作会社では扱うことができない「薬物」モノをポジティブに捉えたドキュメンタリー。
本作で扱うのは「LSD」。一言でいうと、「幻覚剤」であり、タイトルのとおり、体内に接種することで「サイケな世界」を体験することができる。日本では違法薬物にあたるが、アメリカでは州によって合法化されているところもあるらしく、本作では、俳優、コメディアン、ミュージシャンら、LSDを経験したことがある著名人(とはいえ「スター」は一部)から、初体験のきっかけ、体験の具体的な現象、LSDについての考え方、等々、インタビューと、再現アニメ、ドラマ(?)を交えて、その実像に迫っていく。
全体を通して、LSDを肯定する内容なので、そのリスクについてはあまり触れられていない点が気になる。でも、経験したことがない、そして、今後も経験することはないであろう自分のような人間には、未知の世界を垣間見る面白いコンテンツだった。
幻覚体験とは何か?視覚を中心に目の前に広がる世界が虚実に変わる現象であり、多くの人が言うのは「世界と自分がつながる」とのこと。草木、石、生き物といったあらゆる自然、あるいは、食べ物、食器、家具といった「モノ」に命が宿り、動き、ときには自分とコミュニケーションがとれることもあるらしい。「スピリチュアル」な体験ともいえ、これまでの自分を違う次元から見つめることもでき、うつ病やPTSDといった精神疾患にも効果があるという考え方もある。新しい世界を知る行為でもあり、ミュージシャンのスティング曰く、「目的をもって使えば、有効なもの」。愛らしいアニメを用いながら、幻覚世界をわかりやすく解説してくれる。他に、空を飛ぶ浮遊感、体の部位が解けて何かと一体化するなど、アメリカの映画を通して見知った世界が描かれる。そのすべてが楽しい「グッドトリップ」ではなく、不安や絶望感に襲われる「バッドトリップ」なるものがあるらしい。歩き方で見分けることができるようで、前のめりになって歩く人は「グッドトリップ」に入っていて、後ろぞりで足から先に歩く人は「バッドトリップ」に入っている人。。。なるほどである。
大真面目にLSDを捉える反面、想像力が足りないと「一回、やってみなよ」というメッセージにも捉えられなくもない。日本にいながらにして、あらゆる多様性に触れさせてくれるネトフリに改めて感謝。
【65点】
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