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オザークへようこそ シーズン3 【感想】

2020-05-13 07:59:46 | 海外ドラマ


シーズン2に続き、そのままシーズン3に突入。

なるほど、前半から一気に面白くなった。
が、後半で台無し。

本シーズンでは、主人公らの「ボス」であるナバロカルテルと、敵対するカルテルとの抗争が激化。メキシコ内での抗争だが、アメリカで資金洗浄をしているバード家にも大きな影響を及ぼす。シーズン2で資金洗浄のためのカジノ設立を成功させたが、ナバロカルテルへのさらなる「忠誠心」が試される。

ようやく「守り」から「攻め」にギアチェンジ。



新たなFBI捜査官のもと、運営カジノの監査と称して大掛かりな捜査のメスが入る。指揮をとるのは身重の女性捜査官「マヤ」。映画「ファーゴ」同様にかなりのキレ者で、カジノに常駐する形でマーティらの動きを常に監視している。確実な証拠がないため、逮捕できないものの、彼女はマーティらがカルテルの資金洗浄に関わっていることを確信している。そうしたFBIの動きは、マーティたちに仕事を依頼しているカルテルらにとっても大きな障害になる。



安全、安心をモットーに引き続き「守り」に入るマーティに対して、カジノ設立を通じて自身の能力を再確認し、かつての自信を取り戻したウェンディは「攻め」に打って出る。双方、理解し得ないままに、ウェンディは無断でナバロと直接接触し、新たな提案を持ち掛け、承認される。

夫婦間には深い亀裂が入り、互いへの信頼感は失われる。これまでのシーズンであれば、家族内でのトラブルとして片付けられたが、本シーズンからは、カルテルの動きがもれなく後ろにくっついてくる。ウェンディの動きを家族の脅威とみなした(あるいは自分が支配できないことの感情から)、マーティがとった行動により、カルテルの不信感を買うことになる。抗争が激化し、少しのほつれも致命傷になることを恐れたナバロは、マーティに試練を与える。



このドラマでも、カルテルは絶対的な恐怖として位置付けられ、キャラクターたちの命を支配する存在として君臨する。カルテルには全てお見通しで、欺くことは命とりになる。マーティの危機に乗じて、抜け目ないマヤは、司法取引をウェンディに持ち掛ける。「カルテル」と「FBI」を天秤にかけながら、葛藤するウェンディの姿が、このシーズンで最もスリリングだった。

思わぬマヤからのアシストにより、自身の能力をナバロに証明し危機を脱したマーティは、「攻撃こそが最大の防御」と”覚醒”に至る。展開の主導権を握っていく様子に「待ってたのはコレだ!」と奮い立つも、後半から雲ゆきが怪しくなり、ついには土砂降りになって手がつけれらない有様になった。一言でいうと、みんな馬鹿になってしまったのか。

ウェンディの弟「ベン」を巡る展開だ。
愚かしいキャラクターを愚かしく描くこと。命がかかった、この手のスリラーもので、このアプローチは不適当。しかも本作の場合、「病気だから」という理由一つで、ロジックを無視するから、理解ができないし、それでエモーションを醸成しようとするから呆れる。急に謎の行動を連発するベンもそうだし、そのベンをギリギリまで甘やかす周りの人間たちもそうだし。もっというと、その発端となった弁護士「ヘレン」もそうだ。娘に自分の正体をバラされてしまったことに対して、個人的な感情(恨み)を、カルテルの脅威にすり替えているような描き方だ。見ていて本当にイタかった。

全体を通して、何かが起きてから収束するまでの流れ、早い段階から、結末が予想できてしまうのは、これまで通り。その完成度は別として、ウェンディ、ヘレン、ダーリーンら、女性キャラたちが物語をかき回す構成は新鮮だった。ダーリーンの熟練の”技”によって、ルース弟が骨抜きになるとか、グロテスクで好印象。マーティ、ウェンディとナバロとの駆け引きも見ごたえがあった。

衝撃的な結末を迎えた本シーズン(これも想定内だったが)。「傑作」と喜べないことにモヤモヤしつつも、来年以降の次のシーズンも、結局、気になるから見てしまうのだろう。

【60点】

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