警察に追われる男の行き当たりばったりな一夜を描く。ロッテンで評価が高かったので急遽見ることにしたが、かなり面白かった。何で「グッド・タイム(良い時間)」なんだろw。
ちょっと男前だが粗雑な兄と知能障害をもつ弟の2人兄弟。銀行強盗に入った兄弟はいとも簡単に現金を奪うことに成功するが、世の中そんなに甘くなく、あっという間に足がついて公開捜査のもと警察から追われることになる。まるで警察24時のドキュメンタリーを犯人の目線で見ている感覚に近く臨場感あり。主人公の兄は、すぐに捕まってしまった弟を救出するべく、町中を奔走することになる。無計画な主人公には、何度も予期せぬ事態が降りかかる。自らが招いた事態を切り抜け、状況に懲りずにそれでも攻め続ける男の様子が、展開を予想する観客を置き去りするように疾走感して描かれる。善良な市民にも迷惑をかけ、その場しのぎの行動を続ける主人公に感情移入ができないものの、不思議なほど引き付けられる。それは危機に直面した人間が発する火事場のクソ力にも似た強烈なエネルギーによるもの。渦中の人間にしか見えないゾーンがあって迷走に迷走を重ねてしまう。本人は常に最善の道を探そうとするも、外部から冷静にみる第三者(この映画でいえが観客)からすれば、「もっと考えろよ」と普通に愚かしく見えたりする。その構図がなんともオツだ。監督のサフディ兄弟の前作をまだ見ていないが、かなり自分のツボに入りそうだ。
主人公演じたロバート・パティンソンが素晴らしい。まだ若いが、間違いなく彼のキャリアベストといえ、演技派として本作で見事に開眼した模様。主人公のお財布役でもある年増のガールフレンド演じたジェニファー・ジェイソン・リーも「こういう人いるな。。」と思わせるイイ仕事ぶりだった。エンドロールの教室の風景は余分だったかな。
【70点】
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