から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

2022年海外ドラマ トップ10

2023-01-09 00:57:25 | 海外ドラマ
映画に続いて、2022年の海外ドラマの振り返り。
なかなかの豊作で順位付けが難航。6位以降は同率。

1位 ベター・コール・ソウル 最終シーズン


本家「ブレイキング・バッド(BB)」のスピンオフから始まったドラマは、その完結をもって伝説のドラマへと昇華。BBが終わった2013年以来、最高のテレビドラマであり、昨年の映画を含めたオールコンテンツのなかで断トツの1位。
取り戻すことのできない過去の記憶。過去はカラーで、今はモノクロ。”ショーマン”として生きた男の回想録は、ユーモア、スリル、ロマンスを孕んで、「正しいこと」を巡る人間の業を映し出していく。視聴者のイマジネーションを常に刺激し、挑戦することをやめない演出は回を追うごとに神がかる。毎エピソードが傑作。とりわけ10話の「ニッピ―」と最終話の「すべてさよなら」はその演出力がよくわかる逸品。本ドラマで新たに加わる、キム、ナチョ、ラロのキャラクター造形がとにかく秀逸。その生き様は何度も心を鷲掴む。演技、演出、脚本、撮影、編集、音楽と、いずれも最高レベル。海外ドラマも映画と並ぶ総合芸術であること改めて知らしめた。

2位 ウ・ヨンウ弁護士は天才肌


2022年の夏はこのドラマに恋をした。「自閉症」を障害ではなく個性と捉える。不器用にも懸命に正義に挑む主人公の成長ドラマに魅了される。また、彼女の目から通して見える世界から、より良き社会の在り方が浮上する。一見、ミニマムなテーマの企画に巨額な製作費を投じるに至った英断。韓国エンタメの強さが垣間見えた。(独り言、この欧米ドラマの並びで本作も見ている人ってレアだろうな。。。)

3位 ハウス・オブ・ザ・ドラゴン シーズン1


HBOの本気、再び。王家の後継者選びという、GOTに比べると一気にスケールダウンした立ち上がりから、世界を揺るがし、戦争へと導く大いなる事変としてスケールアップ。見出すと止まらなくなる中毒性。中世の風俗描写が生々しく、ときに容赦なく残酷。序盤からドラゴンは大暴れし、展開のスリルとカタルシスに寄与。ジェンダー論という現代に繋がるテーマも違和感なく調和し、それがまた本作を見るモチベーションに繋がっていく。凄いドラマが始まった。

4位 キャシアン・アンドー シーズン1


ディズニープラスの本気。フォースなきSWドラマは、正義の在りかが見つからない異色作。私的にはこれまでのディズニープラスの配信作のなかで一番面白かった。ギルロイ兄弟、やってくれるな~。信念なく巻き込まれ型の主人公を通して見える「反乱」のメカニズム。それぞれの正義を遂行しようとするキャラクターたち。それらが織りなすサスペンスは群像劇としても濃密。スケールと緻密さを併せ持つ脚本、こだわりまくった映像、美術、衣装も圧巻。

5位 Succession(メディア王~) シーズン3


新たなステージに上がったものの、結局、家族内の権力争いを繰り返している。なのに、最高に面白い。序盤からフルスロットル。「紫禁城の最後の宦官なんて面白くもない」どうしたらそんなセリフを思いつくの?、の雨あられ。軽薄さと緊張感の波状攻撃。キャラクター同士の駆け引きとキレッキレッの会話の応酬はまさに黄金の脚本。

6位 The Bear(「一流シェフの~」) シーズン1


邦題で損している2022年初登場ドラマ。そして昨年ドラマの中で、シンプルに一番、次シーズンが見たいと思ったドラマ。天才シェフのひとり奮闘記で終わるでなく、彼の短所も織り込み、キャラクター同士の化学反応で見せているのが勝因の1つ。変化を受け入れ前進すること。成長を促した「シドニー」が魅力的で応援必至。ワンカットで見せた第7話は、昨年の全ドラマエピソードの中でも白眉な仕上がり。「イエス、シェフ!」。

7位 ストレンジャー・シングス シーズン4


Netflixの黄金期を担ったドラマがまた1つ幕を閉じた。物理的ロケーションを分ける新たなチャレンジ。その難易度に敢闘賞。大きく成長した子供たちに容赦なく待ち受けるハードな展開は見ごたえあり。シーズン1からの伏線も見事に回収。しっかりホラーで絞めてくれた。

8位 ピースメーカー シーズン1


結局、ジェームズ・ガンはドラマを撮っても”最高”ということ。「スーサイド・スクワッド」のテンションをそのまま引継ぎ、「平和のためなら子供も殺す」という、新しいヒーロー(?)像を描く。そのイタさと可笑しさは映画「スーパー」に近いものあり。ぶっ飛びのクライマックス。楽しくてニヤニヤが止まらない。

9位 ナルコの神


韓国エンタメが描く麻薬戦争。史実をどこまで再現するかより、いかに面白く脚色するか。「バレたらお終い」の命をかけたダマし合い、カマし合いが最高にスリリング。男汁120%の役者陣が、もれなく輝く演出が施され、応える彼らの熱量が本作のボルテージを上げていく。

10位 セヴェランス シーズン1


公私の絶対的断絶。その発想の大勝利と、サスペンススリラーとしてテンションを維持させる脚本力。気持ち悪いオープニングは本作のメタファーとして秀逸、昨年のベストオープニング賞。一方で、個人的にはこの1シーズンで決着してほしかったけど。

次点 ミセス・アメリカ


厳密には2021年の作品だが、印象に残ったため言及。1970年代に起きた「男女平等憲法修正条項」を巡る論争は、2つの正義が対立する。男女不平等も、ある種の女性の解放であるという保守的思想が目からウロコ。その先鋒に立つ主人公の自己矛盾や、保守派メンバーの変容にも触れ、正義は1つだったという現代に繋がる。非常に見ごたえがあり、未来(今)のために戦ってくれた先人たちに敬意を表する歴史劇。ケイト・ブランシェットをはじめ、豪華女優陣の名演も大きな見どころだった。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2022年邦画 トップ5 | トップ | BLUE GIANT 【感想!!!!!... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

海外ドラマ」カテゴリの最新記事