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プリーチャー 【感想】

2016-11-15 09:00:00 | 海外ドラマ


Amazonプライムにて。

「ミスターロボット(MR.ROBOT)」のシーズン2を見るために1か月のトライアル会員となったが、シーズン2が想定以上につまらなかった。主人公ともう1つの人格との葛藤をシーズン2まで引きづらなくてもよいのでは?? 眠気を堪えて見ていたが、4話目の途中でギブアップ。。。。

代わりに面白い海外ドラマはないかと調べたら、AMCが製作したドラマ「プリーチャー」を見つける。AMCは「ブレイキングバッド」を生み出したケーブルテレビ局だ。レンタルビデオでもレンタルされたばかりの海外ドラマだったので、ちょうど良いということで見ることにした。7話目の途中でプライム会員が切れてしまったが、面白さのあまりDVDレンタルで視聴を続けた。

全10話。第8話まで右肩上がりに面白くなっていったが、最後で失速。惜しい!

神の力を授かった神父が、迷える田舎町の人々を救済していくという話。
パッケージを観ると下手なB級キワモノ作品のようだが、中身は想定外に面白い。

作品の系統は「ブレイキングバット」×「コンスタンティン」。
ブラックユーモアを散りばめ、上り調子な主人公が様々な災いを起こして堕ちていく様子は「ブレイキングバッド」のようであり、天使と悪魔が登場し、超自然的な現象を肯定する世界観は「コンスタンティン」に近い。

主人公の神父は父から受け継いだ教会を守るため、数十年ぶりに神父として故郷に戻ってくる。主人公の過去は強盗事件など犯罪を繰り返していた相当なワルだったようだ。そして、喧嘩がハンパなく強い。聖職者としてその過去を封印し、神のしもべ、人々の救済者として教会運営に努めようとするが、周りの状況が穏やかにコトを進めない。子どもに手を上げる最低な暴力男に絡まれると、ついつい昔のクセが出てしまい、屈強な男たちを相手にその体格差をモノともせずにコテンパンに返り討ちにする。そのファイトシーンがキレキレで痛快。自身の暴力性が覚醒し、「もう降参!」という相手に対して「いやいや仕上げだ」と腕を一本へし折る。強烈なお灸(笑)。破天荒な神父による「世直し物語」と察し、「ありがちな話」と興味が少し失せる。しかし、それは本作の序の口だった。

神父の大暴れと同時進行で描かれるのが、世界各地で起きる聖職者の自然爆破という奇妙な事故。そして吸血鬼男の上空飛行機からの脱出劇だ。主人公のファイトシーン以上にバイオレンスかつグロ描写が炸裂する。上空から飛び降りた吸血鬼は地上に墜落して体がバラバラになりながらも、持ち前の回復力で生還。その墜落現場が神父が住む田舎町で、ひょんなことから神父と仲良しになる。自身を「吸血鬼」と告白するが、ジョークとして神父は信じない。人間と魔物というコンビは海ドラ「グリム」に似ているが(あっちはオオカミ男)、物語にもたらず役割としては本作のキャラの方が大きくシックリくる。

聖職者の自然爆破は何か透明な物体が彼らの体内に侵入することで起きていた。その透明な物体が主人公の神父の元にもやってきて、体内に侵入する。これまでの流れであれば、神父の体内に入って爆破であるが、その事態は起こらず、その代わりに神父に不思議な力が備わるようになる。それは自身が発した言葉によって人々を意のままに操られるという魔力だ。その力に気付いた神父は悪用することなく、人々の救済のために魔力を使うようになる。彼の力によって多くの人々が教会に集うようになる。主人公が夢みた理想形だ。

ここからが面白い。その魔力の正体を取り戻すために、天から降りてきた「管理人」の2人組のオッサンが主人公に迫る。そこに「天使」のヒットマンが加わり、3つ巴の争いに発展する。主人公は「人のため」と自身の魔力を利用するが、それが次第に悲劇を生み出すようになる。魔力の正体は「神」ではないということ、そして主人公の体内に「居座る」ことを決めた理由が明らかになっていく(ここの解釈は分かれそうだけど)。人間がコントロールする力ではなく、人間がコントロールされる器であったということだ。そして魔力が暴走を始める。

コミカルで魅力的なキャラと、奇想天外でスリリングな展開。そして毒っ気たっぷりの描写の数々。このあたりが本作の魅力だろうか。観る人にとっては生理的に嫌悪するであろう描写もお構いなし。とりわけ強烈なのは、本作の主要キャラである、散弾銃で自殺を試みたものの、生き延びてしまった青年の顔面である。顔に散弾銃を受けたあとの手術痕ということだが、顔がア○ルなのだ。最初見た時はその気持ち悪さにゾッとしてしまった。彼自身はピュアな性格であり、その顔面ゆえに高校の同級生からいじめを受けているという設定により次第に見慣れていくが、それでもよくここまでビジュアル化したなーと感じる。DCコミックが原作ということで元キャラを調べてみたら本作以上に気持ち悪い(笑)。他にも、ファイトシーンでの殺傷の多くはスプラッターであり、観る人を選びそうである。完全に男子向け。

残念なのは最終話の粗さ。あまりにも説明がなさ過ぎてよくわからない。本作の舞台となる田舎町で、西部開拓時代に起こった事件が最終話の伏線となって繋がっていく。それが「なんとなくわかる」感じがどうにも気持ち悪い。クライマックスの神様の登場や、田舎町の大爆発もそうである。いったい何が起きていたのか解説を聞いてみたい。

ラストシーンを見る感じだと、シーズン2があるようだ。次のシーズンでその謎が解き明かされるのかもしれない。続編がリリースされたら見ちゃうな。あと、田舎町のボス演じたジャキー・アール・ヘイリー、すっかり老けたな。あの不気味さが作品の色の合っていてグッド。

【70点】

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