年が明けて3週間が過ぎた。
いよいよ第一次洋画公開ゴールドラッシュが始まる。
自身の2014年劇場鑑賞一発目となった「エンダーのゲーム」の感想を残す。
子ども向けの映画だが、後味は思いのほかビター。
ド迫力の映像に劇場観賞の醍醐味を味わう。
本作はエイリアンから地球を守るために訓練された少年戦士の話。
あとでわかったことだが、本作はディズニー配給映画だった。
なので、かなりソフトな作りになっている。
戦術の天才である主人公の少年がメキメキと頭角を表す過程が、何とも陳腐だ。
「やっぱ彼は天才だ!」「こんな戦術みたことがないわ!」などと、
周り大人が囃し立てて、無理くり主人公を特別な存在に見せようとする。
巧い演出家だったら、このあたりでグイグイ引き込む映像に仕上げただろう。
主人公はそれに浮かれるほど馬鹿ではないのだが、
周りの持ち上げっぷりが甚だしく、その繰り返し。見ていて苦笑いの連続。
主人公演じるエイサ・バターフィールドの顔立ちが幼く、
マッチ棒体型で、周りの女子たちよりも明らかに線が細い。
とてもクセのない優等生な顔立ちも手伝って、
「凶暴性と優しさを併せ持つ」というキャラに説得力が出ない。
演技は巧いのだが、個性のミスマッチを感じてしまう。
戦士として戦う使命を負った少年の、苦悩と葛藤が本作のミソのようだ。
地球に侵略するエイリアンを悪と決め付け、殲滅させることこそが、
人類が生きる唯一の道であるとする大人たちに対して、
理解、共存の可能性を捨てきれない主人公という図式だ。
少年の苦悩から派生した伏線が、物語の結末に結実する。
「ゲーム」という画面上だけの戦術シミュレーションが、予想だにしない展開に転がる。
それまで、呑気な展開だったのが、一気に引き締まる。面白い。グッとくる。
原作が人気のSF小説であることの一端を感じた結末だった。
ラストを除いて、描かれるドラマに興味を持てなかったが、
VFXのクオリティが予想を大きく上回るもので、非常に見ごたえがあった。
無数の戦艦が群れをなし、エイリアン艦隊と相対する。
主人公の指揮のもと、様々な形状に隊列に組み直しながらガチンコの発砲合戦を繰り広げる。
「これぞ、劇場観賞の醍醐味」という映像が続く。
2Dで観たのだが、3Dでも楽しめる映像であることは間違いなさそうだ。
楽しみにしていたキャスト陣がいまいちだった。
「トゥルー・グリット」のヘイリー・スタインフェルドは太って、
ジャイ子みたいになってる。「あれ?こんなだったけ!?」
「リトル・ミス・サンシャイン」のアビゲイル・ブレスリンは逆に美化。
肌のツルツル具合が尋常じゃない。若さよ。。。
子ども向け映画だから仕方なし、ではなく、
大人も楽しめる映画であればよかった。
【65点】
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