から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

窮鼠はチーズの夢を見る【感想】

2020-10-23 01:12:00 | 映画


所詮、BL好き女子を狙った映画と斜に構えていたが、見事に正面から打ち砕かれた。

異性愛と同性愛。2つの世界の境界で揺れ動く「流され侍」。描かれるのは愛の不条理だ。これは効いたわ。。。。
超えてはならない一線と、理性ではわかっているし、体もそれに応えない。だけど、心は動かされていく。色男ゆえに、周りからの好意を無条件に受け入れる主人公と、その男を学生時代から想い続け、求愛し、ストレートに肉体ごと欲する男。演じる、大倉忠義と成田凌、美男子同士のキャスティングには明確な意味があったことを思い知る。行定監督の適格な演出、そして、オイルをしっかり垂らした濡れ場に、本物を描こうとする覚悟を感じた。それは日本映画屈指のラブシーンといえ、スクリーンから放たれた熱気がいつまでも残像する。
「全てが例外になってしまう」ことは恋することの本能。頭と体と心の三位が一致しないことの苦悶。本作の特異なケースを通して、いつの世も変わらない恋愛の正体が鮮やかに出現した。
【75点】

PS.仕事が繁忙期に入り、感想アップが著しく滞る。。。
コメント
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