そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

美しいサッカー

2006-07-07 23:19:21 | Sports
ワールドカップもいよいよ3決と決勝戦の2試合を残すのみである。

ミサイル騒ぎで撹乱されてしまったが、準決勝のイタリアvsドイツは、これまで自分が観たサッカーの試合の中でも五指に入るほどの名勝負だった。
延長終了間際での決勝、ダメ押しゴールという試合展開のドラマ性ももちろんだが、そこに至るまでの攻防も互いの持ち味をぶつけ合い、凡ミスもラフプレーも皆無と言ってよい、「美しいサッカー」を見せてくれた。

この大会のドイツの攻撃は非常に迫力があった。
体力にモノを言わせたパワープレーというのともまた違う。
スウェーデン戦のクローゼ→ポドルスキの2発、アルゼンチン戦のボロウスキ→クローゼのヘッドつなぎに代表されるように、一瞬のスキを力強く且つ俊敏にこじ開ける、「ナタの切れ味」と表現できる破壊力。

そのドイツの破壊力あふれる侵入を次々と防いでいくイタリアのディフェンス。
「カテナチオ」の語感からくる硬質さは感じられず、アルゼンチンやポルトガルのディフェンスのような狡猾さともまた違う。
クレバーで、それでいて強靭な、「しなやかさ」を感じさせる。
それにしてもカンナバロは本当に凄いディフェンダーだ。

そして、何より「美しい」という印象を残してくれた最大の要因は、イタリアの2ゴール。
グロッソの1点目にしても、デルピエロの2点目にしても、まさに「糸を引くような」軌道の美しいシュートだった。
その2つのゴールを演出した、ピルロとジラルディーノのラストパスも。

準決勝のもう1試合については、ポルトガルもいいチームだったが、やはり戦前予想した通りストライカーの弱さが出てしまった感がある。
キックオフ直後の、C・ロナウドの中央へ切れ込むドリブル→デコのミドルシュートの場面には「おっ」と期待させられたが、それ以降攻撃陣がフランスの守備陣にまったく歯が立たなかった。
結果的に、PKの1点が明暗分けた形だが、例えあのPKが無かったとしてもフランスがいつかは点を入れて勝っていた試合だったように思う。

さて、決勝。
イタリアの「美しいサッカー」にすっかり魅了されてしまったので応援したいところだが、今大会は相性がそのまま結果に出ている傾向が強いので、ジダンが有終の美を飾る結果に終わるかもしれない(もしかしたらPK戦で決着とか・・・)。
とにかく好試合を期待したい。
コメント
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