イスラーム勉強会ブログ

主に勉強会で扱った内容をアップしています。

整列(37)章 解説 (2)

2019年05月10日 | ジュズ 23 解説

2019.5.10(ラマダーン)
整列(37)章

ムカーティル(※)は言った:マッカの不信仰者たちは言った:彼(ムハンマドﷺ)は神々を一つにしたのか?こんなにもの多くの被造物が一つの神で足りるのか?そこでアッラーは誓い給うたのである。(タフスィール・アル=クルトゥビー(※))続いて至高なる御方は彼の唯一性と神性を説明して仰せになった:
【諸天と地とその間のものの主にして、】
至高なる彼は諸天と地とその間に在る全ての創造主であること。二者の存在と二者が則っている法則こそ、アッラーの存在と彼の唯一性の最も明快な根拠である。
【諸々の昇る(日の)処の主であらせられる。】
彼は太陽の昇る処、また冬と夏の太陽が沈む処の主である。アッ=タバリー(※)は言った:「沈む処」ではなく「昇る処」が言及されたのは、その言葉の意味が充分に前者も指しているからである。続いて、諸天の星々による装飾で彼の御力について知らせ給うた。彼の唯一性の言及後に仰せになった:
【まことに、われらは最下天を星々の装飾によって飾った。】
おまえたちに近い天を、輝く宝石のような見た目の光り輝く星々で飾った。
【そして反抗的なあらゆる悪魔に対する守りとして。】
アッラーにお仕えすることから背いた横柄で反抗的な悪魔に対する守りとして。カターダ(※)は言った:星々は3つとして創られた:悪魔たちの石撃として、導きの光として、最下天の装飾として。
【彼らは最高の集い(長老格の天使たち)を耳にすることはなく、】
彼らは最高の世界にいる天使たちを耳にすることが出来ない。
【彼らは、四方八方から(流星によって)石撃たれる。】
彼らは、あらゆる方向から流星で石撃たれる。
【追放されて。】
天の情報を盗み聞きすることからの追放。

【そして、彼らには永続する懲罰がある。】
来世ではかれらに止まることない懲罰がある。
【ただし、(天上の知の一部を盗み聞きし)強奪して掠め取った者は別であるが、】
盗み聞きして、
【彼を輝き燃える炎(流星)が追跡した。)】
光り輝く流星が彼を追いかけて、その光線で焼き焦がした。
解説者たち曰く:悪魔は最高天で交わされる話を高速で盗み聞きすることがあるが、悪魔が下界に降りて行くのを流星が追いかけて完全に焦げ尽くす。

【それゆえ彼ら(マッカの多神教徒たち)の見解を質せ、】
ムハンマドよ、蘇りを否定する者たちに尋ねなさい。
【彼らは創造において一層困難(強固)か、それとも、われらが創ったもの(天使やその他の被造物)の方か。】
いずれがより作りにおいて強固でしっかりとしているのか、彼らなのか、それとも諸天と地、その間にある天使や偉大かつ驚嘆すべき被造物か。
【まことに、われらは彼ら(人間)を粘りのある泥土で創った。】
何の力も有さない、緩く、べとべとの泥土から。
この聖句の目的:人間の蘇りの立証。無からこれらの被造物を存在させた御方には朽ちた後に身体を元通りにすることが可能であること。
【いや、おまえは驚愕したが、彼らは嘲笑している。】
ムハンマドよ、おまえは彼らが壮麗なるアッラーの御力の印を見ていながら蘇りを否定することに驚愕したが、彼らはおまえとおまえがそのことについて説明していることを嘲笑する。
【そして、彼らは訓戒されても聞き入れず、】
彼らはクルアーンによって訓戒を受けて恐れさせられても、聞き入れず、熟考しない。

※ムカーティル:ムカーティル・イブヌ・スライマーン。ヒジュラ暦150年/西暦767年 バスラ没のクルアーン解説者。
※アル=クルトゥビー:アンダルシア、コルトバ生まれのイスラーム学者。ヒジュラ暦671年/西暦1272-1273年没
※アッ=タバリー:アッ=タバリー:ムハンマド・イブヌ・ジャリール・アッ=タバリー。イラン北部出身。著名なクルアーン解説者でその長とも呼ばれる。ヒジュラ暦310年/西暦923年没。バグダードに埋葬される。
※カターダ:カターダ・イブヌ・ダアーマ。タービイー(教友の後の世代)。盲目で、暗記力の強かった人物。

※サフワトゥ=ッタファースィール 第3巻(P27-28)ムハンマド・アリー・アッサーブーニー著 を参照しました。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 整列(37)章 解説 (1) | トップ | 続)ムスリムの子ども教育-9-... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ジュズ 23 解説」カテゴリの最新記事