イスラーム勉強会ブログ

主に勉強会で扱った内容をアップしています。

続)ムスリムの子ども教育-9- インターネットとSNS

2019年06月21日 | 預言者の教育方法

慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において

続)ムスリムの子ども教育-9-

 

ハビーブ・アリー・ジェフリー師(アッラーのご加護あれ)TV番組「私たちの人生14」(39:50~最後)

https://www.youtube.com/watch?v=oGtIefugW3A 

前回の復習:子どもを持つことの「目的」を明確にすること、このことによって、今後お話する多くの子育てに関する事柄が変わって来ます。すでにお子さんが大きくなっている方も、今からでも、子育ての正しいニーヤ(意思)、「アッラーのご満足を求めて、子どもを育てます。」というニーヤ(意思)をしておきましょう。

 

✨  ✨  ✨  ✨  ✨  ✨  ✨  ✨  ✨  ✨  ✨  ✨  ✨  ✨  ✨  ✨

 

質問: 子どもが大好きなアニメは、暴力や男女交際、イスラーム的に良くないことが魅力的に映し出されているけれど、だいじょうぶでしょうか?

 

回答:アニメの影響は、子どもにとって絶大です。アニメで見たことは、子ども達の心の中に深く入り込み、定着します。そして、アニメを見たがる年齢は、とても小さい時から始まります。その時期は、子どもの性格の基礎が形成され、この時期に見る物は、子どもの記憶に刻まれ、子どもの言動や性格に直接的な影響を与えます。幼児期の記憶は、無意識下の記憶として、経験則の基礎となり、その後の行動に影響を及ぼし続ける可能性が高い、という専門家の意見もあります。

 

そのため、子どもの見るアニメの中で、現代のように、暴力が使われるシーンが沢山出てきたリ、男の子と女の子がキスをしたリ、婚前の恋愛関係を奨励するような内容だったり、また他宗教の影響が大きいものだったりする場合(先生は、アラブ世界でも流行っている日本のアニメ「NARUTO ナルト」を例に挙げていました。日本神話に登場する神々の名前が多く使われ、主人公の言動にも神道の影響があるため。)、それらの影響が、子ども達の心の中に直接入り込み、子ども達がそういった間違ったものを魅力的に感じ、その価値観が心の中に浸透し、子ども達の性格や言動となって表れて来る、ということを、両親は、もっとよく考えなければなりません。

 

ムスリムの両親は、子どもが見るアニメの選択に関しても、アッラーの元で、「責任」を負っています。テレビやYouTubeなどで発信される子どもが好んでみるような番組やアニメの中には、道徳的に間違っているものや、信仰に悪影響を与える物、暴力的なシーンをたくさん含んでいる物など、子どもにとって悪い影響を与える物が多くあります。この大事な時期の子どもの記憶を守ることができるのは、親だけです。来世でアッラーに尋ねられた時に、困ることがないように、アッラーからの預かりものであるお子さんが、テレビで何を見ているのか、ネットでどんな動画を見ているのか、きちんと把握し、子ども達とよく話し合って、天国に入ることが簡単になるものを見るにはどうすればいいのかを、一緒に相談してみましょう。

 

 

質問:アメリカで行われたアンケートの統計では、36%の家族が、テレビを見ることが、唯一の家族がそろって行う団らんになっており、また、78%の家族が、テレビを見ている間、コマーシャルの時間の数分以外、一言も会話をしていない、と答えています。また、父親と子どもの間の会話は、一週間で平均 30分間である、という結果が出ています。これに関してはどうでしょうか?

 

回答:これはとても危険な傾向です。イスラームは、テレビ自体を否定するわけではありません。しかし、私たちは、「目的」を考えることを忘れてしまわないように、常に気を付けなければなりません。テレビをつける時にも、インターネットを開ける時にも、スマホを見る時にも、それがリラックスのためであったとしても、「何のためにそれをするのか」という目的を、正しく持つことを、再確認しましょう。このことは、とても大切です。それによって、さまざまな害から守られるからです。

また、テレビやインターネット、プレイステーションやゲームの普及によって、子どもとの会話の時間が減っていることは世界的な現象ですが、普段から子どもとの会話の時間を十分持つことは、子どもを良い方向に導くために、絶対に必要な前提条件です。それがなければ、子どもに善いアドバイスを与えることはできません。お子さんとこの問題について話し合って、食事中はテレビを必ず消すことはもちろん、食事以外の時も、テレビを消して会話をする時間を作ることを相談してみましょう。

 

 

質問:子どもがインターネットやSNSを使うことは、テレビを見るよりもよいことでしょうか?

 

回答:先生が、子どもに「あなたは、Facebookのアカウントを持っていますか?」と聞くと、「はい。でも、あまり使わないですよ!本当です!!」とあわてて言います。そこで、先生が、「なぜ、そんなにあわてるの?Facebookも、善いことに使えますよね?」と聞くと、子どもは、「そうだけど、、、友達の多くが、間違った使い方をしているから・・・」と答えます。間違った使い方とは、つまり、FacebookやラインなどのSNSが、イスラーム的に許されていない交友関係を持つ手段になっていたり、よくない欲求を満たす道具になっていたり、また、その中では、危険思想や危ない見解が氾濫していて、それに自分が影響を受けることを、子ども達はよく知っているためです。そのためにFacebookが、まるで悪いことの総称のようになっていて、それを善いことに使っている例を見ることも稀だからです。

 

しかし、インターネットやFacebookのようなSNSなどの技術の発展は、アッラーからのニアマ(恩恵)です。驚かれるかもしれませんが、Facebookも、アッラーからのニアマです。ただ、私たちがそのニアマをどう使うか、それだけが問題で、それこそが問われています。大人は、それらの技術の善い使い方を、子ども達に教えなければなりません。

 

しかし、普段から、子ども達との会話がなければ、そういったことを教えることは不可能です。普段から会話のない親が、子どもに、ただ、

「うちは、インターネット禁止だ!」

と言うだけで、子ども達が親の命令に従順に従うでしょうか?

無理でしょう。

もしかしたら、親の前では従っているふりをして、友達の家でずっと使っている、ということも起こりかねません。禁止にした意味を子どもが理解していなければ、何の意味もありません。

そういったことを伝えるためには、子どもをよく理解していること、また、子どもが自分は親に理解されている、と感じていること、という前提が必須です。それがなければ、善いことを子ども達に伝えることさえ不可能なことになってしまいます。

みなさんの家では、どうしょうか。SNSの使い方に関して、ルールを決めて守っているでしょうか。

 

 

質問:預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)が、私たちの家を訪問したら、子ども達のインターネットの使用について、何とおっしゃるでしょうか?

 

回答:預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)は、子ども達に、彼らの目線に立って、彼らの興味のあることについて、よくお尋ねになられていました。預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)が子ども達のところに来て、子ども達が自分のFacebookやラインなどを見せた時、そこに、預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)がお嫌いになられるようなものがないでしょうか。恥ずかしくて見せられないようなものがないでしょうか。今一度、お子さんたちと一緒に考えてみてください。

 

次回は、インシャーアッラー、「思春期における親子間の問題について」です。

 

関連記事:

続)ムスリムの子ども教育-8- テレビの前で何時間も・・・

続)ムスリムの子ども教育-7-預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)が訪問されたら 

続)ムスリムの子ども教育-6-預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)の子どもたちへの教育

続)ムスリムの子ども教育-5- 子どもにいつ礼拝を教えますか?

続)ムスリムの子ども教育-4-預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)の子どもたちへの教育

続)ムスリムの子ども教育-3-預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)の子どもたちへの愛情

続)ムスリムの子ども教育-2- アウラ(隠すべき体の部位)

続)ムスリムの子ども教育-1-



最新の画像もっと見る

コメントを投稿