イスラーム勉強会ブログ

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81.包み隠す(アッ・タクウィール)【1】

2007年11月04日 | ジュズ・アンマ解説

 解説と学習

 この章は、数あるイスラーム信条の内の二つについて説明しています。

1、 審判の本当の姿と、それに伴って起こる、魂を震撼と恐怖に陥れる大地の変動、大きな災害について。

2、 ムハンマドの啓示と、それを携える天使ジブリールと啓示を受け取り伝えるムハンマド(アッラーの平安と祝福がありますように)の特徴について。

 審判の日の現象の一つに、「太陽が包み隠される」があります。どのように包み隠されるかというと、太陽の各部分が結合し、落下すること、もしくは太陽の光が覆われることをいいます。太陽は普段から、高熱で多くのガスを含んだ燃える球状の星で知られています。そして地球上のエネルギーや命はすべて、太陽が発散するエネルギーが元です。しかしこの光が覆われ、存在している場所から移動させられると、エネルギーが消えてしまいます。そうなると地球上に生きるものが死んでしまうことになります。

  続いて審判の日の現象の一つに、「諸星が落ちる」があります。星が散らばり、落ちて、光が消えます。中ぐらいの星の大きさは太陽と同じぐらいであると言われています。その数は無数に多く、アッラー以外に数を知る者はいません。そのため、この諸星が落下すればどんなに恐ろしいことが起きるか気づくことが出来るでしょう。

  続いて審判の日の現象の一つに、「山々が散る」があります。天体の一つが地球に近づいたときに、その引力によって山々が大地から抜かれて、ばらばらになってしまうことを指しているかもしれません。

  続いて審判の日の現象の一つに、「孕んで10ケ月の雌駱駝が等閑にされる」があります。妊娠し、出産を控えた雌ラクダほど、当時のアラブ人にとって高価なものはありませんでした。しかし審判の日になると、このラクダを多く所有していた人は、その日の恐ろしさと混乱のためにラクダを置き去りにしてしまいます。

  続いて、審判の日の現象の一つに、「様々な野獣が(恐怖の余り)群をなし集まる」があります。彼らはお互いに危害を加えあうためや、弱いものを食べるために集まりません。彼らは地上に起きた異変に恐怖を覚えたために一箇所に集まります。

  続いて、審判の日の現象の一つに、「大洋が沸きたち」があります。海は沸きたち、あふれます。各海があふれ、最後にすべての海が一つになります。山々が崩れて埃になると、その多くが大洋に注がれます。そのために海水が溢れて、他の海と結合する、と言われています。

  続いて、審判の日の現象の一つに、「それぞれの魂が(肉体と)組み合わされる」があります。魂の神秘についてアッラー以外に知る者はいません。そして魂は肉体の消滅とともに消えるものではなく、死後も存在し続けます。アッラーは最後の審判の日にこの魂を体に戻し、土に覆われた死体はアッラーによって違うものに創り変えられます。このことについてアッラーは仰っています:「またはあなたがたが知らない(他の形態の)ものに,あなたがたを創(り変え)る。」(出来事章61節)そして審判の日には、体と魂が一緒になった状態で復活します。
 
  「それぞれの魂が(肉体と)組み合わされる時」この節の意味として、魂は善と悪に分かれ、同じ性質を持つもの同士で集まる、と言われます。

コメント
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