退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

極楽極楽

2007-10-21 06:01:05 | Weblog
晴れ。風強く肌寒し。

久方ぶりにソウル・バーへ行き
ワインをご馳走になる。

赤ん坊が中学を卒業するくらいのお付き合い。
特製の「地獄あんかけ豆腐」と「激辛ウインナー」をペロリ。

帰りに地下鉄を乗り過ごしたりもしながら
ホットな気分になってそのまま眠る。

気がつけば日曜日の朝。
なんとも呑気な一日。
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得るものがあれば失うものも

2007-10-20 01:06:31 | Weblog
くもりのち雨。夕方に激しく降る。

シャーロット・チャンドラー
「ビリー・ワイルダー 生涯と作品」を読む。

原題は「Nobody's perfect」でご存知「お熱いのがお好き」で
ジョー・E・ブラウンが最後に言う有名な台詞から取ったもの。

第二部で「少女と少佐」を皮切りにして
作品ごとにスタッフ・キャストのインタビューがあるのがポイント。

「青髭八人目の妻」(’38)「教授と美女」(’41・脚本)
「少佐と少女」(’41)「熱砂の秘密」(’43)、

「皇帝円舞曲」(’48)「異国の出来事」(’48)を最近観た身としては
「アパートの鍵貸します」(’60)以降調子が出なくなったのがわかる。

2002年に95歳で死んだ名監督は去年(2006年)が生誕100年だったとのこと。
監督を「引退」した後、絵を売って3260万ドルを手にするあたりも面白い。
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ギターの夜

2007-10-19 03:28:05 | Weblog
晴れのちくもり。いつも通り。

深夜youtubeで音楽巡り。

deep purple から greatful deadへ行って grand funk railroad
the band をかすめて cream と the yardbirds、

Eric Claptonがちょいと加わるJeff Beckの
「stairway to heaven」にシビレる。

ところでかつてあれだけ存在した
「ギター少年たち」はどこへ行ったのだろう。

それは別としてもこの巡礼は楽しい。
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思い・違い

2007-10-18 00:58:25 | Weblog
くもり。ダメな一日。

中沢新一「ミクロコスモスⅡ」を読む。

心地よい文章で「21世紀の革命」を説く著者は
ミシェル・セール、吉本隆明、正岡子規なども論じる。

最初の小説が「小説」としてはずいぶん出来が悪いのも面白い。
「小説」として書いてない文章が「小説」みたいなのに。

ブレイク・エドワーズ「酒とバラの日々」を観る。

PR会社に勤め接待で「女衒」のような仕事をさせられ嫌になる男。
一日中イスに座ってロクに仕事もしないままでさびしい秘書の女。

似たような不満を抱えたふたりは恋に落ち結婚して子どももできる。
ところがすでにアル中になっていた夫は仕事を転々。

夫が仕事で家にいない寂しさから初デートで覚えた酒に溺れていく妻。
ふたりで更正しようと妻の父親を頼るものの失敗。

やがて更正会に参加して立ち直る夫。
ところが「飲み仲間」を失った妻はますます深酒をするようになる。

モーテルでひとり飲んでいる妻の元を訪れ敢えて酒を飲む夫。
回復した夫は仕事を始め娘と暮らすが妻はまだ本気で酒をやめる気がない。

結局家族は元に戻らないで終わる。
「シラフでいるとすべてが汚く見える」という妻の言葉はわからなくもない。

夫は「愛」で妻を救おうとするが妻は「愛」を信じていない。
というより「愛」を知らないで育ったのは妻の責任ではない。

よく考えると難しい問題ではある。
自分以外はすべて他人なのだ。
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あやしの世界

2007-10-17 02:06:04 | Weblog
くもりときどき晴れ。

中沢新一「ミクロコスモスⅠ」を読む。

「哀しき熱帯」のレヴィ=ストロースの話が面白く
「哲学の後戸(うしろど)」の神道の話もなかなか。

すらすら読めて清涼飲料水のように口当たりがいいものの
どこか怪しげなところがあるのが魅力。

グノーシス派を評価しているあたりがいかにも。
とりあえずⅡも読む予定。

ある種の小説よりずっと小説らしい印象。
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生存権

2007-10-16 02:55:29 | Weblog
晴れときどきくもり。

深夜、生活保護を切られて北九州で餓死した人に絡んだ
ドキュメンタリーを観る。

ノルマを課された役人が律儀に働いたせいで
死もしくはギリギリの生活に追い込まれる人々がいる。

日本国憲法第5条第1項
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」

ワイマール憲法が生んだ生存権が
「将来も考えずに貧乏になったダメな奴」という差別によって否定されている。

包摂性を失った社会で
孤立した人々が静かに退場させられているのだ。

親しい間柄にもかかわらず疑心暗鬼を生きるしかない子どもたちもいる現在は
実は戦時中に似た環境を過ごしている。

あなたが何も考えずにすんでいるのは、単なる偶然でしかないというのに。
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飲もうが飲もまいが

2007-10-15 00:04:16 | Weblog
くもり。図書館へ行く。

小林信彦「昭和が遠くなって」をようやく借りる。

98年に始まったクロニクル時評もはや9年。
時代はどんどん悪くなっているのがよくわかる。

その中の一編「<コンビニ世代>とは―?」の
「魂を失った生物の群れ」という表現に共感する。

ある時期以降、街中の人々の顔や様子が明らかにおかしくなった。

著者はその変さをジャック・フィニィの「盗まれた街」と
それを原作とした映画「ボディ・スナッチャーズ」に例えている。

原作者も監督ドン・シーゲルも
21世紀の日本でそれが現実のものとなるとは予想もしなかっただろう。

こういう世の中で、「シラフ」でいるのはつらい。
生きる意味を見失ってもおかしくない。

とはいえだからこそ敢えて
「生きがい」を感じさせるものに出会うことが重要なのだ。
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頭がいいということ

2007-10-14 00:07:33 | Weblog
晴れ。やや雲多し。

橋本治「デビッド100(ヒャッ)コラム」を久方ぶりに再読。

世を拗ねていた頃の著者の快刀乱麻ぶりは
20年以上たっても衰えを感じさせない。

それが喜ばしいことかどうかは別にして
これを「コラム」の基準だとすると大抵のものはウンコである。

続編「ロバート本(ぼん)」もあるので
心ある者は「頭がいい」ということの実例を見るべし。

マイナーだった著者はいつのまにかメジャーにされたが
おそらくその本質を本格的に論じたものはない。

「頭がいい」ということは「孤独」なことでもある。
誰かこの「巨大な壁」を崩そうという「勇者」はいないものか。
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商道徳

2007-10-12 23:40:04 | Weblog
晴れ。秋日和。

商売というものはそもそも危ういものだ。
かつては武力を背景に行なわれ「帝国主義」と呼ばれた。

どこの馬の骨ともしれない輩が売りに出したものを
客は勝手に信用して買う。

その商品がまともであるかまともでないかは
材料・生産工程その他を見なければわからない。

それでも客は買ってくれる。
だからこそかつて「商道徳」というものがあった(と思いたい)。

商品は売れて初めて「商品」だと認められる。
この命題の対偶は「売れなければ商品ではない」。

論理的に正しいその対偶はやがて
「売れさえすれば商品である」に変わった。

失われたものは「これが商品だ」というプライドである。
そういうものも細々と存在しつづけてはいるのだけれど。
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秋の夜には

2007-10-11 01:18:16 | Weblog
晴れ。おだやかな秋の日。

ビリー・ワイルダー「熱砂の秘密」を観る。

独軍に敗れた英国戦車隊の伍長が命からがら砂漠から抜け出し
たどりついたホテルで給仕に化けて独軍の秘密を探るお話。

フランチョット・トーン、アン・バクスター
エイキム・タミロフ、エリッヒ・フォン・シュトロハイム。

コメディ・リリーフのフォルトゥニオ・ボナノーヴァまで
見事なキャラクターが揃っている。

上出来な冒険小説のように
謎解きありハラハラドキドキあり人生のはかなさありで満腹間違いなし。

1943年(昭和18年)の傑作を是非。
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