退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「異なる視点=毒であること」について

2012-11-08 02:53:21 | Weblog
晴れときどきくもり。過ごしやすい。

山本夏彦「毒言独語」を再読。

今から三十年余り前の文庫で初出はさらに前でもある文章。
さすがにいささか古さを感じなくもないところもある。

逆に当時の著者の「若さ」に気付くようになった。
それは取りも直さず「今の自分」を思わせるところも。

もっともこちらには著者ほどの「芸」はなく
いたずらに嘆くことが多いのみ。

それとは別に現代に通用する指摘もあれこれ。
時は過ぎるが「変わらないこと」は常にあることを肝に銘じよう。

覚えておきたいのは「分際」。
そのあたりはむしろ「封建主義」の方が幸せか。

他人を見ることからあらゆる欲望が生まれるのは「事実」。
ただしその「視点」が果たしてどうなのかという疑問は持っていい。

自分に都合のいい「材料」のみを採り上げて
いたずらに「正しさ」を訴える「貧しさ」についても同様に。

「他人に迎合しない」ですむ立ち位置を確保しつつ
「好きなこと」に熱中する姿こそ好ましい。

たとえばあらゆる「宣言」がなぜ行われるのかと言えば
そこに謳われていることが「現実」になっていないから。

人は「理想」に夢中になると
「現実」を無視して「都合のいい現実」を見出したりするのでご用心。

もちろん自省を込めた上での話だが
それでも人はそのように生きたりする厄介な存在ではある。
コメント
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