退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

夢うつつ

2010-09-08 02:34:02 | Weblog
晴れのちくもり。台風の影響か。

確か昨日このブログを書いた覚えがあるのだけれど
投稿されていないところを見るとまぼろしだったのか。

佐藤俊樹「社会は情報化の夢を見る」を読む。

テクノロジーが進化することを「社会の進化」と同一視してしまうという罠。
実はどんなテクノロジーも社会がそれをどう受け入れるかにかかっていると。

われわれが「情報化社会」という「まぼろし」を見続けたがるのは
「技術革新」によって成長する「経済体制」に唆されているらしいという見立ては見事。

貴田庄「原節子 あるがままに生きて」を読む。

著者が小津安二郎についての本をあれこれ出しているのは承知していたけれど
実際に読んだのは初めてで予想通りやや「ファン気質」が勝っている模様。

「河内山宗俊」(’36)「わが青春に悔いなし」(’46)「お嬢さん乾杯」(’49)
「青い山脈」(’49)「晩春」(’49)「めし」(’51)「東京物語」(’53)など。

巻末にあるフィルモグラフィーから推薦するなら
ざっとこんなところだろうか。

金井美恵子「小説論 読まれなくなった小説のために」を文庫版で再読。

後半にあるインタビューふたつが面白かった。
自作について結構触れているので興味のある向きはどうぞ。

川島雄三「愛のお荷物」(’55)を観る。

人口抑制政策を唱える厚生大臣一家に次々と子どもができてしまう。
それぞれがジタバタしつつ落ち着くところに落ち着いてというお話。

厚生大臣・山村聡と息子の結婚に家柄をうんぬんする妻・轟夕起子がいかにもな「昭和」。
おそらく個人的には大臣と同じような年齢のはずなのだがこの落ち着きのなさは如何。

大臣の息子・三橋達也は「落語的」な道楽息子を始めひとり三役の奮闘。
父親の有能な秘書で息子の恋人・北原三枝は現代の目からしてもカッコイイ。

祖父で引退した政治家・東野英次郎は趣味を楽しむ隠居生活を満喫。
おまけに坪内美子を囲っていたりもする。

公家の息子でドラムを叩くフランキー堺は大臣の次女・高友子にぞっこん。
産婦人科医の田島義文は大臣の長女・東恵美子と仲睦まじいけれど子どもができない。

殿山泰司と小田切みき(「生きる」の奔放な女子職員)のカップルも
「やもめの番頭」と「女中」がくっついたという当時は「よくある話」。

産婦人科医・三島雅夫、息子の趣味仲間で工場を経営する社長・小沢栄(太郎)。
大臣の秘書官・小沢昭一、代議士に芦田伸介、小川虎之助、菅井きん。

そして大臣が「京大生」の頃に付き合い
彼に黙ったまま子どもを生んだ「舞妓」に山田五十鈴。

「昭和のルール」がいろいろわかるという意味で
現代からすると楽しめる作品か。

それにしても昨日書いたはずなのだが。
コメント
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