かつてのひまな野球人の記

野球が好きだった医者が書きたいことを書き散らすブログ。今は保健センター教員をしつつ神経内科医と研究者もやっています。

交換法則

2006年09月26日 20時47分57秒 | 雑談
足し算を例にしてみると、1+2も2+1も結果は同じである。掛け算でも同じことが言える。それは加法にも乗法にも交換法則が成り立つからである。ところが、それは複素数までの話である。四元数になるともはや乗法には交換法則が成立しない。あるいは実数の範囲であっても、行列の乗法には一般に交換法則が成立しない。2次元での回転の合成なら交換法則は成り立つが、3次元になるととたんに成り立たなくなる。
日常生活でも交換法則が一般には成り立たないということは簡単にわかる。手順の前後を間違えるというのはまさにそうである。だから順番が大事になる。
逆に言えば、交換法則が成り立つほうが特殊ということになる。このためにある演算により定められる構造が扱いやすくなっていたりするわけである。
気をつけなければならないのは、身近なところで成立するからといって対象を拡げれば必ずしも成り立たないということと、あまりに身近すぎるが故にその存在の特殊性に気付かないということである。