かつてのひまな野球人の記

野球が好きだった医者が書きたいことを書き散らすブログ。今は保健センター教員をしつつ神経内科医と研究者もやっています。

黄色い点たち~感染制御学実習3日目

2007年01月31日 17時33分53秒 | 実習
ソフトボールは昨日で終わりだったので、今日は午前中は何もなし。午後からまた感染制御学の実習だった。今日は教授がきていて話をしていったが、ただの挨拶以外の何者でもなかった。そういう話は最初に聞きたかったところである。今日は説明が長く、作業に取りかかったのが2時過ぎになった。
昨日、培地に指をつけて実習前と後で指についた菌を調べる実験をしたのだが、一晩たった今日見てみたらあまりコロニーができていなかった。手袋のままでつけた部分にはさすがにいくつかコロニーができていたが、グラム染色して顕微鏡で観察したところ、細菌だけでなく真菌とおぼしきものが見えた。しかも左手だけに。何に触ったのだろうか。
一昨日植えた細菌はさらに繁殖していた。マンニット食塩培地はほとんど黄色くなり、白いコロニーが転々としていた。そして、BTB培地はほとんど青くなっていて、黄色のコロニーがびっしり。昨日血液培地に植えたブドウ球菌とおぼしき菌(おそらく黄色ブドウ球菌)はしっかりと増えており、ここから釣菌して懸濁液を作って、薬剤耐性試験をやった。結果は明日出る。
黄色いコロニーと黄色い背景からおそらく黄色ブドウ球菌だと思うが、メチシリン耐性かどうかはまだわからない。なので、MRSAかはまだわからないわけである。

青い点たち~感染制御学実習2日目

2007年01月30日 21時28分15秒 | 実習
今日も朝からソフトボール。昨日のように寒いことはなく、日が差して暖かい中での試合であった。今日は時間がとれるということで、じっくりと腰を据えて試合ができた。今年のソフトボールはしまった試合ができてその点では非常に良かった。試合は結局勝つことができた。というわけで我が学年はなんとか優勝することができた。別に景品があるわけでもなく、そのあとで打ち上げがあるわけでもないが、まあ勝ってうれしければそれでいいということか。
かわりにその後にあったのは実習である。今日も同じ教室で説明を受けてから地下の実習室へ行った。昨日やけに寒いと思ったら、昨日は暖房が入っていなかったらしい。全くとんでもない話である。
今日は昨日培養した細菌をうまく純粋培養することが主眼であった。画線培養は成功しており、うまいことコロニーを拾うことができた。というわけで、今日もグラム染色である。昨日はそのままグラム染色したわけだが、今日はきちんと分離しているのできれいに見えた。ばっちりグラム陽性球菌が見えた。そのあと、カタラーゼ活性を調べたら、これまた陽性の反応が出た。どうやらこれはブドウ球菌らしい。

恐るべき点たち~感染制御学実習1日目

2007年01月29日 18時29分16秒 | 実習
今日は朝からソフトボール大会。医学部の学年対抗でやっているのだが、サッカー大会にくらべると今ひとつ地味というのは否めない。朝という時間帯もたぶん良くないのだろう。
さて、朝遅刻してしまい冷や汗半分に行ったのだが、結局はいつも通りピッチャーをやった。投球練習も全くなくぶっつけ本番であった。ボールを投げるのも久しぶりで、力がうまく伝わらなかったので今年は相手を翻弄することにした。その分多少コントロールは改善されたようでフォアボールも減り、テンポのいいしまった試合になった。打つ方はなぜか4番だったが、こちらは凡フライばかりで大した働きはできず。しかし、同点で迎えた最終回に見事サヨナラ勝ちとなった。
そのあとは暖かいチュートリ部屋に移動して着替えた後でしばしまどろんだ。コンピュータが新しくなったことに気付いたが、別に操作する気もなくただただ椅子を並べて一休みした。チュートリ部屋は携帯電話が圏外になるという落とし穴があり、そのため窓を開けて中庭に携帯電話を突き出してメールのチェックをしなければならないのが玉に瑕である。
午後は感染制御学の実習。久しぶりに1号館1階講堂に行った。あそこに1学年全員を収容するのは無理があると思う。地下の実習室に移動し、グラム染色と抗酸性染色をやり、培地にサンプルを植えつけた。そして、顕微鏡で染色したサンプルを見たのだが、使うレンズが油浸レンズで油を拭き取るための有機溶媒のにおいには参った。頭が痛くなる。班分けは久しぶりに番号順に8人。明日は今日培地に植え付けたものを利用するのだという。明日も長くかかるのだろうか。

いつ役に立つか?

2007年01月28日 18時05分43秒 | 雑談
わりとよくあることだが、何らかのリソースを使うのであればそれに見合うだけのものを要求する。つまるところ、コストに見合うベネフィットを求めるわけだが、これは裏を返せばベネフィットの見込みのないところには投資はないということでもある。すると、いきおい即効性のあるところに投資が集中することになる。無論、効率よく振り分けるのは大事なことである。
しかし、万事がうまくいくとは限らない。最初から役に立つことを求めないものはまったく顧みられることがないということになる。つまり、役に立たないものはないも同然ということになってしまう。これは極論ではあるが、効率を求めるととかくそういうことになりがちである。
余裕が全くないのなら仕方がないことかもしれない。そんな中で将来役に立つかわからないし、ひょっとしたら全く役に立たないかもしれないことにも目を向けられたら。「無用の用」とはそんなもののような気がする。

入れ替わり立ち替わり~OSCE

2007年01月27日 17時58分51秒 | 試験
そういうわけで、今日はOSCE(Objective Structured Clinical Examination;客観的臨床能力試験)だった。集合場所の本館大講堂は寒いらしいということだったが、特に問題はなかった。それ以前に待つ必要があまりなかった。なぜか試験が最初の組で、10時半には身体診察の試験を受けることができた。そして、12時半過ぎには医療面接が終わってしまった。当局は試験が終わった学生が余計な情報を広めるのを好まないらしく、終わったらさっさと帰りなさいという姿勢だったので、そのままさっさと帰った。なので、非常に早く終わることができたわけである。
さて、試験の詳細については守秘義務があるということなので詳しくは言えないが、そういう流れだったかは全国共通のはずなので書いてもいいだろう。
身体診察の試験には15人が同時にのぞむ。場所はチュートリ部屋で、それぞれの部屋が各ステーションとなっていて、合図の鐘とともに中にはいると課題(頭頸部、胸部、腹部、神経、救急は予めわかっている)が渡され、2分間それを見ることができる。次の合図の鐘とともに試験開始。5分間のうちにこなさなければならない。そして鐘の音とともに試験終了で、すぐにその部屋を出て隣の部屋の扉の前に移動する。移動時間は2分間で次の鐘の音とともに入室・・・というのを繰り返すわけである。
医療面接の場所は経済学部の赤門研究棟だった。こっちは5人が一度に試験を受ける。鐘の音とともに入室し、2分間課題を読んでからスタート。患者役の人を迎えるところからである。試験時間は10分間で鐘の音とともに終了である。
さて、個人的な述懐をすると、身体診察は私は腹部・神経・救急・頭頸部・胸部の順でやったが、一応時間内に全部の課題をこなしたつもりである。腹部はとにかく膝を立てるのを忘れないようにできた。神経はおそれていたものが出なかったのでわりと楽だった。救急はなぜか名札が壊れたのが印象に残っている。動きが激しすぎたのだろうか。出題自体はオーソドックスなものだった。頭頸部はとにかく手早くやった。あまり練習していなかったものが出たが、あまりあわてなかったのでよしとしよう。胸部は意外に手間がかかった。これだけは終わった後の時間の余裕があまりなかった。医療面接は身体診察の後1時間ほど待たされた後だった。話につまるようなこともなかったが、時間をつい忘れてしまい、話を引き延ばしかけたところで終わってしまい、最後の挨拶がややおろそかになったのが残念ではある。
なにはともあれOSCEは無事終わった。打ち上げを今度やることになっているのでそれが楽しみである。そして今度は追試とCBTの勉強である。

最後の練習~基礎放射線医学本試験

2007年01月26日 21時25分05秒 | 試験
今日は午後に基礎放射線医学の試験があった。この講義は全部で6コマ(1コマ=50分)しかなかったので、範囲も狭くて前の夜のうちに一夜漬けが苦手な私にも詰め込めるくらいの量だった。
試験は全部で7問の記述問題だった。去年と全く同じ問題は8Gyの放射線を浴びた人の治療くらいだろうか。この科目はもともと昨年から始まったものなので、過去問は1年分しかない。とくに難問が出るわけでもなく、内容を覚えていればそうそう苦労しないように思えた。もっとも、最後の講義は昨日だったのでそんなに長いこと勉強することもできないが。
試験の後そのまま帰るつもりだったが、試験が終わった後呼び止められたのでそのまま練習をやることにした。いつものチュートリ部屋は今日は立ち入り禁止ということだったので、医学図書館の3階で練習をやった。ベッドのかわりに机の上に横たわることになった。まるで解剖である。とりあえず、やれるだけのことはやった。あとは天命を待つのみ、といった心境である。

放射線の話

2007年01月25日 17時26分40秒 | 一般
今日は公衆衛生学実習のガイダンスがあるというので久々に臨床講堂まで行ってきた。面白そうなのがあったので、なんとか希望が通ってくれればいいのだが。昼休みはチュートリ部屋でベッドに横たわりつつOSCEの復習。もう2週間近く練習してきたし、昨日道具をいくつか持ち出して念入りに復習ができたので頭の中で手順を復唱しつつイメージを思い出すだけでもまあ事足りるだろう。
午後は基礎放射線医学の講義に出席。この講義は今日で最後なのだが、明日が試験というむちゃくちゃな日程である。なので、シケプリに期待をするほど時間がなさそうというわけで、今日は出てみようと思ったわけである。とはいっても、あまり話を聞いていたわけでもなく、ずっとCBTの勉強をしていた。これがなかなか面白い。広く浅く勉強するのも時には面白いものである。また勉強に興味が戻ってきたのでちょうどいい。
さて、肝心の放射線の話だが放射線は見えない分だけ怖い気がする。しかも、症状が出るときにはもう体のあちこちで影響が出ているからなおのことである。知らず知らずのうちに浴びているのかと思うと何ともいえないものがある。

今日もサシ

2007年01月24日 18時43分18秒 | 一般
昨日とは違う人とだったが、今日もサシで練習をした。とはいっても、ほとんどされる側だったわけだが、色々指摘できたのでまあ自分の勉強にもなったといえるだろう。気がつけばOSCEまではもう残りわずかである。みんなで練習する機会をこの前逸してしまったので、道具をこっそり持ち帰って家で勉強することにした。
やはり頭頸部が一番問題がある気がする。ぜんぶ出題されることはないかもしれないが、チェックする項目がいろいろあって1つや2つは忘れてしまいそうである。本番では練習以上に緊張するだろうから、できるだけ今のうちに練習を積んでおかなければ。

少人数教育

2007年01月23日 17時53分11秒 | 一般
とはいえ、さすがにサシはあまりよろしくないような気がした。今日はみんな来るだろうと思ってチュートリ部屋に行ってみたら、他に1人しか来なかった。しかも、それが女子だから大変。さすがに胸部や腹部の診察はできない。なので、できる部分だけをやらせてもらった。ここしばらくの懸案だった反射はわりとうまくできた。しかしまだ要練習といったところか。
頭頸部は相変わらずやることが多くて難儀している。顔を見ては顔色・表情および左右差・浮腫・発汗過多・多毛に、頭髪を見ては色調に、頭皮を見ては皮疹・瘢痕・腫瘤にそして頭蓋の変形・圧痛・腫瘤に言及しなければならないのだから困る。唇を見てチアノーゼ・水疱・色素沈着・潰瘍になど見ていられるものか。目を見て眼瞼下垂・左右差の有無を見なければならない。その後は瞳孔と虹彩の形と大きさである。
脳神経の診察は何とかなった。上肢の神経診察も大丈夫そう。バイタルは問題なし。でもバイタルだけでは出題されないようだが。
また明日行ってみよう。

自分にかける魔法

2007年01月22日 20時51分18秒 | 雑談
ある人に勧められて「王様の仕立て屋」という漫画を読んだのだが、一度読むなりはまってしまった。勉強になるなどといった口幅ったいことを言うつもりはないが、色々な意味で面白い漫画である。
日常で着るものにどのくらい気を配るかは人それぞれだと思うが、着ているものの持つ意味を私は考えさせられた。と同時に考えを改める気にもなった。服を改めるだけで気の持ちようも変わるもの。つまるところ、ファッションとは周りに見せるのみならず、自分にも見せるものだというわけである。
どんな格好をしようとそれは勝手である。しかし、服は不思議なもので着ている人をも規定してしまう。ということは、好むと好まざるに関わらず着ている服でイメージが形作られてしまうわけである。
中身で勝負と言えども、中身を見てもらう機会がなければ戦わずして敗戦である。だから、外見にも気を配らなければならないということになる。もちろん、必要以上に目立つ必要はないだろうが、何もしない名馬にはいかなる名伯楽といえど気付くことはない。
この漫画を勧めてくれた人がいなければおそらくこの漫画を読むことはなかっただろう。この人にはいくら感謝してもしたりない。