かつてのひまな野球人の記

野球が好きだった医者が書きたいことを書き散らすブログ。今は保健センター教員をしつつ神経内科医と研究者もやっています。

いいところとわるいところ

2008年09月30日 15時59分13秒 | 雑談
先日、ふと自分の長所と短所を思いつくままに書いてみたことがあった。いってみれば自分を自分で評価しているわけで、一歩間違えれば自画自賛かつ自己批判である。誰かではないが、自分を客観的に評価する事というのはとても難しい。凡人のなせる業ではない。
その後で自分の長所と短所を挙げてもらう機会があって、聞いてみると案の定だいぶ違う。自分で自分を評価する範囲がだいぶ狭いことがよくわかった。
長所はともかくとして、短所はできるだけ正確に把握しておきたい。というのは、自分で知っている自分の短所というのは気付いているから対処のしようがあるが、気付かないものは対処のしようがない。知っている以前の話で、念頭になければ考慮できるはずがない。
ということは、つまり気付かないうちに短所が露わになっていたことを意味するわけで、それに気付かないのは本人だけという滑稽な様相を呈したわけである。全く笑い話にもなりはしない。
実はこれ、日本にいても外国にいてもまったく変わらないことである。日本にいたら日本人だからなどというのは甘い話であって、どこにいようと人間は人間。どんな言葉をしゃべっていようと同じことである。

カウントダウン~胸部外科・脳神経外科卒業試験

2008年09月29日 18時34分25秒 | 試験
卒業試験も残すところあと3科目。ということでいよいよ終わりも近づいてきたわけであるが、今日はあいにくの雨。力んでいたのが少しトーンダウンしてしまった。
胸部外科は臨床実習をやっていないので実質2年ぶりに勉強しなおすことになった。胸部外科といっても実質は心臓外科と呼吸器外科の二本立てであって、それはどこかの外科と何ら変わらないわけである。心臓外科の手術は血行動態というのがわかりやすい分、わりとイメージがしやすかったような気がする。胸部外科の試験は心臓外科が60点で呼吸器外科が40点ということで、やや心臓に偏った配分である。今年の問題はというと、心臓外科から感染性心内膜炎とフォンタン手術と大動脈乖離と腎機能悪化例に対するCABGの4題と、呼吸器外科から2題。この呼吸器外科の問題はややひねり気味の問題で、おそらく転移性肺癌と肺アスペルギローマだと思うのだが、見慣れない問題だった。フォンタン手術については絵を描くというのは目新しかっただろうか。ちなみに、心室中隔欠損の分類を覚えた時間は何だったのだろうか。
脳神経外科は記述50点、選択50点で、記述3問と選択25問という去年と同じ形式。記述に何が出題されるかというのがこの試験のポイントであった。過去問を見る限りでは、脳腫瘍・脳血管障害・てんかんというところだが、今年の内容はというと、クモ膜下出血後の脳血管攣縮・小脳橋角部にできる脳腫瘍・顔面痙攣と三叉神経痛というセットで、てんかんだけ勉強していては歯が立たなかっただろう。てんかんはしっかりと選択問題に出題されていた。2年前のプリントを引っぱり出して機能脳神経外科の勉強をしておいたので何ということはなかったが、この箇所は要注意である。小脳橋角部にできる脳腫瘍というと神経鞘腫と髄膜腫くらいは知っていたが、いきなりこの問題を見たときは驚いた。ただし、脳腫瘍が出題されたというのは変わらない。選択問題は基本的なところからちょっと難しめまで幅広く聞かれた。中脳断面が出てきたのは面白かった。
というわけで、残るはあと1つ。9月をほぼ使い切る試験の嵐も要約終わりを迎えそうである。

どこからともなく

2008年09月28日 17時37分51秒 | 雑談
ここしばらくは家の中にいることが多いのだが、外から聞いた覚えのある音が聞こえてきた。つまり、豆腐屋の移動販売とでもいうか、昔ながらの豆腐屋さんの鳴らす音である。どこにいるのかまでは気にしなかったが、そういえばここしばらくだいたい同じ時間に聞く気がする。音がそうだというだけで本当に豆腐屋かどうかは知らないが、ラーメン屋のチャルメラのようなもので聞くとすぐに結びつく音だからきっとそうだろうと思う。
このあたりに来るということはきっと買う人がいて商売になるのだろう。近くに定期的にトラックで野菜の販売に来ているのは知っているが、豆腐屋というのはあまり見た覚えがない。ノスタルジーに駆られる音ではあるが、今なお現役ということなのだろう。

昔の写真

2008年09月27日 17時41分25秒 | 雑談
どういうわけか本棚に1つだけ写真立てがあって、その中には1枚の写真が入っている。それは、もちろん自分の写真で写っているのは自分一人だけ。日付を見ると19年前の8月とある。ブドウを取って食べている写真で、どうもブドウ狩りにいったらしい。何やらバスのツアーに参加したらしく、そのようなバッジをつけている。
不思議なのは、なぜこの写真だけわざわざここに入っているか?である。自分でもわからない。そんなに会心のショットという風情ではない。よく見ると、写真の中の自分はカメラの方に目を向けていない。おそらく、カメラを構えられても、そして声をかけられても言うことを聞かなかったのだろう。そういえば、今でも似たようなことをよくやる。ただ単にブドウに夢中だった可能性も否定できないが。
19年前というと5歳。幼稚園の時代である。思い出の多くは深くに眠ってしまった。その中で、この写真はその時代を思い出させるトリガーになったのである。

いざ大講堂~肝胆膵移植外科卒業試験

2008年09月26日 17時19分53秒 | 一般
今日は1つの試験のみの日。ただし、科目が科目なだけに準備は入念にしなければならないと思い、一昨日から昨日まで時間をかけて色々覚えた上で臨んだ。この科は手術の手順の概略まで要求してくるので、教科書をちょっと眺めたくらいでは歯が立たない。少し前の過去問から情報を引っぱり出してあれこれと読んでいたが、少し前の問題など学生に課す試験ではない。
などと、いろいろ考えながら大講堂へ行った。試験はいつも通り1時からだった。今年は大問10題ということで一昨年以前と同じ形式になった。配点は肝臓30点、脾・門脈10点、胆道20点、膵臓20点、移植20点ということで変わりなし。肝臓は治療アルゴリズムと肝細胞癌と右肝切除ということで、勉強してきた内容で十分歯が立つ。脾・門脈からは脾腫の原因と門脈減圧手術・直達手術の名前でこれも問題なし。胆道は今年は選択問題がX2形式になっていてやや難しかった。あとは穴埋めだがこれは入れるべき言葉の候補が並べてあったので問題なし。膵臓は年によって難易度の乱高下があってビクビクしていたが、今年は重症急性膵炎の手術適応と具体的な内容とIPMTとMCTの違いだったので過去問でバッチリ。移植はC型肝炎肝硬変に対する移植後の再発についてと選択問題が6題。選択問題のほうは出来はイマイチではないかと思う。結局解くのに60分ほどかかり、残り30分でゆっくりと見直しして時間になったら提出して帰った。
雨に降られるかと思ったが、結局帰るまで雨が降ることはなく助かった。
これで3週目が終わり、残るは3科目。ようやく終わりも見えてきたようである。

苦汁の味

2008年09月25日 16時30分31秒 | 雑談
持っている能力を生かすも殺すも本人次第とはよくいったもので、同時にできなければ優先順位をつけることが多い。というよりも、何から始めるか、注意を払うかということだろうが、これはとても重大なことである。
というのは、そこで間違えるとドミノ倒しのごとく全て間違えるおそれがあるからである。流れと錯覚するようなものがあるのかもしれないが、一度間違えると魅入られたように間違いを繰り返してしまう。しかも、その当座は最善の手を打っているつもりだから始末が悪い。誤りに気付くのはどうにもならなくなってからということがあるわけで、そのときに切歯扼腕しようと全ては後の祭り。すでに盆は空っぽなのである。
ほんのちょっとした間違いであったとしても、引き起こす結果は恐ろしいものである。初期判断もそうだが、後からふり返ってみるとたいがい修正できたポイントはいくつもあるものである。ところが、自分の取った行動はいつもその反対。失敗の流れに棹さしてしまうのである。何が間違ってるかわかっていないのだからますます手の施しようがない。
というわけで、修正するとすれば最初の瞬間しかない。そのために、これまでの経験をいわばケーススタディとして応用できれば飲まされた苦汁も血肉に変わってくれるだろう。こんなもの飲みたくて飲むわけはないが、この先いったい何杯の苦汁を飲まなければならないか見当もつかない。
もしまた出だしを間違えたら?そのときは最善を尽くすしかない。しかし、その最善はというと・・・

でこぼこタッグ~腫瘍血管外科・消化管代謝栄養内分泌外科卒業試験

2008年09月24日 17時56分14秒 | 試験
いよいよ今日から外科が始まる。今日は2つあり、腫瘍・血管外科と消化管・代謝栄養内分泌外科という長ったらしい名前が付いているが、両者を分けるのは何のことはない、旧第一外科と旧第三外科である。名前を変えて別々の教室として続いているに過ぎない。病院の診療科では一応下部消化管と上部消化管に棲み分けしていることになっているが、実際には両方の科で胃癌を扱っているなど、お互いの守備範囲に重なる点は多い。
先に試験があったのが腫瘍・血管外科。どうもここは腫瘍外科と血管外科で真っ二つになっているらしく、問題も両方別々に出され、しかも完全に独立している。答案用紙ももちろん別々に書くようにというお達し。無理な分け方をするとこうなるらしい。それはさておき、この科は毎年完全な記述で、今年は腫瘍も血管もそれぞれ2問ずつ。一昨年の症状を英語とともに列挙するというのがまた出題された。ただ、今回は大腸癌ではなく直腸癌の症状なので、すこし考えて6つばかり書くことにした。もう1つは大腸癌の病期分類と治療法という問題で少々面食らった。血管は動脈閉塞と静脈血栓でまあまあオーソドックスな出題であろう。完全な記述なだけに時間もかかり60分ほどとられた。
そのあとが消化管・代謝栄養内分泌外科。こちらは非常に学生に優しい出題。穴埋めと記号選択だけで、過去問と同じ出題も散見された。食道癌・胃癌・乳癌・内分泌外科という構成で過去のものよりも易しかったのではないかとも思われた。教授が替わったばかりというのもあるかもしれないが、とにかくありがたかった。ちなみに、解くのに要したのは10分ほど。何も問題はなかった。
外科の本番は明後日である。職人集団はどんな出題をしてくるか?恐怖の種である。

丸暗記

2008年09月23日 16時07分08秒 | 雑談
ここしばらくの生活はというと、試験前に丸暗記したことをアレンジして試験日に紙の上にはき出すというサイクルの繰り返し。いわゆる「詰め込み教育」の最たるものである。意味もわからずというわけではないので多少はましなのかもしれないが、丸暗記した内容のうちの大半はなくなり、一部は残って次第にこなれてくる。
このこなれてきたものが大事で、これこそ詰め込み教育の遺した宝ではないかとさえ思える。暗記しただけでは通り一遍の使い方しかできない。こなれたというのはネットワークの中に入ること。つまり、違う方向からでもそこに思い至ることである。いわれてみればわかるというのではまだ浅いというわけだ。
ということで、試験のための丸暗記もあながち悪くはないのかもしれない。後に残る限りにおいては。

内科終了!~感染症内科・内分泌内科卒業試験

2008年09月22日 18時45分04秒 | 一般
12科目ある内科も今日の2つで最後である。感染症内科と内分泌内科で、どちらもわりと好きな部類に属する科目である。ただ、今回は外科に割く時間の関係であまり深く勉強できず、過去問を覚えて臨むに近いものがあった。あとは頭に残っている過去の勉強の蓄積にかけるしかないと言うのが正直な所であった。
まず感染症内科。記述問題で何が出てくるかというのが懸案だったが、1つは細菌性食中毒の型についてで、もう1つはMDRPについてであった。MDRPは辛うじて残った知識で何とか作文できたが、食中毒はほとんどやっておらず想像で解答欄を埋めるのが精一杯。残りの30問ほどの選択問題と穴埋め問題に関しては少々面食らうものもあったが何とかこなせたはず。40分くらいで退出した。
内分泌内科は手首にとってハードな内容であった。6問の記述問題だったが、書く量が多くて結局90分をほぼ使い切ることになった。今年は単純な甲状腺機能亢進が出題されなかった。TRABとTSABの違い、偽性副甲状腺機能低下症、先端巨大症、多飲多尿を来す疾患、副腎腺腫・癌、ホルモン過剰による疾患というセットで内容はそんなに難しくなかったはずだが、書くのに手間取った。ロスタイムを活用しようなどという考えはこの科目では捨てるべきであろう。
というわけで、内科は終了。残る6科目は外科であるが、今週末の外科2が最大の山場であろう。

内科残り2つ

2008年09月21日 17時09分46秒 | 一般
残りは感染症と内分泌なのだが、昨日まで外科の勉強をしていたので実質今日からのスタートである。もっとも、今は完全にゼロからのスタートではないのでそれほど焦ることもないかと思っている。しかし、試験用に覚えた知識はすぐに失われてしまうのではなかろうか。せっかく覚えたのにもったいないと思うのだが、事実、2年前の勉強の内容などどこへやら。そのあとで、臨床実習や国家試験の勉強をやっていて覚えたことがかなり多い。
そして、記憶力の問題。先日話していて、記憶力が落ちたように思うのは実際に落ちているだけではなく、本気になっていないからではないかという。確かにあの頃の打ち込み方とはだいぶ違うのは否めない。今となっては高得点ではなく、合格が目標になってしまっているのも確かにあるだろう。
何はともあれ、まずは受かるだけの知識を頭に入れなくてはならないわけだ。