かつてのひまな野球人の記

野球が好きだった医者が書きたいことを書き散らすブログ。今は保健センター教員をしつつ神経内科医と研究者もやっています。

痛みと戦う

2008年04月30日 20時05分53秒 | 臨床実習
今日は9時からと麻酔科にしてはかなりゆっくりな開始時間。外来でペインクリニックの実習である。実習といっても全部見学であり、外来での診察の様子と何件かの神経ブロックの様子を見ただけである。
痛みは本人以外にはわからないので基本的にすべて本人の口から聞くより他はない。外からの痛みの評価というのは難しいが、本人にとっては痛いものは痛いのだから辛いだろう。中には脳が作り出す痛みもあって、脳が高性能すぎるのもこの点では考え物かもしれない。こういうときは適切な薬剤をうまくつかってやるひつようがあるということで、ペインクリニックの出番となるわけである。
今は神経ブロックの注射はエコーガイド下でやることが多くなっているらしい。場所によってはブラインドでやるようだが、腕神経叢や正中神経・尺骨神経ブロックの際にはかつて透視下でやっていたことをエコーでできるようになったようである。エコーだとうまくプローブをあてなければ見えなくなってしまうので見る角度が難しいと思うのだが、放射線被曝はないのはかなりの利点といえるだろう。
11時には外来の実習は終わり、3時間ほど昼休みがあって、手術部の中の麻酔科カンファレンス室で午後のクルズス。今日は脊椎麻酔と硬膜外麻酔。人形を使ってやったのだが、かなり使い込まれていて刺した後がたくさんあってやりにくかった。一口に麻酔といってもかけ方は様々で使い分けも必要というのは大変なことである。クルズスは1時間ほどで終わった。
明日は手術でチャートをつけることになっているのだが、うまくできるだろうか。

思いの外進まない

2008年04月29日 22時16分39秒 | 雑談
今日は祝日で、実習も休み。もうじき4月も終わりだが、生活は月の巡りはお構いなしに動いている。時間とは無情なもので何をしていようと気にせずスイスイと流れていってしまうのである。
昼間に何か生産的なことができたかといえばそんなこともなく、ゆっくりと過ごしてしまって夕方からレポートを書き始めたが、思いの外進まないものでなかなか予定通りには終わらないような気がしてきた。
しかも、レポートだけやっているわけにも行かず、いつもの勉強もサボることもできず、やることは山のようにあって終わりは全然見えてこない。
まだまだ先は長い。

冷や汗もの

2008年04月28日 20時05分28秒 | 臨床実習
今週は麻酔科で朝が早い。7時45分でも麻酔科医にとっては遅すぎると見えて、この時間に行ったらすでにカンファレンスが始まっていた。場所は手術部の中の一角ということで当然着替えなければならない。おまけに、乗るべきエレベーターを間違えるというポカをやってしまい、さらに時間をくってしまった。
そのあとオリエンテーションがあり、今週は火曜日が休みなので木曜日の外病院の実習が火曜日の日程に振り替えられるということがわかった。まあこういうこともある。その後教授から話があったが、オリエンテーションの繰り返し(若干の違い含む)が多く、また教授がもの柔らかな口調で話してくださったので、非常に眠くなったのだが、同時に寒くもあり(手術着が半袖!)ついに睡魔に屈することはなかった。
2時間ほどの昼休みはキャンパスの外と病院内のタリーズでゆったりと過ごし、手術部の中に戻って午後のクルズス。今日は気管内挿管だった。人形を用いて練習してみたが、喉頭鏡で気管の入口が見えたことに油断してあまりよく考えずにチューブを進めていったところ、その後でチューブから空気を流したときに膨らんだのは胃であった。要するに失敗したのだった。今度はよく見た後に慎重に入れたら見事肺が膨らんでくれた。
つまり、見えたとしてもそれを生かさなければ見えたうちには入らんのである。

西郷さんの下を通って

2008年04月27日 21時21分41秒 | 一般
上野の国立科学博物館で今やっている「ダーウィン展」に行ってきた。国立科学博物館に行くのは去年の9月以来で、そのときは時間に追われて常設展はじっくりと見られなかったので、今回は少し早めに行って常設展もしっかりと見ようという目論見である。
前回の「インカ・マヤ・アステカ展」には凄まじい行列ができていたが、今回はそういうこともなく入るまで並ぶこともなかった。中に入ればやはり日曜日だけあってそれなりに人がいたわけだが、それほどイライラすることもなかった。ダーウィンといえばやはり『種の起源』ということになるが、それ以外についてはあまり詳しく知らなかったのでとても面白かった。
常設展だが、前回は地球館をかなり端折って見ただけだったので今回は日本館も時間をかけてみることができた。もっとも、足の疲れという別のリミッターがあったのだが・・・
日本館には「なでしこたちの挑戦-日本の女性科学者技術者-」というコーナーがあった。国立科学博物館の他の展示とはちょっと違った趣向のものだったように思えたが、歩んできた足跡はいずれも只ならぬものであった。偉大なパイオニアの足跡というものはどんな時代であれ畏敬の念を禁じ得ない。

きれいな歯

2008年04月26日 21時36分04秒 | 一般
今日は朝から半年ぶりの歯医者に行ってきた。今のところ虫歯もないが、半年に一度の定期検診というわけである。やはりメンテナンスは大事で、こういうところを怠らない方が結局長持ちすることは結構ある。
この朝からというのは意外に曲者で、起きるときにそれを忘れていると一人で勝手にピンチに陥ってしまうのである。世間はこういうのを朝寝坊というのだが、大概は物笑いの種になってそれで終わりである。
さて、今日は歯医者に行くことを寝ているうちに失念してしまったらしく、思い出したのは朝寝を楽しもうか考えているときであった。ベッドにいたときであっただけに危機一髪であった。間一髪飛び起きたからよかったものの、そうでなければかなり大変なことになったかもしれなかった。
自分の歯一つとってみても、これだけのことが隠れているのである。人生は深い。

凝集は起こるか?

2008年04月25日 17時48分49秒 | 臨床実習
今日は最終日だが、やったのはごく基本的なものばかり。血液型としてポピュラーはABO式血液型とRh式血液型の判定およびクロスマッチ検査であった。
最初にサンプルを採らなければならないので、久しぶりに採血をやった。採血は検査部での実習以来だったのでうまくできるか不安だったが、うまくいった。そのうちにいやになるほどやる作業であろうが、今のうちからできるようになっておかなくてはいけない手技であろう。
ABO式は昨日目の前で結果を見てしまったので、それを再現できるかというだけだった。結果は抗A抗体も抗B抗体も凝集し表試験はAB型で、私の血清はどの型の赤血球とも凝集を起こさなかったため裏試験もAB型となった。Rhについては凝集が起こったためRh(+)ということになった。AB型Rh(-)となると数が極端に少ないが、Rh(+)であればまだあるのでいざ輸血となったときでもみつかりやすいだろう。
クロスマッチ検査はやはり凝集を見るもので、一昨日は類似の実験に失敗したのでどうなることかと思ったが、きちんとAB型のパターンで凝集が見られたので一安心。
あとは、輸血の事例を2例聞いてから輸血部の検査室を軽く見せてもらって終了。だいぶ早く終わったのはありがたかった。

初献血

2008年04月24日 19時02分14秒 | 臨床実習
今日はずっと外で実習だった。
午前中は秋葉原のアキバ献血ルームで献血の実際を見学した。新宿を歩く際によく献血のお願いを聞いていたがことごとく無視してきたので、献血ルームの中に入るのはこれが初めてだった。ついでに献血もしてきた。400ccほどの全血を提供させてもらった。針が太くて少なからず驚いたのだが、大したことはなかった。献血は順調に終わり、お茶を2杯とせんべいを6袋ほど頂いて休憩した。献血をする直前の検査で、血液型を確認したがやはりAB型だった。ここでの検査であるからもう間違いはないだろう。
午後は辰巳まで移動して東京都赤十字血液センターで提供された血液がどのような工程で処理されて血液製剤になるのかを見た。わかってはいたが、血液はいわば生ものであってそんなに長持ちしないということも実感した。簡単に話をしてもらった後は設備を色々と見せてもらったが、特にHLAの型の決定のところは興味を引かれた。
また免疫学を勉強したくなってきた。

検査の難しいところ

2008年04月23日 20時20分30秒 | 臨床実習
今日から実習は輸血部に移った。学会があるということで、初日にいきなり教授の総括クルズスになった。ぎっしりと字が並んだスライドを前にして、長々と大変だったことしか記憶に残っていないのが辛いところである。
輸血と一口に言っても実際にはなかなか大変なことであって、生体にしてみれば臓器移植にも匹敵するような重大事というのは、言われてみればもっともである。合併症としても移植に似たものがあるのもうなずける。
午後は血清を使って間接クームス試験・酵素法・食塩水法で不規則抗体の検出の実験。3つを並行してやったのだが、それぞれ30分や60分のインキュベーションがあって待ち時間が長かった。
さて、結果はというとものの見事に失敗した。陰性だと判断したものが本来は陽性と出るはずだったのだから、百年考えてもわかるはずがない。そんなわけで、出だしからいきなり躓いてしまったのだった。それでも、薬剤部と違って出入りが自由というのは素晴らしい。

薬のコントロール

2008年04月22日 20時38分07秒 | 臨床実習
今日は薬剤部の最終日。まずは薬品情報室で薬品の添付文書についての話。この添付文書、よくよく読んでみるとかなり曖昧な部分が多い。こちらはそれに従って(場合によっては踏み越えて)処方を決めなければならないのだが、そのときに困ったのは、禁忌の境界で主観的な表現がされているためにどちらともとれることである。もっとも、患者の状態とて数値のみにて支配されるにあらず、であるからこれはなかなか微妙な問題である。最終的には投与するならしっかりと状態をチェックしながらということになるのだろう。
その後は病棟における薬剤師の役割についての話。薬剤師も今や病院の業務の大きな一角を占めているようである。
午後は薬物濃度の推定の話がメインで、コンピュータを使って推移の推計。数字をあれこれいじくるとそれに応じて濃度の変化が表れるので面白かった。薬剤によっては同じ量でも投与回数を変えると効果が変わるということもあるので薬剤の性質を勘案して決めなければならないというわけである。
最後にアンケートと感想文を提出し、借りた本を返してめでたく終了となった。
今日はなぜか帰り道で次々と知り合いに出くわした。不思議なものである。

宇宙服

2008年04月21日 18時55分52秒 | 臨床実習
今日は月曜日だが、薬剤部の実習の二日目である。いつもの月曜日の感覚とは少し違うような気がした。
午前中は2時間ほど講義で、麻薬の取り扱いとNSTについて。これはなかなか面白くためになった。医師免許を取りさえすればあとは申請して麻薬施用者になれるというのは初めて知った。医師免許はやはり素晴らしい。
その後薬品倉庫に行って説明を受けた。多くの種類の薬剤がたくさんあるように思えたが、輸液などはあっという間になくなってしまうのだとか。薬剤に圧倒された。
午後はしばらく異常に眠くなる講義があった。注射薬の調剤についてだったのだが、眠気に抗うのがかなり大変だった。そのあと、実際に調剤の実習。クリーンルームということで、手術室で着るような白いつなぎを着てマスクをしたのだが、これがどう見ても怪しい。とても外は歩けないような代物だった。あとはシリンジの扱いや高カロリー輸液の調製の実習。今日は1時間ほど早めに終わった。
財布の残金が135円という悲惨なことになっていたので、帰りに銀行によって少しばかりお金をおろした。ようやく何とかなりそうだ。