グリーンズ・テイブル

ppのピアニッシモな戯言でござ~い☆

詩とファンタジーNo.29

2015-01-29 21:17:48 | 

詩とファンタジーNo.29 冬実号

投稿詩とイラストレーション

かまくら春秋社

特集:詩人になりたかった穂村弘

 

今号は、共感した詩を2篇。

ふくろうにおけるパラドックス

         下野栄子

 

飼ってみたいよ ふくろうを

昔 テレビ番組で目にしたように

部屋の天井近くの隅で

じーっと見守っていて欲しい

時折 首が ぐるっ ぐるっ

 

乗ってみたいよ ふくろうと

自転車のハンドルにとまっていて欲しい

風受け ラララン ペダルをこいで

買い物に行く うれしいな

時折 羽毛が ふわっ ふわっ

 

頼ってみたいよ ふくろうに

夜行性で肉食だから

出掛けて遅くなったとき

飛んできて 夜道をエスコートして欲しい

時折 ピカッ ピカッ

 

考えると

わくわくする うきうきする

だから

ふくろうは飼いたくない

ずっと ずっと

飼ってみたいと思っていたい

 

欲しいものが手に入った途端に、喪失してしまう「わくわく感」は欲しいものと同じくらいの価値があるんですよね~。

 

オオイヌノフグリ

     浅田奈加子

 

この花が咲いたら

 

空をうつしたような

水色の小さな花

たった一輪

冷たい風に吹かれて咲いています

 

陽が射すように

水色が

一瞬で飛び込んでくるのです

 

冬の寒い日々を

背中まるめて縮んでいました

風に揺れる姿が笑っているようで

なんだか元気になれます

 

だから

いつも探してしまうんです

そろそろどこかで

咲いているんじゃないかって

 

今日 見つけました

 

うちの庭では、エリカの蕾が雪の隙間から、ちらっと

でも、北国は冬まっただ中、春はこの寒さを超えた先。

 

 

隙  詩・中野橙  絵・工藤大輔  

 

地上の恋人たち  詩・磯純子  絵・岸田ますみ

 

ほんの三行詩から思わずクスっとしたのを。

父親の知恵

    山上秋恵

知恵の輪を

ペンチで曲げて

外す父

 

マジっすか

    金子修

もう七十になる

あなたから

聞きたくなかった…



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