ゴールデンウイーク明け頃現れる「五月病」に効くかどうかは分からないけれど、
多少の参考になれば…
一昨日アップした「捨てちゃえ、捨てちゃえ」(ひろさちや著)の中に収まっているエッセイです。
仕事への不安~期待されているのは、あなたらしいやり方
人生のさまざまな段階で、新しい仕事を手掛けねばならぬことがある。学校を卒業したとき、サラリーマンが転勤などで新しい部署に就いたときなどである。わたしのような文筆業では、出版社から新しい仕事を持ち込まれることがある。
そんなとき、多くの人は、果たして自分にその仕事がやれるだろうか……と不安になる。もちろん、不安ばかりでなく、いささかの抱負もあるかもしれない。しかし、不安のほうがあまりにも大きいときがある。その不安の気持ちを少しでも軽減させるのに、こんな考え方が役立つかもしれない。
新しい仕事は、たとえば上司からあなたに命じられたものだとする。その場合、上司のほうでは、あなたにその仕事ができると思ったからこそ、その仕事を命じたのである。自分にはとてもできないと思っていても、他人の眼であなたを見れば、あなたに能力があると査定されているのだ。だから、あなたはまず自信をもつべきである。
それから、仕事のやり方は必ずしも一様ではない。いろんなやり方がある。たとえてみれば、忠臣蔵の大石内蔵助の役割を十人の俳優で演じて、十通りの大石内蔵助ができるようなものだ。自分にふさわしい仕事のやり方をすればいいのだし、あなたにその仕事を依頼した人も、あなたらしいやり方でその仕事をやってくれることを期待している。そう考えると、ずいぶんと楽になるはずだ。
吃音症の人がセールスの外交の仕事をさせられた。彼は徹底して顧客の意見を聞くことにした。自分ではほとんどしゃべらない。ところが、彼は話し上手といわれるようになったのだ。
そういうやり方もあるのである。
楽に楽に。